目次
生殖医療と医事法 (医事法講座)
- 甲斐 克則(編)
-
◆◆◆『医事法講座』発刊にあたって◆◆◆
〈巻頭言〉『医事法講座 第5巻 生殖医療と医事法』の企画趣旨
1 生殖補助医療と医事法の関わり〔岩志和一郎(早稲田大学法学学術院教授)〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ わが国における規制の現状
Ⅲ 胚,精子,卵子の位置づけ
Ⅳ 生殖補助医療技術利用の許容範囲
Ⅴ 生殖補助医療の当事者およびインフォームド・コンセント
Ⅵ 実施施設
Ⅶ 終わりに――生殖補助医療に対する公的関与の在り方
2 医療現場からみた生殖医療技術の現実と課題〔石原 理(埼玉医科大学医学部産科婦人科学教授)〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 生殖革命と不妊症の位置づけ
Ⅲ 第三者の関わる医療
Ⅳ 配偶子(精子および卵子)の提供が包含する問題
Ⅴ 代理懐胎と子宮移植
Ⅵ 生殖の「商業化」
Ⅶ 着床前診断と出生前診断
Ⅷ ま と め
3 日本における挙児希望年齢の高齢化をめぐる生殖補助医療の実際〔片桐由起子(東邦大学医学部産科婦人科学講座准教授)〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 挙児希望年齢の高齢化の現状
Ⅲ 生殖補助医療の実際
Ⅳ おわりに
4 生殖補助医療と法〔中村 恵(東洋大学法学部教授)〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 人工授精
Ⅲ 体外受精・胚移植
Ⅳ 代理懐胎
Ⅴ いくつかの問題
Ⅵ おわりに
5 人工妊娠中絶と法〔石川友佳子(福岡大学法学部准教授)〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 未出生の生命への侵害に関する法規制
Ⅲ ドイツにおける人工妊娠中絶規制
Ⅳ 未出生の生命の法的地位
Ⅴ おわりに――日本における法規制
6 出生前診断と法〔丸山英二(神戸大学大学院法学研究科教授)〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 障害児出産回避のための遺伝相談において医療従事者に課される義務
Ⅲ 避妊・不妊手術・人工妊娠中絶と法
Ⅳ 胎児異常を理由とする中絶の合法性――裁判所の判断
Ⅴ PM病事件
Ⅵ 7判決の若干の考察
Ⅶ 海外の法状況管見
Ⅷ 結びに代えて
7 アメリカにおける生殖補助医療の規制――代理母契約について考える――〔永水裕子(桃山学院大学法学部准教授)〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 代理母契約について異なる態度をとる各州――リーディングケースから学ぶ
Ⅲ 統一親子関係法
Ⅳ 州法の規定――ニュー・ヨーク州の立法過程
Ⅴ 結びに代えて――我が国への示唆
8 イギリスにおける生殖医療と法的ルール〔甲斐克則〕
Ⅰ 序
Ⅱ HFE 1990法の概要
Ⅲ HFE 2008改正法の概要
Ⅳ 生殖医療をめぐる重要判例
Ⅴ 結 語
9 ドイツにおける生殖医療と法的ルール〔三重野雄太郎(鳥羽商船高等専門学校一般教育科助教)〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ ドイツにおける生殖医療の法規制とそれに関する議論の現状
Ⅲ おわりに
10 フランスにおける生殖医療と法規制〔本田まり〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 国家機関
Ⅲ 人工妊娠中絶(interruption volontaire de grossesse, IVG)
Ⅳ 遺伝学的検査
Ⅴ 生殖補助医療(assistance médicale à la procréation, AMP)
Ⅵ おわりに
11 スウェーデンにおける生殖医療と法的ルール〔千葉華月(北海学園大学法学部助教)〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 現行法に至るまでの経緯
Ⅲ 生殖補助医療への規制と法的親子関係
Ⅳ 法改正に向けた議論
Ⅴ おわりに
12 韓国における生殖医療と法的ルール〔洪 賢秀(東京大学医科学研究所・公共政策研究分野特任助教)〕
Ⅰ 韓国社会における生殖医療の受容の社会的背景
Ⅱ 韓国社会における生殖医療をめぐる規制状況
Ⅲ 生殖医療に関するトラブル事例
Ⅳ まとめにかえて
13 生殖ツーリズム構造の背景に潜む国内の実情――始動する当事者/起動する支援――
〔荒木晃子(立命館大学立命館グローバル・イノベーション研究機構客員研究員)〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 不妊と家族形成
Ⅲ 始動する家族,起動する支援
Ⅳ 地域支援ネットワーク「島根モデル」
Ⅴ 進化する家族の〈形態/概念/支援〉
Ⅵ おわりに
14 晩産化時代の卵子提供ツーリズムと国内解決法〔日比野由利(金沢大学医薬保健研究域医学系助教)〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 妊娠出産の意思決定の遅れと卵子提供ツーリズム
Ⅲ 海外での卵子提供:タイの例
Ⅳ 卵子提供の制度設計
Ⅴ オルタナティブとしての養子制度
Ⅵ 配偶子提供における子どもの福祉
Ⅶ おわりに
15 養子縁組と生殖補助医療〔野辺陽子(東京大学大学院人文社会系研究科研究員)〕
Ⅰ 本稿の目的
Ⅱ 養子縁組と生殖補助医療の関係性
Ⅲ 未成年養子縁組件数の推移
Ⅳ 養子縁組の「需要」と「供給」
Ⅴ 養子縁組の法律と運用
Ⅵ 不妊当事者の意思決定プロセス
Ⅶ 今後の課題