無伴奏チェロ組曲（全6曲）　マイスキー（vc）【DVD】 2枚組

ミッシャ・マイスキーは、1948年にラトヴィアのリガに生まれています。姉がピアノ、兄がヴァイオリンを習う環境下でマイスキーは８歳からチェロを学ぶことになり、地元リガの音楽院からレニングラードの音楽院へと進んだ彼は、在学中の1965年、17歳のときに全ソ連音楽コンクールで優勝し、直後にレニングラード・フィルと共演してコンサート・デビューを果たします。
　翌年、チャイコフスキー・コンクールに入賞した際には、審査員のロストロポーヴィチに特別に目をかけられ、モスクワで教えを受けることとなります。
　しかし１９６９年に姉がイスラエルに亡命してしまったため、翌１９７０年、マイスキーはソ連政府から見せしめよろしくひどい仕打ちを受けることとなります。
　彼は外国為替法違反という名目で逮捕され、２年近くの長い期間をゴーリキー郊外の強制労働収容所で過ごすこととなったのです。
　そして強制収容所を出所した彼を待ち受けていたのは、今度は兵役に就けという命令でしたが、マイスキーはこれを、医師の協力で２ヶ月間精神病院に入院することで回避。１９７２年１１月にようやく出国を認められてアメリカに渡ることとなります。
　１９７３年にはカサド･コンクールに優勝して国際的な活動を開始、カーネギー・ホールでもリサイタルを開くこととなりますが、このとき、会場に居た人物から譲り受けたチェロは現在まで30数年に渡ってマイスキーを支え続けてきた1720年製のモンタニアーナです。
　以後のマイスキーは、コンサートにレコーディングに世界的な活躍を見せ、バッハの無伴奏チェロ組曲についても、録音で２回、映像で１回収録するほどの熱の入れようです。今回登場するＤＶＤは、1986年に収録されたもので、38歳のマイスキーによる真摯なアプローチがとても新鮮です。

J.S.バッハ：無伴奏チェロ組曲（全6曲）
・第1番ト長調 BWV.1007
・第2番ニ短調 BWV.1008
・第3番ハ長調 BWV.1009
・第4番変ホ長調 BWV.1010
・第5番ハ短調 BWV.1011
・第6番ニ長調 BWV.1012
　ミッシャ・マイスキー（チェロ）

　収録：1986年10月、11月 イタリア、カルドーゾ
　映像監督：ホラント・H.ホールフェルト、ハンフリー・バートン
　収録時間：162分
　画面：カラー、4:3
　音声：STEREO: PCM / SURROUND: DTS 5.1
　A production of UNITEL, Munich
　NTSC
　Region All