- カテゴリ:一般
- 発売日:2023/02/03
- 出版社: 集英社
- サイズ:20cm/113p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-08-771828-7
紙の本
がらんどう
著者 大谷 朝子 (著)
【すばる文学賞(第46回)】誰にも恋愛感情が抱けず、結婚や出産が見えない平井。その隣で、死んだ犬のフィギュアを作る菅沼。アイドルの推し活が繫いだアラフォー女性ふたりが、コ...
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商品説明
【すばる文学賞(第46回)】誰にも恋愛感情が抱けず、結婚や出産が見えない平井。その隣で、死んだ犬のフィギュアを作る菅沼。アイドルの推し活が繫いだアラフォー女性ふたりが、コロナ禍で共同生活を始め…。『すばる』掲載を単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
【第46回すばる文学賞受賞作】
最も読む快楽を感じた——岸本佐知子氏(翻訳家)
不穏な虚を抱えたパワーバランスを評価したい——堀江敏幸氏(作家)
(選評より)
「ルームシェアっていうの、やらない? もっと広い部屋に住めるし、生活費も節約できるし、家事も分担できるよ」
「若い人たち同士ならわかるけど……本気なの?」
「四十過ぎた女二人が同居しちゃいけないって法律はないよ」
「でも、普通はしないよ」
人生で一度も恋愛感情を抱いたことがない平井と、副業として3Dプリンターで死んだ犬のフィギュアを作り続ける菅沼。
二人組アイドルグループ「KI Dash」の推し活で繋がった二人のコロナ禍での共同生活は、心地よく淡々と過ぎていくが——
恋愛、結婚、出産、家族……どんな型にもうまくはまれない、でも、特別じゃない。
《今》を生きるすべての人へ、さまざまな属性を越えて響く“わたしたち”の物語。
■著者紹介
大谷朝子(おおたに・あさこ)
1990年千葉県生まれ。2022年、本作で第46回すばる文学賞を受賞。【商品解説】
【第46回すばる文学賞受賞作】
最も読む快楽を感じた――岸本佐知子
不穏な虚を抱えたパワーバランスを評価したい――堀江敏幸
(選評より)
「ルームシェアっていうの、やらない? もっと広い部屋に住めるし、生活費も節約できるし、家事も分担できるよ」
「若い人たち同士ならわかるけど……本気なの?」
「四十過ぎた女二人が同居しちゃいけないって法律はないよ」
「でも、普通はしないよ。あと、わたしまだ三十八だよ」
人生で一度も恋愛感情を抱いたことがない平井と、副業として3Dプリンターで死んだ犬のフィギュアを作り続ける菅沼。
2人組「KI Dash」の推し活で繋がったふたりのコロナ下での共同生活は、心地よく淡々と過ぎていくが――
恋愛、結婚、出産、家族……どんな型にもうまくはまれない、でも、特別じゃない。
《今》を生きるすべての人へ、あらゆる属性を越えて響く“わたしたち”の物語。【本の内容】
著者紹介
大谷 朝子
- 略歴
- 〈大谷朝子〉千葉県生まれ。「がらんどう」で第46回すばる文学賞を受賞。
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書店員レビュー
ものによって変わる
ジュンク堂書店福岡店スタッフさん
人生で一度も人間に恋愛感情を抱いたことがない平井と、副業として3Dプリンターで死んだ犬のフィギュアを作り続ける菅沼。二人の女性の生活を描いた小説です。
「がらんどう」とは、虚しい婚活を続ける平井の心情なのか、3Dプリンターのつくるものが表す言葉なのか、それとも人間すべてに向けられた言葉なのか、よくわかりません。しかし驚くべきは、人の言葉や、行動にちょっと過剰なほど反応してきた平井が、「もの」によって、その決心を「かえる」箇所があるということです。
私たちは生きていく中で、多くの他人との関わりをもって成長したり、躓いたりしていきます。他人がいたことで救われたり、もしくは地獄に突き落とされたりも時にはするのかもしれません。しかし、現代は、「ひと」が作り出した、あまりにも多くの「もの」がが移入してきています。携帯電話、メタバース、AI、仮想世界のアイドル。「ひと」の姿をしたもの、「ひと」と同じような働きをするもの、多くの「もの」に取り囲まれて私たちは生きています。
「がらんどう」とは、血や肉を持たない、人間ではないものに向けられた、言葉なのかもしれません。そして、そんなものでなくては救えない「ひと」がまたいるということについても、指し示してくれている小説なのだと感じます。