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女王陛下の影法師 秘書官からみた英国政治史 (ちくま学芸文庫)新刊
著者 君塚 直隆 (著)
イギリスの歴代君主に仕えた君主秘書官たち。彼らが登場した歴史的経緯を踏まえつつ、手紙や日記などの史料を交えて、秘書官と君主との物語を描く。今も君主制が存続する謎にも迫る、...
女王陛下の影法師 秘書官からみた英国政治史 (ちくま学芸文庫)
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商品説明
イギリスの歴代君主に仕えた君主秘書官たち。彼らが登場した歴史的経緯を踏まえつつ、手紙や日記などの史料を交えて、秘書官と君主との物語を描く。今も君主制が存続する謎にも迫る、ユニークなイギリス近現代政治史。【「TRC MARC」の商品解説】
ジョージ三世からエリザベス二世、チャールズ三世まで、王室を影で支えつづける君主秘書官たち。その歴史から、英国政治の実像に迫る。解説 伊藤之雄
===
ヴィクトリア女王、エリザベス2世、そしてチャールズ3世まで、イギリスの歴代君主に仕えた君主秘書官たち。多くは君主の青年時代からの側近であった彼らは、国内外の様々な問題を君主に報告し、時に助言も行い、有事に際しては公正中立な立場から君主と政権をつなぐ重要な架け橋でもあった。本書では、彼らが登場した歴史的経緯を踏まえつつ、手紙や日記などの史料を交えて秘書官と君主との物語を描く。貴族政治から大衆民主政治への転換、二度の大戦、王室のスキャンダル……。激動の時代を経てなぜ今も君主制が存続するか。その謎に迫るユニークなイギリス近現代政治史。 解説 伊藤之雄
===
王室に影のように寄り添う歴代秘書官から
イギリス君主制の謎に迫る
===
【目次】
はじめに
序章 秘書官の登場
第1章 女王秘書官職の確立と定着
第2章 二大政党のはざまで
第3章 大衆政治に立脚する君主制
第4章 立憲君主制の光と影
第5章 エリザベス二世の半世紀と秘書官たち
終章 秘書官と二一世紀の君主制
おわりに
ちくま学芸文庫版へのあとがき
解説 イギリス近代・現代君主制研究の開拓者(伊藤之雄)
主要参考史料・文献一覧
イギリス歴代君主秘書官一覧【商品解説】
目次
- はじめに
- 序章 秘書官の登場
- 第1章 女王秘書官職の確立と定着
- 第2章 二大政党のはざまで
- 第3章 大衆政治に立脚する君主制
- 第4章 立憲君主制の光と影
- 第5章 エリザベス二世の半世紀と秘書官たち
- 終章 秘書官と二一世紀の君主制
- おわりに
- ちくま学芸文庫版へのあとがき
著者紹介
君塚 直隆
- 略歴
- 君塚 直隆(きみづか・なおたか):1967年、東京都生まれ。立教大学文学部史学科卒業。英国オックスフォード大学セント・アントニーズ・コレッジ留学。上智大学大学院文学研究科史学専攻博士後期課程修了。博士(史学)。専攻はイギリス政治外交史、ヨーロッパ国際政治史。東京大学客員助教授、神奈川県立外語短期大学教授などを経て、現在、関東学院大学国際文化学部教授。著書に『ヴィクトリア女王』『立憲君主制の現在』『ヨーロッパ近代史』『エリザベス女王』『悪党たちの大英帝国』『イギリスの歴史』『貴族とは何か』など多数。
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基本的には先王の時代まで
2023/02/14 21:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
大体ハノーヴァー朝の成立からエリザベス2世の時代までなので、書名は「国王陛下の影法師」には改名しなかったのだろう。主要な君主にヴィクトリア、エリザベス2世の2代の女王がいるわけだし。
理想化されているような国王秘書官制度といっても、所詮は人間なので、時代の流れに抗えないし、エドワード8世、ダイアナ、サセックス公爵夫妻(元王子ハリーとメーガン)といった人気先行で言い分ばかり振り回すお粗末な「困ったちゃん」に振り回されているから、完璧な制度などあり得ないのが分かる。とりわけエドワード8世のような親NS(ナチ)の人物の場合、もし曲がりなりにも君主として君臨していたら、対独融和路線が現実より長引いていたかもしれない。所謂「心のプリンセス」ダイアナも夫がカミラと不倫すりゃ自分も不倫する程度の人物に過ぎないのに何であんなに人気があったのかが謎だ。エドワード8世に感化されたのか、それともハノーヴァー家など第三帝国の高官になったドイツの親類縁者を崇拝しているのか、「はじめに」にあるようにハリーは鉤十字の腕章を平気でつける程度の人物だ。
ジョージ5世を「大衆化の時代の君主」というが、大衆の反ドイツ感情に押される形で第一次世界大戦で祖父のアルバート公の生家によるサックス・コーバーグ・ゴーダからウィンザーに改姓したり、独墺の君主や王族からガーター勲章を剥奪した事や、また「専制君主」ニコライ2世一家やミハイル大公などを見捨てた事が、その現れなわけだ。元々、母系でスチュアート朝の血を引くゾフィーの縁でハノーヴァー家出身のジョージ1世が即位したから、ドイツに縁があるから反ドイツ感情の大衆から浮き上がりたくはないし、ジャコバンを崇拝するボリシェヴィキの赤色テロが如実になっていても、「専制君主」と一緒に見做されたくはないからだろうか。愚かなボリシェヴィキはケレンスキーが理解していた事が分からずにツァーリ一家を銃殺して殉教者にしてしまったり、同志レーニンに対して「言論の自由」を主張して亡命したミャースニコフですらミハイル大公の銃殺に関わったりしたといっても、ジョージ5世の愚かさは共感できない。
反君主論者が抽象化(矮小化)した君主と王族を制度と混同してしまうが、こうなると個々人の素質や人間性も関わるのではないか。
皇室と「影法師」について少し書かれているが、徳川義寛は実の妹が北白川祥子女官長で弟が津軽家へ養子に入ったので常陸宮妃は姪。エドワード8世などの「困ったちゃん」に当てはまるのが又従兄弟の息子の竹田恒泰を不用意に近づけて「男系男子」カルト思想に感化されて御神輿になってしまった晩年の寛仁親王だろう。
解説に補足すれば、この本の著者は現王太子ウィリアムとキャサリンのロイヤル・ウェディングの際にNHKで鎌倉千秋アナと実況していた。