目次
幻視とレアリスム クールベからピサロへフランス近代絵画の再考
- 石谷 治寛(著)
- 序論
- 1 経験の喪失−芸術と農村問題
- 2 近代芸術に関する先行研究と本論の射程
- 第Ⅰ部 表象と主体の二重化
- 第1章 肖像の真理
- 1 さまざまな肖像とその社会的機能
- 2 クールベの自画像と自己のイメージ
- 3 体感をめぐる経験論と生理学
- 4 錯覚と幻覚の現実性
- 5 ヴェイの写真論と肖像の真理
- 6 クールベを写した二枚の写真
- 第2章 戦争と革命の寓意
- 1 「裸婦」と「りんご」の戯画とコンテクスト
- 2 記念碑をめぐって−ヴァンドームの円柱とミロのウェヌス
- 3 眠る裸婦と優美=恩寵(grâce)
- 4 パり・コミューンの開始と終結
- 5 りんごの静物画
- 6 第三共和政と後続の画家たち
- 第Ⅱ部 労働と心身
- 第3章 エッフェル塔の時代の「プリミティヴィズム」と「モダニズム」
- 1 一八八〇年代の「プリミティヴィズム」
- 2 スーラとピサロによる「近代批評」
- 3 失楽園
- 4 ピサロ《社会の卑劣》の風刺−「死の舞踏」とともに
- 5 近代的「死の舞踏」とオートマトン、あるいは「マリオネットたちの劇場」
- 6 盲目の連帯
- 第4章 憂鬱・夢想・思考の通路
- 1 ミレーとピサロ−懈怠(acedia)から疲労(fatigue)へ
- 2 「木を折る農婦」と火の隠喩
- 3 農村問題と狂気
- 4 「行動によるプロパガンダ」をめぐって
- 5 《おしゃべりする女》と夢想の場所
- 第5章 「労働は心と身体の健康を驚くほど調節する」
- 1 疲労をめぐる労働の科学
- 2 「意志」と「共感」のギュイヨーの美学
- 3 ヴァン・デ・ヴェルデと自然のデコール
- 4 戯画から挿絵へ
- 5 エラニー・プレスにおける英仏の様式の混淆
- 6 美しい本の理念
- 第Ⅲ部 自然環境と都市
- 第6章 風景の連作
- 1 十九世紀の「環境」概念と人間科学
- 2 テーヌの芸術論と環境
- 3 ルクリュにおける自然感情と美
- 4 一八六〇年代の紀行文学とクールベの風景画
- 5 自然のエコノミー−モネとピサロの連作=系列
- 6 工業化の時代と点描主義
- 第7章 光の世紀・始まりの終わり
- 1 モネとピサロによるルーアンの連作
- 2 十九世紀末の都市の祝祭−一八九七年の謝肉祭
- 3 ドレフュス事件をめぐるメディアの狂騒
- 4 新世紀のポン・ヌフ橋−アンリ四世像と老婆
- 結語
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