目次
沈黙の医療 スリランカ伝承医療における言葉と診療
- 梅村 絢美(著)
- 序論
- 一 はじめに−沈黙からみえる世界
- 二 言語表象と単独性
- 三 「身分け言葉」とアクチュアルな言語活動
- 四 「病いの語り」の孤独
- 五 オーディット・カルチャーと〈あなた〉不在の物語
- 六 本書の構成と調査の背景
- 第Ⅰ部 パーランパリカ・ウェダカマという対象
- 第一章 受け継がれる医療実践
- 一 「個」の医療
- 二 「薬の家」と伝承=パランパラーワ
- 三 治療の分野
- 四 治療家たちの姿
- 第二章 パーランパリカ・ウェダカマの位置づけ
- 一 はじめに
- 二 スリランカの概況
- 三 スリランカにおける医療の歴史
- 四 伝統医療のアーユルヴェーダ化
- 五 伝統医療保護政策におけるパーランパリカ・ウェダカマ
- 六 パーランパリカ・ウェダカマの二極化と生存戦略としてのアーユルヴェーダ
- 七 町の「検査屋」と複数の医療を利用する患者たち
- 第三章 治療家たちの「顔」
- 一 はじめに
- 二 棚田の村のウェダ・マハットゥヤー−労働交換に埋め込まれた診療(スムドゥさん)
- 三 村の救命救急士−ヘビの毒抜きウェダ・マハットゥヤー(ニルマルさん)
- 四 生業と結びついた診療−ワッタの村のウェダ・マハットゥヤー(カヴィットさん)
- 五 祈りとともにある診療−信仰熱心なウェダ・ハーミネー(クスマさん)
- 六 薬ビジネスを展開するウェダ・マハットゥヤー(タミンダさん)
- 七 キャドゥム・ビンドゥム(整骨治療)を受けてみた
- 第Ⅱ部 治療効果の由来
- 第四章 アトゥ・グナヤ(手の効力)の由来
- 一 はじめに
- 二 アトゥ・グナヤ(手の効力)
- 三 「手」の診療と処方薬づくり
- 四 月の満ち欠けと薬草のグナヤの所在
- 五 マントラの朗誦とヤカー
- 六 考察−媒介者としての治療家
- 第五章 布施としての診療
- 一 はじめに
- 二 「功徳を積む行為」としての診療
- 三 上座仏教における看護と医療
- 四 シンハラ仏教社会における布施とピンカマ
- 五 出家者に対する診療ダーナ
- 六 福田としての患者
- 七 ブッダと先祖に見守られた診療
- 八 考察−「布施としての診療」を支える患者たち
- 第六章 供物としての「診察料」
- 一 はじめに
- 二 額づく患者と贈り物
- 三 供物をささげる患者たち
- 四 供物のゆくえ
- 五 考察−「値段がない」診療
- 第Ⅲ部 沈黙と秘匿性
- 第七章 沈黙の診断
- 一 はじめに
- 二 ナーディの診断
- 三 噓をつく患者、患者の話を聞いていない治療家
- 四 記録されない診断結果と「見分け言葉」による伝承
- 五 「何も言わない」という敬意と信頼
- 六 考察−沈黙がつなぎとめる〈いま・ここ・私〉
- 第八章 名のなき草とその薬効
- 一 はじめに
- 二 知的財産という枠組みと代替可能性
- 三 薬草の暗号化と「明らかにしないこと」としての秘密
- 四 その名を呼んではならない薬草
- 五 名のなき草
- 六 考察−「名無しの名づけ」とアクチュアリティ
- 第九章 発話がまねく禍、沈黙がもたらす効力
- 一 はじめに
- 二 発話をともなわない知の継承と診療
- 三 発話がまねく禍
- 四 沈黙が変容させる空間
- 五 考察−「口の毒」と比較の拒絶
- 結論 沈黙と物象化−矛盾の先にみえるもの
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