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紙の本
月神 (角川文庫)
著者 葉室 麟 (著)
幕末の福岡藩で、尊攘派として志士を導いた男、月形洗蔵。維新後の北海道で、集治監(監獄)を創った従兄弟の月形潔。時代の陰で日本の曙光のために命を燃やし、失意と無念の中を戦い...
月神 (角川文庫)
月神
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商品説明
幕末の福岡藩で、尊攘派として志士を導いた男、月形洗蔵。維新後の北海道で、集治監(監獄)を創った従兄弟の月形潔。時代の陰で日本の曙光のために命を燃やし、失意と無念の中を戦い続けた志士たちを描く、時代長編小説。【「TRC MARC」の商品解説】
明治13年、福岡藩出身の内務省書記官・月形潔は、北海道に監獄を作るために横浜を発った。
明治維新以降、新政府の本流となることができなかった福岡藩出身者には、瑣末な仕事ばかりが与えられていた。
洗蔵さんが、いまのわたしを見たら、どう思われるだろうか――
船上の潔の頭に浮かぶのは、尊攘派志士として命を燃やした従兄弟・月形洗蔵の顔だった。
激動の時代、二人の男の矜持が、時代を越えて交差する。
葉室麟が遺した、魂を揺さぶる歴史長編。【商品解説】
目次
- 月の章
- 神の章
- 解説 福田千鶴(歴史学者)
著者紹介
葉室 麟
- 略歴
- 1951年、北九州市小倉生まれ。西南学院大学卒業後、地方紙記者などを経て、2005年、「乾山晩愁」で歴史文学賞を受賞しデビュー。07年『銀漢の賦』で松本清張賞を受賞し絶賛を浴びる。09年『いのちなりけり』と『秋月記』で、10年『花や散るらん』で、11年『恋しぐれ』で、それぞれ直木賞候補となり、12年『蜩ノ記』で直木賞を受賞。著書は他に『実朝の首』『橘花抄』『川あかり』『散り椿』『さわらびの譜』『風花帖』『峠しぐれ』『春雷』『蒼天見ゆ』『天翔ける』『青嵐の坂』など。2017年12月、惜しまれつつ逝去。
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日の目をみない事績
2023/04/07 14:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
幕末動乱期を薩長の志士たちの活躍で描くのではなく、時代に翻弄されたかのような福岡藩の志士の苦悩を描くことにより、日の目をみなかったかもしれない人物を際立たせている。月形潔という幕末から明治中期に生きた一人の官吏が、思い悩むのは、遺されれ生かされていくことの辛さを伝えたいのだろうか。正義を貫こうとすれば、それを遮る者は現れ、取り除いても、逆に遮られても、恨みは生じる。恨みを報いあって、最後に生き残った者がすなわち歴史上の正義なのかもしれない。