目次
近代アジア市場と朝鮮 開港・華商・帝国
- 石川 亮太(著)
- 序章 近代アジア市場の中の朝鮮開港
- 一 開港期国際商業への視角
- 二 華人の広域活動の中の朝鮮
- 三 朝鮮における華人の活動と清朝
- 四 本書のアプローチと構成
- 第Ⅰ部 朝鮮開港と華商ネットワークの延伸
- 第1章 開港場をめぐる移動と制度の相克
- 一 釜山開港と日本居留地の設置
- 二 徳興号事件と清国居留地の成立
- 三 日本側の対応
- 第2章 在朝日本人商人と華商からの「自立」
- 一 朝鮮開港直後の俵物海産物
- 二 日本人通漁と生産・流通構造の変化
- 三 釜山日本人商人による直輸出活動
- 四 日清戦争後における生産・流通構造
- 第3章 伝統的陸路貿易の連続と再編
- 一 招商局借款と裕増祥手形
- 二 開港期の紅蔘管理体制と「国王の紅蔘」
- 三 陸路国境貿易における変化と商人の対応
- 第4章 華商の対朝鮮人取引と紛争処理
- 一 史料の性格
- 二 ソウルにおける訴訟手続きの概要
- 三 華商・朝鮮人商人間の取引形態
- 四 紛争の契機とその処理
- 第Ⅱ部 朝鮮華商の貿易と多角的ネットワーク
- 第5章 同順泰の創設とネットワーク形成
- 一 譚傑生の朝鮮渡航と同順泰の設立
- 二 譚傑生をめぐる人脈と同順泰の取引関係、組織
- 三 設立当初の朝鮮人商人との関係
- 第6章 同順泰の対上海貿易と決済システム
- 一 同順泰の輸入貿易
- 二 同順泰の輸出貿易
- 三 同泰号・同順泰間の決済と貸借関係
- 四 華商間競争におけるネットワークの機能
- 第7章 同順泰の内地通商活動とその背景
- 一 内地への店員派遣と輸出品の買い付け
- 二 輸出品買い付けの経営上の意義
- 三 朝鮮の在来商業体制と内地通商
- 第8章 深化する日朝関係への対応
- 一 日清戦争への対応と模索
- 二 日清戦後の貿易活動
- 三 内地通商の展開と米の買い付け
- 四 同順泰の上海送金と日朝関係
- 補論 同順泰文書について
- 一 『同泰来信』について
- 二 『同順泰往復文書』について
- 三 『進口各貨艙口単』『甲午年各準来貨置本単』『乙未来貨置本』『同順泰宝号記』について
- 第Ⅲ部 帝国への包摂・帝国からの漏出
- 第9章 近代アジア市場の中の朝鮮地方経済
- 一 咸鏡地方の地理条件と対ロシア関係
- 二 ルーブル紙幣の流入と元山華商
- 三 満洲におけるルーブル紙幣の流通
- 四 露清銀行によるルーブル紙幣の買い取り
- 五 地方経済の中のルーブル紙幣
- 六 朝鮮の植民地化とルーブル紙幣の終焉
- 第10章 日本の満洲通貨政策の形成と対上海関係
- 一 日露戦争軍票の制度的概観
- 二 満洲での軍票散布と営口への集中
- 三 軍票による上海送金と金銀関係
- 四 上海向け為替取組の開始
- 五 軍票をめぐる広域的投機と朝鮮
- 六 軍票政策の終局
- 第11章 植民地化前後の朝鮮華商と上海送金
- 一 日露戦争後の華人社会と華商
- 二 対中国貿易と華商の取引・決済方法
- 三 辛亥革命への朝鮮華商の対応
- 四 朝鮮の流通・金融に及ぼした影響
- 第12章 一九一〇年代の間島における通貨流通システム
- 一 第一次大戦前の間島における通貨流通
- 二 第一次大戦期の朝鮮銀行券流入と地方経済
- 終章 朝鮮開港期の歴史的位相
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