目次
漢語仏典における偈の研究
- 齊藤 隆信(著)
- 第一部 総論篇
- 第一章 研究序説
- 第一節 本研究の梗概
- 一、構想・目的
- 二、意義
- 三、方法論
- 第二節 中華の韻文と漢語音韻学
- 一、中華の韻文
- 二、漢語音韻学
- 第三節 来華僧の漢語能力
- 一、求那跋陀羅の漢訳
- 二、漢訳事業の組織化
- 三、来華僧の漢語習得過程
- 第二章 漢語仏典における偈の形態論
- はじめに
- 一、偈の研究史
- 二、正格句式
- 三、破格句式
- おわりに
- 第三章 有韻の偈と中国詩
- はじめに
- 一、偈と詩
- 二、先行研究の問題点
- おわりに
- 第二部 各論篇
- 第一章 gāthāの訳語とその変遷
- はじめに
- 一、『七処三観経』と『雑阿含経』の偈
- 二、絶から偈へ
- 三、絶辞と頌偈
- 四、二音節詞「伽陀」の出現と「偈」の訛略説
- 五、闍那崛多の訳経における伽陀と三摩地
- 六、『道地経』と『五陰譬喩経』の偈
- おわりに
- 第二章 漢魏両晋南北朝期の有韻偈頌
- はじめに
- 一、漢訳仏典における無韻の偈
- 二、漢魏晋南北朝に漢訳された有韻偈頌
- おわりに
- 第三章 支謙の訳経における偈の詩律
- はじめに
- 一、呉の居士支謙
- 二、支謙の訳風
- 三、支謙訳経典における有韻偈頌
- おわりに
- 第四章 支謙の訳偈
- はじめに
- 一、呉維祇難訳『法句経』の偈
- 二、東晋失訳『般泥【オン】経』の偈
- 三、西晋竺法護訳『鹿母経』の偈
- 四、西晋竺法護訳『龍施菩薩本起経』の偈
- 五、西秦聖堅訳『演道俗業経』の偈
- 六、支謙の偈頌と梵唄
- おわりに
- 第五章 竺法護訳『龍施菩薩本起経』の有韻偈頌と漢訳者
- はじめに
- 一、経の内容と排版の相違
- 二、テキストの校讎と偈の通押
- 三、長行中に隠された偈
- 四、竺法護訳出説への疑義
- 五、支謙訳出説への可能性
- 六、漢訳者と排版の錯綜
- おわりに
- 第六章 西晋失訳『玉耶女経』の長行に説かれる韻文と女性徳育
- はじめに
- 一、『玉耶女経』の諸本と内容
- 二、経録・訳語訳文と漢訳者
- 三、長行中の韻文
- 四、韻文訳の意図と効果
- おわりに
- 第七章 鳩摩羅什の詩と『大智度論』における偈の韻律
- はじめに
- 一、鳩摩羅什による偈の漢訳法規
- 二、鳩摩羅什の十喩詩
- 三、『大智度論』とその有韻偈頌
- 四、漢訳か撰述か?
- おわりに
- 第八章 白延訳『須頼経』の偈と覓歴の高声梵唄
- はじめに
- 一、『須頼経』とその訳者
- 二、偈頌と梵唄
- 三、白延訳『須頼経』の有韻偈頌
- 四、楽神般遮と梵唄
- おわりに
- 第九章 中国撰述経典における偈とその韻律
- はじめに
- 一、撰述経典の有韻偈頌
- 二、撰述経典の偈とその韻律
- おわりに
- 第十章 敦煌本『七女観経』とその偈
- はじめに
- 一、異本の存在
- 二、偈の比較
- 三、『七女観経』は漢訳経典か?
- おわりに
- 第十一章 偈の律動によるテキスト校訂の可能性
- はじめに
- 一、漢訳経典の偈
- 二、中国撰述経典の偈
- 三、浄土教礼讃文の偈
- 四、平仄にもとづく校訂の可能性
- 五、校本校異が存在しない場合
- 六、脱句について
- おわりに
- 第十二章 通押の許容とその要因
- はじめに
- 一、韻律方面から見た偈の五類型
- 二、韻律配慮が行なわれた要因
- 三、偈の通押と失韻
- 四、陽声鼻子音尾(‐n,‐ng,‐m)の通押
- おわりに
- 終章 本研究の総括・課題と展望
- 第三部 資料篇
- 資料1《漢訳仏典有韻偈頌一覧表》
- 資料2《漢訳経典偈頌総覧》