目次
青少年非行・犯罪史資料 復刻 第3巻 1970年〜1979年
- 赤塚 行雄(編)
- 一九七〇年代〜八〇年代欲望史展望
- 赤軍派の「よど号」乗取り事件と、ダニエル・ベルの『イデオロギーの終焉』におけるクールな予言
- ケント州立大学事件前後、あるいはカルヴィン主義の明瞭な痕跡。アメリカの母親たちと、日本のキャラメル・ママとの違い
- 三島由紀夫の自決。なぜ「祖国防衛隊」構想はヨコへの広がりを失い、「楯の会」になり、自滅への道を急ぐことになったのか
- 大久保清の連続強姦殺人事件。「第二の小平事件」と騒がれたが、高度経済成長を背景に、彼はより凄腕だった
- 連合赤軍の恐怖のリンチ殺人事件。永田洋子は逮捕されたとき、「東京で今、何か起っていないか?」と捜査員に聞いた
- 酔いたがる傾向と“理想の深追い”。欧米におけるマリファナの流行と、日本におけるワッショイ方式の高揚
- 「オリオンの星になりたい」。テルアビブ空港襲撃事件の岡本公三。“赤軍派”と“楯の会”、左右両翼のシンメトリー性
- 母性本能が狂いだしたのか。手足まといになる子供を殺し、とにかく早く、マイホームを手に入れようとあせるアノミー
- 幼い殺人者が漸増して来たのは、母性本能の狂いとどこかで関連していないか。三歳の女の子二人で、生後十七日の赤ちゃんを殺すまで
- 都会における人口の「過密化」と、精神の「過疎化」の同時進行。ピアノ殺人、ペット殺人などの、近隣騒音イライラ殺人事件が目立ちはじめる
- 「甲府・女子高校生売春事件」。お遊び的な追随型逸脱の流行。少女売春の低年齢化が進行し、小学生売春まで現われる時代
- 津田塾大学に、のどぼとけをセーターで、脚のスネ毛をパンタロンで隠した、父親の“女装替え玉受験生”現わる
- 特攻スタイルで、児玉誉士夫邸目ざして、小型機で突っこみ、自爆した心情右翼のポルノ俳優。そのキャンプな勃起的前芸術行動
- 新しい都会の死角−一流ホテルでの女子大生強制ワイセツ事件や、人妻強姦事件などが続出するようになる
- 国分寺の連続強姦魔は、「二十二、三歳」と見て手配されたが、実は、十六歳の高校二年生だった
- 品川の「青酸コーラ殺人事件」。“愉快犯”というより“態を見やがれ犯”と名付けたい。鬱屈した疎外感と不満感の渦
- 「開成高校生殺人事件」と、「堀越学園高校生殺人事件」にみる凄まじい家庭内暴力。彼らは共に両親に従って、精神科医のところに相談に出かけている
- 大阪の「三菱銀行猟銃人質事件」凶悪無残、“ソドムの市”を地で行った梅川昭美
- 新宿の「バス放火事件」、大阪の「ミナミ地下街殺人事件」、それから深川の「通り魔殺人事件」。幸せそうにみえる世間から、自分一人だけが、取り残されているという想い。覚醒剤中毒の犯罪も目立ちはじめる
- 「祖母殺し高校生自殺事件」。父なるユリシーズの帰館をねがっている“テレマコス願望”について
- 在日朝鮮人三世、林賢一君を自殺に追いやった“いじめ社会”。「壁」とあだ名してプロレスのとび蹴りの練習をしたり、「ブタブタチンコ」遊びをしたり
- 「東京・上野の友だち突き落し殺人事件」。十歳の少女の殺意は、どこから来たのか。この不幸な少女の、「白い車」の幻想とは一体何を意味するのか
- なぜ、アメリカで父子相姦が目立つのに、日本では母子相姦が目立つのか。孤独な母親の中年危機と、子供の思春期危機が一緒になって母子一体化する
- 一九七〇年代の各種意識調査から
- (1)テレビとの関係。アメリカの市長会議が問題にしたような心配はないとしても、テレビという準環境にもっと注意を払わねばならない
- (2)日本の若者は、「結びつこうとする力」も強くなければ、「離れようとする力」も弱い。はっきりと、「ノン」が言えないために、おかしくなってしまうことも少くない
- (3)小学五年生と、中学二年生は、受験期に入りこむ重圧で、一時的に異性への関心が、低下(?)するのではないかということ
- (4)U、JならずQターンする傾向。一人っ子が多くなっているから、できるだけ故郷の近くで、就職しようとするのであろうか
- (5)いぜん強い家族との絆。“ふるさと電話”は月二回。電話の相手は母親が九十パーセントで圧倒的。ついで父親、兄弟姉妹
- (6)高校生は、七人に一人が夏休みにアルバイトをしている。その動機は、小遣いが欲しいから…。バイト非行も目立っている
- (7)安直な「友だち志向」。父親や教師まで、あたかも息子や生徒と、「友だち」づき合いをするのが、理想のように思いこんでいる
- (8)自販機によるポルノ雑誌購入の時間帯は、周囲が暗くなる七時ごろから。小・中学生を含めた未成年の潜在購入者も少くない
- (9)「いまの勉強は、将来この実人生で役立つと思うか?」という質問に対し、「ハイ、役立つと思う」と答えているのは、わずか二七%。あの「開成高校生殺人事件」の生徒も、「真の勉強」というものが他にあるのじゃないかと、ひそかに悩んでいた
- (10)中・高生などの家出は、中年男性にみられる「…から(from)型」の逃避性向が強く、全体の七割が家庭や学校にいや気がさしての行動である
- 娘たちの集団失踪、「イエスの方舟」事件。一見健全そうにみえる家庭の娘たちが、一本づりされるように集められていたのはなぜか。戦後の“ペコちゃん的教育観”は、反省をせまられている
- 川崎の「金属バット殺人事件」。父親の衝動的レベルでの爆発も問題である。父親が厳しく叱り、そして母親が裏木戸を開けておくという、昔の親たちの知恵について
- パリ留学生、佐川一政の「女子学生殺害・人肉嗜食事件」 唐十郎の小説『佐川君からの手紙』、及び『国文学・解釈と鑑賞』にみえる、エロティシズムについての発言
- 「ランス留学生緒方健のアテネ殺人事件」、「英語研修女子留学生の抗議自殺事件」など、海外での事件が増えはじめる
- 「克美茂の殺人事件」が象徴するもの。管理杜会とは一見なんの関係もないようにみえる芸能界にも無気味な変化の波が押しよせてくる
- 「偏差値」という価値の階梯。管理社会的な抑圧が強まる中で、「家庭内暴力」、「校内暴力」、それに陰惨な「いじめ」が目立つようになってしまった。「いじめ」、この救いのない反抗性を失った暴力よ!
- 「斎藤勇東大名誉教授惨殺事件」、「藤沢の母娘ら五人惨殺事件」、「日大生の近隣騒音殺人事件」など。それに、自立できない若者たちと戸塚ヨットスクールのことなど
- 「横浜の浮浪者狩り連続殺人事件」、「東京・町田の忠生中学事件」など、なぜ、「いじめ」が目立ちだしたのか。なぜ神奈川県で次々に新しいタイプの非行・犯罪が起っているのか。なぜ、女の子の粗暴犯が増えだしているのか
- 年度別主な非行・犯罪
- 昭和45年(一九七〇)
- ●主な非行・犯罪/出来事・風俗
- 昭和46年(一九七一)
- ●主な非行・犯罪/出来事・風俗
- 昭和47年(一九七二)
- ●主な非行・犯罪/出来事・風俗
- 昭和48年(一九七三)
- ●主な非行・犯罪/出来事・風俗
- 昭和49年(一九七四)
- ●主な非行・犯罪/出来事・風俗
- 昭和50年(一九七五)
- ●主な非行・犯罪/出来事・風俗
- 昭和51年(一九七六)
- ●主な非行・犯罪/出来事・風俗
- 昭和52年(一九七七)
- ●主な非行・犯罪/出来事・風俗
- 昭和53年(一九七八)
- ●主な非行・犯罪/出来事・風俗
- 昭和54年(一九七九)
- ●主な非行・犯罪/出来事・風俗
- 父親主義と母親主義の対照表
- 青少年犯罪者年層別人口比の推移
- 補遺
- 一九八〇年(昭和55)/主な非行・犯罪及びその傾向
- 一九八一年(昭和56)/主な非行・犯罪及びその傾向
- 一九八二年(昭和57)/主な非行・犯罪及びその傾向
- 一九八三年(昭和58)/主な非行・犯罪及びその傾向
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