目次
アフリカ眠り病とドイツ植民地主義 熱帯医学による感染症制圧の夢と現実
- 磯部 裕幸(著)
- 序章 植民地支配における「幸福な原住民」
- 第1章 ドイツの眠り病対策
- 一 眠り病対策における「三つの選択肢」と国際協力体制の挫折
- 二 ドイツ植民地における眠り病対策
- 三 コッホの東アフリカ派遣の経緯
- 四 ドイツ領における眠り病感染地域
- 第2章 東アフリカにおける薬剤治療
- 一 強制措置の回避
- 二 植民地支配における「合理性」
- 三 「診療所」における治療
- 四 エールリヒの抵抗とアルゼノフェニルグリシン
- 第3章 ツェツェバエ対策
- 一 現地住民の動員
- 二 選択肢の消滅
- 三 英独協定締結後の現実
- 四 ベルギー領コンゴとの協力関係
- 第4章 トーゴの眠り病対策
- 一 「眠り病委員会」の設置
- 二 「眠り病委員会」の苦悩
- 三 現地住民の反発
- 四 「首長」・「呪術師」・植民地官吏
- 五 イギリス領黄金海岸植民地との協力関係
- 第5章 トーゴにおける収容所
- 一 不徹底なツェツェバエ対策
- 二 眠り病患者の隔離と薬剤治療
- 三 薬剤治療
- 四 帝国保健省「眠り病小委員会」の開催
- 第6章 カメルーンという「辺境」
- 一 前史
- 二 ノイカメルーン
- 三 植民地の「外」からの支援
- 四 「サンガ=ウバンギ森林会社」による資金提供の申し出
- 五 ドイツ植民地省の反応
- 六 「サンガ=ウバンギ森林会社」と独仏関係
- 第7章 カメルーンと眠り病
- 一 カメルーンにおける眠り病対策
- 二 他の感染地域における収容所
- 三 眠り病患者の収容と治療
- 四 収容所における薬剤の人体実験
- 五 収容所における食糧難とハウサ商人
- 六 医師と患者と
- 第8章 戦間期ドイツの眠り病研究
- 一 ヴェルサイユ条約とドイツの「熱帯医療」
- 二 眠り病特効薬「バイエル二〇五」の開発
- 三 植民地再獲得の要求と「バイエル二〇五」
- 四 ナチズムと「植民地修正主義」
- 終章 植民地の過去をめぐる「二重の忘却」
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