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「腹を空かせた」で嫌なやつだなーー‼︎ と思った母ちゃんのこと、だんだんそういう冷笑キャラとして受け入れられるようになって、レナレナと一緒にわたしも成長した気分になった
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玲奈(レナレナ)の中学1年生から高校1年生を描いた小説
私立で電車通学とはいえ年齢的に行動範囲は限られるから、登場人物も家族と友達、近所の知り合いが中心。
ただ、このママからこの娘?って位、母娘の性格、考え方は正反対で、それがこの小説の肝だと思う。
もし2人が同じクラスにいたら、絶対違うグループになるし、そもそもこのママは1人で平気なタイプで、エネルギーに溢れてキラキラしてるレナレナを、得体の知れない生き物と思うんだろうな。
(まあこうやって勝手に決めつけられることも嫌うと思うけど)
そんなママが自分の娘に放つ数々の言葉を読んでると、不器用な愛情表現だな、と感じるし、自分にも思い当たる事があって苦笑した。
玲奈を自分と対等の1人の人間として扱いたいから、自分が理解する自分の言葉で語るけれど、それが玲奈に響くかは、また別問題な訳で。
いや、けどちゃんと伝わってるんだろうな。
高1になった玲奈が親友ミナミの恋愛事情について思い悩む姿は中1の頃の玲奈とは違うし、ママの作るご飯で玲奈の身体が作られるように、ママの言動が玲奈の考え方にも影響を及ぼすし。
高1で終わらず、この先も読みたい。
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中学から高校までの友情と変わった家族との中で成長していく青春物.若々しくみずみずしい言葉遣い,勉強,部活,ゲームなどに打ち込む姿,友達の悩みへの距離感,コロナという状況もバッチリ取り込んで非常に面白かった.
主人公の母親のぶれない自由さがまた清々しい.こんな母親を持った娘は大変だろうけど.
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レナレナのママが一番金原作品の登場キャラっぽくて、それ以外はらしくない感じがまた面白かった。コロナ禍の中で起こる中学生活、少し不思議な家族の形。結構平和で平穏なので読みやすい。
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私立の女子校に通う玲奈、通称レナレナ。不倫相手のいるキャリアウーマンの母、その不倫を公認している父。なんとも不思議な家庭だが、コロナ禍の中友人たちと二度と無いスクールライフを駆け抜ける。
中学・高校の4篇。今どき中高生って、こんななんだと おばさんは感心。今どきの母親と父親にも感心。感心しながらも、レナレナと仲間たちを応援してしまう。
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あの金原ひとみの目を通して描く女子中学生、ってそりゃもうどんだけ濃く激しい嵐のような毎日なんだろうと思いつつページをめくる。
めくる。めくる。めくってもめくってもそこにめくるめく嵐のような情動はこない。書き手も読み手も小説によって傷つき合うような不穏さもない。前作くらいから金原小説を読んでも血を流さなくていいときもあるな、とふと。でもそのおかげでちょっと手に取りやすくなった気もする。
なにかと食べ物に手を伸ばしてしまう育ち盛りの中学二年生玲奈。玲奈の母親は夫後任の不倫中。
この母親のキャラがちょっと一緒には暮らしたくない感じの面倒くささ。
バリキャリで家事もしっかりこなす。彼氏の家に泊まりに行くときは夜のご飯と一緒に娘の翌日のお弁当迄しこんでいく。家もきちんと整っているし、全くもって完全無欠の母親なのだけど、思想というか、ポリシーというか、哲学というかがちょっと面倒臭いのだ。14歳の中学二年生なんて言うこともやることも、それほど大した考えがあるわけじゃないだろうに、娘の言動ひとつひとつに対して「理由」や「意味」を求め、それに対して自分の「信念」や「正しさ」を説明していく。
そんなに「正しさ」に忠実なくせになぜ「不倫」などするのか。しかも娘に隠そうともせずに。
その辺りの不安定な強さに娘の玲奈の心も影響を受けていく。
この母親に共感できるところと共感できないところ、その両方に読んでいる自分の心も揺れる。
そんな母親のもとで、中学二年生という不安定な時期を過ごす玲奈。
部活に青春をかけたり、友だちと帰り道で買い食いしたり、ゲームに没頭したり、そんな当たり前の普通の毎日が、当たり前の毎日だけじゃないことを突きつけてくる。
コロナによる変化、今まで知らなかった差別による変化、友だちの恋愛事情、受け入れていたはずの母の不倫への気持ちの変化…大人になるって、面倒臭い。14歳が体験するたくさんの面倒臭い大人への階段。記憶の片隅にあるそんな面倒くささとの闘いを思い出しながら読んだ。
リアル14歳に、これから14歳になる、あるいは14歳を通り過ぎた誰かに読んで欲しい一冊。
ただ、タイトルでちょっと損してる気も。初見で手に取る人を選ぶのでは…(戦争モノ、とかスポ根モノとかと思って読んで欲しい世代に届かない可能性もありやなしや)
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とにかく明るい陽キャの玲奈とドがつく文化系で家族内公然不倫中のママの冒険譚と言ってもいいくらいのコロナ禍の中のパワフルな日常。
主人公のレナレナは小説も読まないタイプの陽キャだけど、その独白やセリフには随所に金原ひとみの思想が溶け込んでいて、彼女がそのまま陽キャになったらこうなるんだなとちょっと面白かった(彼女の思想や考えについては『パリの砂漠、東京の蜃気楼』を読むと一層面白いと思う)
レナレナとママのやりとりが面白くてずっと読んでいたいと思った。ママのツッコミは辛辣だけど、それを受けてモノローグで述べられるレナレナの感想も違うアプローチの辛辣さでちょっと笑ってしまう。全く違うタイプの人間でも対話によって歩み寄ることはできるし、少しだけ理解することができるようになるかも知れない、とちょっと勇気がもらえる。
『蛇にピアス』から全作読んでるけど、金原ひとみがこんな小説も書くようになったのかとなんだか胸がいっぱいになってしまう。ずっとダウナーな世界を書いてきた人だからこそ、今回のアッパーな物語はそれだけで祝福に思えた。これからも絶対に追いかけ続ける。
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ひどく厭世的で言語能力が高く、おまけに稼ぎの良い、いつもの金原ひとみ作品のヒロインの娘の話。メンヘラになるかと思ったら、誰とでも仲良くなって感情のまま興味の赴くまま突っ走って精一杯毎日を生きてる陽キャのレナレナが愛おしく、ずっと見ていたくなる。母親は公然不倫してるし娘が高校卒業したら離婚することを決めてるけど、良き母親として振る舞ってて、良き。とってもポジティブで爽やかなずっと浸っていたくなる世界観でした。
前作のミーツ・ザ・ワールドは腐女子銀行員がヒロインだったけど、近作はこれまでとは違う世界観を持った登場人物を主人公に据えようとしていて、作家として着実にステージを進んでる金原ひとみ、えらいな、って思ってます。
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中学から高校、この頃の時はいくらでも食べられるものである。小生もどんぶりメシ5杯食べて母親がビックリしていたことを思い出した。最後に女友達の友情とか母親の愛情などなどあって良かったな!青春時代のいろいろな場面が描かれていて面白かった。
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金原ひとみが健全だ。私が知る限り金原作品には病んでる人ばかりの印象があったが、この作品の主人公怜奈は快晴のようにスコーンと晴れ渡った性格だ。そして抱きしめたくなるぐらい真っ直ぐで素直だ。中学生から高校生にかけての怜奈の青春グラフィティ。いつも明るい怜奈にも悩みがある。ママが正々堂々と不倫しているのだ。このママがなかなかの曲者。詭弁のような正論、正論のような詭弁をまくしたてるママが個人的には超・苦手だがそこが金原さんっぽい味付けにもなっている。とはいえ皆キャラクターはいい味出してて面白かった。続編希望。
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らしくない笑
なんと清々しい青春小説なんだろう!
まさか、金原さんの小説を読んでこんな気分になるとは。
読後感が、「心が洗われた」って感じなんです。
タイトルが雄々しくて猛々しくて、また身体(や心)に傷をたくさん負った方々の戦いの記なのだろう、その荒波の中で「生」を感じるんだろう、と勝手に想像しつつAmazonでポチッとした新作。
その期待は、見事に裏切られました(いい意味で)。
とにかく主人公レナレナが圧倒的にポジティブで陽キャ。
真っ当な勇者の成長物語なんです。
もちろん、理屈だか、屁理屈だかわからないような、しかしスジの通った、時には小難しい論理展開なんかは、健在。
特に主人公と母親のめんどくさい会話は微笑ましく、その部分を読めば紛れもなく金原さんの作品であることを感じる。
娘さんがレナレナのモデルで、レナレナの母親が金原さん本人をモデルにしているのかな。
この作品、すごく好きだな。
初めて金原さんの作品を自分の娘(レナレナと同じくらいの齢)に読ませたいと思ったかも。
でも、身体的にはあまり痛くないから1点減点。
♪Complicated/Avril Lavigne (2002)
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なかなか複雑な家庭環境に、友達もいろいろあって、目まぐるしく思考も感情も変わっていく中学生の日常。
鉄砲玉みたいな行動力全開の玲奈がまぶしい!
玲奈の両親が腹立たしくて、でも共感する部分もあり、めちゃくちゃ感情を揺さぶられました。
大人だからといって万人に正しいと思ってもらえる選択をするとは限らないし、人の感情はある意味どれも仕方なくて、みんな、自分の生き方を生きて、他人の感情はなんとか受け入れていくしかないんだよな…。
複雑な感情を抱えるのが苦手と言いながらも、他人の論理にちゃんと向き合っている玲奈。
いろんな感情にぶつかっては一生懸命前に進もうとする姿が愛おしくて頼もしくて、元気をもらいました!
母親ユリの押し付けがましい論理にはかなり憤りを感じたんだけど、『文藝』に載ってた金原ひとみさんと伊藤比呂美さんの対談で、金原さんがユリの教育?をけっこう理想の接し方ぽく話しておられたので驚いた。玲奈は娘さんのキャラからきているようだから、自分もユリみたいな母親だったらもっと伸ばしてあげられると思うのだろうか。
私は、都合のいい理屈で子供をコントロールしようとしているとしか思えないけど…。
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金原さんの小説があって良かった。
思えば自分も割と喜びとか怒りとか悲しみとか、
そういう感情の大きなブレが苦手で、
色々考え込むことが煩わしいと思っていた人間で。
色々考えてこむようになってから、
あの頃の自分は浅はかだったな、とか思っていたけど、自分に子供ができたとしたら、こんなに思い悩んで欲しくないな、とか思ったり。
安全なとこで、幸せって枠からはみ出さないように、自分が見守れる中でめちゃくちゃ幸せになってほしいとさえ思うのだけど。
でもその陽キャたちは陽キャたちで、
ハードモードな人生を送っている。
結局程度の差こそあれ、みんなそれぞれ色々大変なことを抱えて生きている。
帯にも金原さん自身が書いていたけど、
勝手に幸せになって欲しい。
なんか読んでて何回も泣きそうになった。
金原さんの小説があってよかった。
彼女と会った時に、この小説を読んでいたら、
めちゃくちゃ不満そうな顔をされたけど、
彼女にも幸せになって欲しいです笑
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若者女子たちの会話が瑞々しい。玲奈や依子、駿ら皆、自分の悩みで一杯なのに、親の勝手で心を乱される不合理さ…それでも真っ直ぐ逞しく友情を大事する姿に心が洗われた。
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もうどうしたって10代には戻れない。
けれどページを開けば10代の自分が主人公たちと青春し出す!
自分が親になって初めて、
親の想いはこうだったのかと気づくけど、
その頃にはもう子どもの想いはこうだったんだよな、というそれを見失う。
立ち戻り、主人公たちに寄り添ううちに、
そんなことを気づかされる。
自分の10代の頃とは全くかけ離れたもので、
主人公のレナレナの日常はなかなかベビーだけど、
タフで元気いっぱいなその姿に、
パワーを感じずにはいられない。
空は青く、春も青い!
そこへ立ち向かう勇ましい者どものハングリー精神!
なんだろう、この愛しさは。
とにかく愛しいのです。
この作品の主人公をそっと包み見守る、
金原さんの愛を感じました。
胸いっぱいに広がるエネルギー!
やっぱり金原ひとみさんは最高♡
装丁もめっちゃ良き♪◡̈*