目次
古今集小町歌生成原論
- 大塚 英子(著)
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凡例
はじめに
第一章 小町の夢・鶯鶯の夢ー夢の歌六首ー
一 前三首と「夢てふもの」の発見
二 後三首と「夢路」の発明
三 夢の歌六首と『鶯鶯伝』
第二章 「あはれてふこと」の成立ー鶯鶯の物語から恋歌の宣言までー
一 「ことぞともなくあけぬるものを」と『鶯鶯伝』
二 「あはれてふこと」の成立
三 「あはれ」と「憂し」の相関
四 「あはれ」と仏教語としての「哀哉」
五 「今生世俗文字の業」ー結びにかえてー
付説「あはれなり」
第三章 「花の色」と「たのみ」(一)ー白詩句「浮生乃●(火+焦)穀」を仮題として古今822歌を考えるー
一 「花の色」と「たのみ」の享受史
二 「●(火+焦)穀」喩について
三 「●(火+焦)穀」喩と「たのみ」
四 「あき(秋・飽=厭き)風にあふたのみ」
五 「たのみ」と「仏を憑む」こと
六 「たのみ(田の実・頼=憑み)」から歌語「たのみ」へ
第四章 「花の色」と「たのみ」(二)ー白詩句「艶色即空花」を仮題として古今113歌を考えるー
一 白居易における「浮生」観
二 「世に経」について
三 「世に経」は小町の「浮生」観を表す
四 「艶色即空花」とa歌の構造
五 「いたづらに」の析出する仏教的世界観
六 「花の色」と「艶色即空花」
第五章 小野小町における掛詞生成試論ー「身をう(浮・憂)き草」から「うき世」へー
一 「身をうき草」と白詩「九江春望」
二 小町にはじまる「身を憂」
三 掛詞「う(浮・憂)き」の成立
四 「う(浮・憂)き世」の生成
五 惟喬出家と「浮き世」
六 「うき世」は掛詞か
付説 平安朝和歌における掛詞
付説2 「浮生」と「浮世」
第六章 「思ひ(火)おき(熾)て」考ー古今1030・1104歌とその周辺を『法苑珠林』によって焙り出す試みー
一 和語「おき」と漢語「熾」の意味
二 「熾の居て」という状況
三 小町a・b歌の発生前史
四 『法苑珠林』による仏教的世界と愛欲
五 「飛蛾投火」喩から「夏虫」の喩まで
六 「思ひ(火)」という日本的発想の力と「おき(熾)」
七 「おき(熾)」の背後にある仏教的イメージ
第七章 白玉問答のゆくえー清行・小町 贈答歌をめぐってー
一 恋の問答歌として
二 遍昭との問答歌の場合
三 「真静法師」は真済(真言宗)か
四 真済と「下つ出雲寺」
五 清行歌における「白玉」
六 小町歌の「おろかなる」
七 疎かなる涙の「白玉」から、愚かなる涙の「たぎつ瀬」へ
八 涙の「たぎつ瀬」から「涙川」へ
九 良香における「涙川」生成の環境
十 清和朝内裏における小町と良香
十一 白玉問答のゆくえ
第八章 「今は(あきはつ)」考ー小町・貞樹の贈答をめぐってー
一 「秋果つ」と「飽=厭き果つ」のあとさき
二 「あきはつ」の語源論(1)
三 「あきはつ」の語源論(2)
四 「あきはつ」の語源論(3)
五 「あきはつ」の意味論
六 「あきはつ」の主題論的考察
七 結び「今は(あきはつ)」
第九章 「みるめなき」と「うらみむ」の間ー古今623・727歌を相関させる
一 掛詞「みるめ(海松布・見る目)」の成立と「みるめなき」
二 「みるめなき浦」と「わが身を憂」
三 「うら(浦・憂〈ら〉)」から「うらみ(浦見・怨み)む」へ
四 「みるめなき浦」と「うらみ(浦見・怨み)む」の影響
五 極限の恋歌ー小町から伊勢へー
六 平安朝女歌の形成
七 貫之・定家を通して究極の小町へ
第十章 「世の中の人の心の花」の色をめぐって
一 かな文字と小町ー「て」ー
二 『古今集』と「で」
三 「で」の考古学
四 「で」の考現学
五 古注における「いろみえて」の理解
六 小町歌に至る発想の二つの系譜
七 「花の色は」から「世の中の人の心」の花の色へ
八 「世の中の人の心」の花の色は
九 古今歌における「いろみえて」の波紋
十 『貫之集』における「世の中の人の心」問答
終章 古今集小町歌の成立
あとがき
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