目次
医療化のポリティクス 近代医療の地平を問う (シリーズ社会問題研究の最前線)
- 森田 洋司(監修/編)/ 進藤 雄三(編)
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第Ⅰ部 医療化のポリティクス
序 章 医療化の推進力の変容(ピーター・コンラッド著/進藤雄三・松本訓枝訳)
1 医療化の興隆
2 医療における変化
3 医療化の新たな駆動力
1)バイオテクノロジー / 2)消費者 / 3)マネジド・ケア
4 新しい世紀における医療化
第1章 医療化のポリティクス―「責任」と「主体化」をめぐって(進藤雄三)
1 はじめに
2 「医療化」概念
1)2つの側面 / 2)「医療化」の含意の検討―被指示対象を素材に
3 医療化のポリティクスの諸相
1)医療化の帰結―免責と個人化― / 2)「医療化」と「主体化」
4 「医療化」論再考
1)「医療化」論の焦点 / 2)「医療化」論の文脈化 / 3)「医療化」論の構造的限界
第2章 医療化の再検討―歴史的視点から(市野川容孝)
1 「間違った医療の中に、正しい医療などありえない」
2 死の医療化
3 「狂気」の医療化
4 医学を批判する医学―医学史の重要性
第3章 障害児・者にとっての医療化(石川憲彦)
1 医療・宗教・政治・科学
2 初めに言葉があった
3 差異化と障害
4 障害者の急増
5 発達障害者支援法
6 脳中心の人間観と心理主義
7 医療の個人化
8 個人化と普遍化
9 病の原因としての外敵の発見
10 西洋医学の勝利と人間の勝利
11 これからの医療化
第4章 薬物政策における医療的処遇―「逸脱の経済化」の一局面としての「医療化」(佐藤哲彦)
1 薬物政策における医療的処遇
1)はじめに / 2)薬物政策と医療化
2 イギリスにおける薬物政策
1)「ブリティッシュ・システム」とGPによる処方 / 2)薬物治療センターの登場
/ 3)コミュニティ・ケアの台頭 / 4)医療的処遇の三段階
3 逸脱の経済化
1)資源としての医療 / 2)逸脱の経済化
4 おわりに
第5章 制裁としての医療―「心神喪失者等医療観察法」保安処分(井上眞理子)
1 「燥暴なる者」の閉じ込め
1)「逸脱の医療化」論との違い―タテマエとしての医療
/ 2)重なり合う精神障害者処遇と犯罪者処遇―「燥暴なる者」の閉じ込め
2 保安処分思想の流れ
1)E.F.クライン(Klein,E.F.) / 2)F.v.リスト(Liszt,F.v.)
/ 3)C.シュトース(Stooss,C.) / 4)E.フェリ(Ferri,E.)
/ 5)刑事司法における精神医学の影響力の増大
3 日本における「保安処分」問題の流れ
1)「改正刑法仮案」
/ 2)「改正刑法準備草案」,「改正刑法草案」,「保安処分制度の骨子(刑事局案)」
4 刑法の枠をはずした保安処分としての「心神喪失者等医療観察法」
1)「再犯予測可能性」の問題 / 2)「治療」というタテマエの背後に存在するもの
/ 3)事実認定の問題
5 精神医療と刑事司法との相互領域移行
1)刑法39条は削除すべきか
/ 2)日本の精神医療システムの問題点――精神医療から刑事司法への「領域移行」
/ 3)刑事司法から精神医療への「領域移行」
第Ⅱ部 医療化の諸相
第6章 アルコール依存症と医療化(心光世津子)
1 法による取り締まり
2 疾病概念の輸入
3 治療の専門化―閉鎖病棟からアルコール専門病棟へ
4 セルフヘルプ・グループとの連携
5 とりくみの多様化―機関・対象期間・対象者の拡大
6 新たな局面―「横ばい」「軽症化」の中で
7 おわりに
第7章 ひきこもりと「医療化」(斎藤環)
1 ひきこもり支援の「現場」
2 「ひきこもり」と医療化
3 「ひきこもり」黎明期
4 「不登校」をめぐる経験
5 「専門家」は本当に不要か
6 望ましい支援のあり方とは
7 おわりに―メタ視点を維持するために
第8章 児童虐待と医療化(上野加代子)
1 関心の所在―「児童虐待と医療化」の議論に向けて
2 日本の医師は児童虐待をどのように発見したのか
1)「病」というまなざしが不在の時代 / 2)The Battered Child Syndrome概念の輸入
3 医学知識と児童虐待
第9章 不登校と医療化(工藤宏司)
1 〈不登校〉の医療化論再考?本章の問い
2 「医療」との付き合いの模索
1)「不登校は病気じゃない」が「医療にかかる」人びと
/ 2)「いい医師」「悪い医師」という二分法
/ 3)「服薬」と「自律的コントロール」 / 4)「身体症状」と「休みを求めるサイン」
3 「病気」―「選択」の二元論を超える試み
4 新しい社会的文脈?ADHD,LD,ひきこもり
第10章 AD/HDと医療化(佐々木洋子)
1 はじめに
2 AD/HDの医学的定義
3 日本における制度化と親の会の活動
4 結びにかえて
第11章 月経前症候群(PMS)と日本における医療化(小村富美子)
1 はじめに
2 月経前症候群の「医療化」分析
1)「医療化」 / 2)本章における「医療化」論に対する立場
3 月経前症候群と「医療化」状況――諸外国と日本の比較
1)「月経前症候群」の創出と月経周期の「医療化」
/ 2)「月経前症候群」の何が社会において問題とされたのか
4 月経前症候群の「医療化」動向に影響を与える要因
1)日本の学校保健と月経前症候群との関係――学校と医療との距離
/ 2)「医療化」と「薬の導入」の関係性
5 おわりに
第12章 外貌の医療化(的場智子)
1 はじめに
2 形成外科の現状
1)「再建外科」としての形成外科 / 2)若く美しくあり続けるために
3 「本来の姿」にむけて
1)医療の限界に対して / 2)「違和感」とどう向き合うか―結びにかえて
第13章 論説のなかの「健康ブーム」―健康至上主義と社会の医療化の「神話」
(中川輝彦・黒田浩一郎)
1 課題設定
2 資料およびその分析方法
3 分析結果
1)「健康ブーム」の存在 / 2)「健康ブーム」の説明 / 3)「健康ブーム」の問題
4 まとめと考察
第14章 生活文化の医療化―テレビテクストにおける病気の物語(田原範子)
1 テレビテクストにおける医療
2 ポピュラー文化としての現代医療
1)「最終警告」の構成 / 2)再現VTRが見せる病気 / 3)「最終警告」の反響
/ 4)語られないもの / 5)近代医学的空間のパロディ化
3 病気の享受にむけて
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