- カテゴリ:一般
- 発売日:2023/04/21
- 出版社: 文藝春秋
- サイズ:20cm/250p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-16-391689-7
紙の本
藩邸差配役日日控
著者 砂原 浩太朗 (著)
江戸藩邸のなんでも屋と揶揄される差配役・里村五郎兵衛のもとには日々、大小問わず厄介事が持ち込まれる。そんななか、若君が消えたとの報が。すぐさま探索に向かおうとする里村だっ...
藩邸差配役日日控
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商品説明
江戸藩邸のなんでも屋と揶揄される差配役・里村五郎兵衛のもとには日々、大小問わず厄介事が持ち込まれる。そんななか、若君が消えたとの報が。すぐさま探索に向かおうとする里村だったが…。『オール讀物』掲載を単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
『高瀬庄左衛門御留書』『黛家の兄弟』の著者による、清冽なる時代小説
消えた若君と、蠢く陰謀
その時、男は――。
江戸藩邸の“なんでも屋”――藩邸差配役・里村五郎兵衛
誰にもできぬお役を果たすのが、勤めにございます
里村五郎兵衛は、神宮寺藩江戸藩邸差配役を務めている。陰で“なんでも屋”と揶揄される差配役には、藩邸内の揉め事が大小問わず日々持ち込まれ、里村は対応に追われる毎日。そんななか、桜見物に行った若君が行方知れずになった、という報せが。すぐさま探索に向かおうとする里村だったが、江戸家老に「むりに見つけずともよいぞ」と謎めいた言葉を投げかけられ……。
最注目の時代小説家が描く、静謐にして痛快な物語
【商品解説】
収録作品一覧
拐し | 5−41 | |
---|---|---|
黒い札 | 43−83 | |
滝夜叉 | 85−125 |
著者紹介
砂原 浩太朗
- 略歴
- 〈砂原浩太朗〉兵庫県神戸市出身。早稲田大学卒業。フリーのライター・編集・校正者。「高瀬庄左衛門御留書」で野村胡堂文学賞、舟橋聖一文学賞、本屋が選ぶ時代小説大賞、「黛家の兄弟」で山本周五郎賞受賞。
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紙の本
漢字ばかりのタイトルは苦手ですが
2023/05/24 16:35
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
砂原浩太朗さんは、2021年に発表した『高瀬庄左衛門御留書』で高い評価を得、
翌年には『黛家の兄弟』で第35回山本周五郎賞を受賞した、
今もっとも注目されている時代小説作家といっていい。
砂原さんの魅力はその抑制された文章と静謐な世界観にあるといっていい。
まだ作品数が多くないので、これから先どのような作品をものにするのか、
期待値も大きい。
そんな砂原さんが2021年の終わりから雑誌「オール讀物」に不定期連載したのが、
この『藩邸差配役日日控』である。
評判となった『高瀬庄左衛門御留書』が漢字のみを連ねたタイトルだったから、
その験担ぎということもあったのだろうか、
今回も漢字だけを連ねたタイトルになっている。
5つの短編で出来上がっているから、連作集ではあるが、 、
やはり大きな線が一本つながっているので、長編として読んでもいい。
主人公の里村五郎兵衛は、神宮寺藩の江戸藩邸の差配役の頭である。
差配役というのは、
藩邸の管理を中心に殿の身辺から邸の雑役に至るまで目を配る要の役目で、
現代でいえば会社の総務・秘書室みたいな役目だろうか。
里村には二人の娘がいるが、妻を若くして亡くしている。
作品の大きな線というのは、里村の家族に関係することだが、
それは最後の作品「秋江賦」で明らかになる。
砂原さんへの期待が大きいせいだが、
この作品はどちらかといえば平凡に見えるかもしれない。
あるいは、作品の尺が足りないせいかもしれない。
主人公を取り巻く人たちへの踏み込みが足りなくて、
それが作品を平凡にしているように思える。
もっとも、まだ期待の作家であることには違いないが。
紙の本
最後には、最大のサプライズが!
2023/05/26 20:01
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:こばとん - この投稿者のレビュー一覧を見る
先行する二作『高瀬庄左衛門御留書』、『黛家の兄弟』は架空の神山藩を舞台とした作品だったが、本作は東北が本領の神宮寺藩七万石の江戸藩邸の差配役である里村五郎兵衛が主人公で、連作集という点でも前二作とは異なっている。
藩侯の10歳の世子が行方知らずになる「拐(かどわか)し」、入札の不正を疑う「黒い札」、藩邸で新しく雇った女中は怪しげな魅力を放ち、男同士がいさかいを起こす「滝夜叉」、藩侯の正室の愛猫が行方知らずとなる「猫不知(ねこしらず)」、江戸藩邸の2人の実力者の角逐に巻き込まれる「秋江賦(しゅうこうふ)」の5篇から成る。
前二作同様「あっ!」と思わせるサプライズが各所に織り込まれている。特に最後の最後には、最大のサプライズが待ち構えている。