- カテゴリ:一般
- 発売日:2023/01/19
- 出版社: 新潮社
- サイズ:20cm/158p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-10-354112-7
読割 50
紙の本
荒地の家族
著者 佐藤 厚志 (著)
【芥川賞(168(2022下半期))】人が住み、出ていく。生まれ、死んでいく−。あの災厄から10年余り。生活も仕事道具も攫われ、妻を喪った男はその地を彷徨い続けた。仙台在...
荒地の家族
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商品説明
【芥川賞(168(2022下半期))】人が住み、出ていく。生まれ、死んでいく−。あの災厄から10年余り。生活も仕事道具も攫われ、妻を喪った男はその地を彷徨い続けた。仙台在住の書店員作家が、止むことのない渇きと痛みを描く。『新潮』掲載を単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
あの災厄から十年余り、男はその地を彷徨いつづけた。第168回芥川賞候補作。元の生活に戻りたいと人が言う時の「元」とはいつの時点か――。40歳の植木職人・坂井祐治は、あの災厄の二年後に妻を病気で喪い、仕事道具もさらわれ苦しい日々を過ごす。地元の友人も、くすぶった境遇には変わりない。誰もが何かを失い、元の生活には決して戻らない。仙台在住の書店員作家が描く、止むことのない渇きと痛み。【商品解説】
著者紹介
佐藤 厚志
- 略歴
- 〈佐藤厚志〉宮城県仙台市生まれ。東北学院大学文学部英文学科卒業。丸善仙台アエル店勤務。新潮新人賞、仙台短編文学賞大賞を受賞。
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紙の本
あの日のことを忘れない
2023/05/18 15:53
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
第168回芥川賞受賞作。(2023年)
作者の佐藤厚志さんが仙台で書店員でもあるということは、受賞後の報道から知られている。
前作『象の皮膚』は、2011年3月に起こった東日本大震災直後の書店での様など実にリアルに描かれていて読み応えがあった。
今回の受賞作も東日本大震災で大きな被害のあった仙台の海沿いの街で暮らす男とその周辺の人たちを描いて、深い感動を持たらしてくれる。
戦争にしろ天災にしろ大きな厄災があった時、死んでいく者と生き残る者が生まれる。
そのことはやむをえないが、生き残った者となった時、その人にはどうして自分が生き残ったのかという悔悟が生まれることほどつらいことはない。
作品の中にこんな一節がある。
「生者は時に闇をかき分けてでも失った人を感じたくて、すがるように光を追いかけて手を伸ばす。」
この作品こそ、佐藤厚志さんが伸ばした手かもしれない。
芥川賞選考委員の一人、吉田修一氏は「読後、胸に熱いものが込み上げてきた」と書いているし、それは多くの人の読書後の感想であるかもしれない。
その一方で、島田雅彦委員の「美談はしばしば、現実のネガティブな部分も隠してしまう」という言葉をおろそかにすべきではない。
それでも、佐藤さんには大きな厄災を経験した当事者として、臆せずあの日とあの日に続く有り様を書いてほしいと思う。
あの日のことは忘れてはいけないのだから。
紙の本
防波堤は人の心まで守ってくれない。
2023/03/10 22:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みつる - この投稿者のレビュー一覧を見る
あの災害はたくさんのものを奪っていきました。
復興しつつあると言っても、人の心は
そう簡単には癒されません。
大勢のうちのひとりにすぎなくても
そのひとりは誰かのかけがえのないひとり。
防波堤を見つめる主人公の描写が何度も出てきますが、
この防波堤ができあがったからといって
あの災害の記憶が思い出されるだけなのかもしれません。
何を守ってくれる防波堤なのか、
主人公の心は守ってくれない。
言いようのない辛さと、それでも懸命に生きる人々の姿が描かれています。
風化しつつある今、もう一度、今度は自分の身に降りかかるかもしれないという警鐘を鳴らしてくれるような作品でした。
紙の本
心にしみる
2023/02/26 21:02
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まさ - この投稿者のレビュー一覧を見る
東日本大震災で命を奪われなかったものの、その後に生きていく男性が味わう苦悩をリアルな表現によって描く物語です。心にしみます。
紙の本
最後の終わり方がすごく好き
2023/01/20 18:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:moon - この投稿者のレビュー一覧を見る
心の機敏とともに巧みな風景描写が素晴らしい。あの日、普通の日常がいっぺんに失われた。災厄を境に元に戻ろうと四苦八苦しても、もはや元とはいったいなんなのか。もがけばもがくほど、遠ざかっているけれど、新しい日常もきっとそんなに悪くないと思わせてくれる。震災文学としてだけでなく人間ドラマとしても描かれているのが良かった。家族や仕事仲間、元妻など人の微妙な心情はいかんともしがたい歯がゆさがある。
また個人的に、一人親方(植木職人)として個人事業主の大変さもかかれているのも良かったです。一人一人いろんな仕事があって、いろんな復興の仕方がある。最後の終わり方がすごく好きです。鬱屈とした思考からの開放感があった。
紙の本
なにも言えねぇ
2023/04/26 22:01
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:玉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
芥川賞受賞作品は、とにかく目を通しておきたい。
疲れるものもけっこうあるが、
本作は読みやすく、情景もめに浮かぶものばかりでした。
でも、感動はこみあげてはこなかったし、
もう一度読みたい、という気にはさせてもらえなかった。
なんでだろう?
電子書籍
芥川賞候補、仙台在住の作家
2023/03/17 22:32
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
芥川賞候補と聞いて、読み始めましたが、一気読みとはいかず……というか、文章があまり流れてない感じで。やや読みにくく。この作家さん、初めて読んだかも?ストーリーは、40歳の植木職人である坂井祐治が主人公。彼は、あの災厄の二年後に妻を病気で失くし……