目次
生態系再生の新しい視点 湖沼からの提案
- 高村 典子(編著)
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第1部 自然科学からみた湖沼評価の視点
第1章 湖沼という環境(高村典子)
1.1 人と湖沼のかかわり
1.1.1 霞ヶ浦と人とのかかわりの変遷
1.2 湖沼生態系の特徴
1.2.1 深い湖の環境とその復元力(resilience;レジリエンス)
1.2.2 沖帯の食物網?細菌の機能についてのパラダイム変換
1.2.3 沖帯の食物網の制御?ボトムアップとトップダウン
1.2.4 食物網の要となる甲殻類動物プランクトン
1.2.5 浅い湖の環境と2つのレジーム
1.2.6 非線形な湖沼生態系の変化-レジーム・シフト
1.2.7 生物のはたらきが関与するレジーム・シフト
1.2.8 生態系エンジニア種とキーストーン種
1.2.9 浅い湖沼の2つのレジーム間の変化プロセス
1.3 湖沼を効果的に蘇らせるために
1.3.1 カタストロフィック・シフトに備える
1.3.2 浅い湖沼生態系再生の実践
1.3.3 霞ヶ浦再生への展望
第2章 流域の役割とその評価(福島武彦・松下文経)
2.1 汚染源としての考え方
2.1.1 負荷予測手法と削減に向けての考え方
2.1.2 面源からの負荷量推定の方法
2.2 流域での生態系ならびに住民生活の自立性
2.2.1 流域での生態系への影響
2.2.2 住民生活の自立性
第3章 湖沼沿岸域の生態系評価指標(西廣 淳)
3.1 沿岸域の生物多様性と生態系機能
3.1.1 沿岸域とは
3.1.2 沿岸域の生物多様性とその維持機構
3.1.3 陸と水をつなぐ沿岸域の役割
3.1.4 沿岸域の変化
3.2 指標を用いた評価の必要性
3.2.1 DPSIR モデル
3.2.2 北米五大湖のモニタリングと指標の開発
3.3 代表的な指標
3.3.1 指標種
3.3.2 生物健全性指数
3.4 日本における湖沼沿岸の生態系評価に向けて
3.4.1 沿岸生態系に関するデータ
3.4.2 既存データを用いた分析:霞ヶ浦の例
第4章 生態系機能から湖沼生態系を評価する(田中嘉成)
4.1 生態系の機能とサービス
4.2 湖の生態系機能と物質循環
4.3 生態系機能を担う生物の多様性
4.3.1 生物の機能形質と生態系の機能
4.3.2 形質ベース群集モデル
4.4 湖沼モデル
4.5 ミジンコ群集と湖沼の生態系機能
コラムI 漁業生産と水質浄化のジレンマ(花里孝幸)
第2部 人文社会科学を取り入れた新しい評価
第5章 かかわりの視点からの湖沼環境評価(二宮咲子・鬼頭秀一)
5.1 湖沼環境と人間の営みとのかかわり
5.2 人文・社会科学的な湖沼環境評価の視点
5.3 かかわりの視点からの湖沼環境評価の作業領域
5.4 かかわりの視点からの湖沼環境評価?事例研究を通じて?
5.4.1 湖沼環境評価および施策の現状と課題
5.4.2 かかわりの視点からの湖沼環境評価の適用可能性
5.5 かかわりの視点からの湖沼環境評価の体系化に向けて
第6章 生態系ダイナミックスと人の選択ダイナミックスのカップリング(巌佐 庸・大野ゆかり)
6.1 生態系動態に経済的選択を取り込む古典的取り扱い
6.1.1 どうして均衡が成立していると考えられるのか
6.2 行動変化のダイナミックス
6.2.1 レプリケータダイナミックス
6.2.2 確率的最適応答ダイナミックス
6.3 人々は公益に寄与したがる:公共財ゲーム
6.3.1 公共財ゲーム
6.3.2 最後通牒ゲーム
6.3.3 人は評判を通じて協力する:間接互恵
6.4 湖水の水質改善問題:人の選択動態と生態系動態のカップリング
6.4.1 社会的圧力
6.4.2 生態系/社会系結合ダイナミックス
6.4.3 正と負のフィードバック
6.4.4 系の安定性は湖水の入れ換えと人々の態度変更のスピードで変わる
6.4.5 予想外のパラメータ依存性
6.5 湖水の非線形:2つの履歴効果
6.5.1 生態系ヒステリシス
6.5.2 結合ダイナミックス
6.5.3 湖水汚染度改善への社会的プロセスの効果
6.6 環境保護における集団間の対立
6.6.1 集団の協力レベルの違い:コンフリクト
6.6.2 集団間の同調性
コラムII 人間行動の本質からみた湖沼再生への提案(長谷川眞理子)
索引
Column
1.1 湖沼は地球環境の見張り番-地球温暖化の影響
1.2 バイオマニピュレーションの功罪は?
1.3 ワカサギの導入で透明度が悪化した十和田湖
1.4 レジリエンスを捉えるモニタリング項目
1.5 「沈水植物群落の価値」の変容
2.1 湖沼工学的なこれまでの湖沼管理方法
2.2 つくば中心域からの栄養塩の降雨時流出
2.3 霞ヶ浦流域での土地利用・被覆およびISA%の変化
2.4 霞ヶ浦流入河川の流量変化
2.5 霞ヶ浦流域でのランドスケープマトリックス
3.1 土壌シードバンク(埋土種子集団)
4.1 アオコはなぜ悪いか?
4.2 生態系に最適点【最良折衷点】はあるか?
4.3 生物操作が引き起こしたプランクトン群集の形質変化
6.1 2集団モデル
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