目次
-
序 「次」の無限後退からの「移動」―「ポストモダン文学」と区別して
第Ⅰ部 「移動」する「身体」【断片・性・家族】
第一章 逃走あるいは溶解する境界―笙野頼子「なにもしてない」をめぐって 【無職】【結婚】【天皇制】
1 「現実」との闘争あるいは「現実」からの逃走
2 「ひきこもり」から考えるあるいは「ひきこもり」を考える
3 「テレビ」と「現場」あるいは「現実」と「虚構」
4 母親から娘へあるいは娘から母親へ
5 病気からの快方あるいは遊びからの解放
6 伊勢への帰郷あるいは反転する「移動」
7 円環する物語あるいは出口のないトランスモダン
第二章 「倒錯」と「顛倒」の連鎖―笙野頼子「二百回忌」をめぐって 【本家/分家】【異界/日常】【鉄道】
1 「移動」あるいは「分裂」する主体
2 「排除」あるいは「包摂」の論理
3 「顛倒」あるいは「象徴」の連鎖
4 「家族」あるいは「性」の顛倒
第三章 移動する時空あるいは残された断片―笙野頼子「タイムスリップ・コンビナート」をめぐって 【昭和/平成】【鉄道】【記憶/記録】
1 無意識との対話あるいは別種の論理
2 「想起」「隠喩」「接続」あるいは「スリップ」する世界
3 「海」という目的地あるいは二つの無意識
4 ハワイとオキナワと目玉あるいは錯乱する時間
5 東芝とチョコレート―溶け合う表象
第四章 欲望する主婦たちあるいは抑圧される子供たち―多和田葉子「犬婿入り」をめぐって 【民話/都市伝説】【汚れ/性】【新興住宅地/伝統的地域】
1 民話(神話)的文体
2 メディアとしての子供たち
3 「汚」と「性」
4 「電報」と「民話」の形成
5 神話の完成
6 生成そのものを相対化する
第五章 錯綜する境界線―多和田葉子「ペルソナ」論 【境界線】【差別】【ペルソナ】
1 正常/異常という境界線あるいは「転移」する感情
2 「転移」しない感情あるいは運ばない媒体
3 「性」という境界線あるいは姉弟という画一化
4 「見る」客体あるいは「見られる」主体
5 錯綜する境界線あるいは化粧する「ペルソナ」
6 化粧する「ペルソナ」あるいは浮遊するシニフィアン
第Ⅱ部 「移動」する日常 転勤・通勤・上京 【転勤・通勤・上京】
第六章 労働的不安の諸相―小山田浩子「工場」論 【動物/人間】【内部/外部】【労働】
1 幻想化する「労働」
2 ゲシュタルト崩壊する対他意識―佳子の場合
3 内部と外部という排中律の無効化―古笛の場合
4 古笛と牛山―食の両義性
5 牛山の兄―記号のゲシュタルト崩壊
6 断片と統合―排中律の融解
7 排中律の消滅―動物と人間
第七章 日常的不安の諸相―小山田浩子「穴」論 【動物/人間】【都会/田舎】【実在/実存】
1 「枠」としての「鏡」
2 「媒介」としての「爪」「歯」
3 「亡霊」と「人間」を「媒介」するもの
4 対象aとしての「穴」
第八章 視線の交錯あるいは視線の占有―青山七恵「窓の灯」をめぐって 【覗き】【徘徊】【ラカン・眼差し】
1 客体としての「姉さん」あるいは生まれ変わる物語
2 客体としての「向かいの人」あるいは主客反転の物語
3 見ないで感じる「主体」あるいは「主体」を消す物語
4 特権的な位置の代替あるいはそれを奪う物語
5 弾き出された客体あるいは主体獲得の物語
第九章 「記憶」と「思い出」の狭間に―青山七恵「ひとり日和」をめぐって 【盗み】【ラカン・鏡像】【眼差し】
1 「見る」女たちあるいは「移動」しない主体
2 消されるべき時間
3 母と新宿
4 消されるべき人
5 消されるべき駅名
第Ⅲ部 「移動」する「私」 【記号文化・家族・経済】
第一〇章 言葉の「闘争」と言葉からの「逃走」―中上健次「十九歳の地図」をめぐって 【浪人生】【電話】【新聞奨学生】
1 危ういバランス
2 テクストの時代性
3 「紺野」という存在
4 言葉の闘争/逃走
第一一章 記号文化に外部はあり得たのか―藤原智美「運転士」論 【記号文化】【フロイト】【メタファー】
1 「記号」的世界の中の「運転士」
2 「時間厳守」という意識と無意識
3 「夢」の「女」あるいは「比喩」の「連想」
4 「女」と「審級」をめぐる物語
5 「記号」の逆説
第一二章 「見えないもの」が見せてくれるもの―長嶋有「猛スピードで母は」論 【記号文化】【欠損家族】【可視/不可視】
1 時代の刻印としての物語
2 母と家族の物語
3 慎と慎一の物語
4 慎と須藤君との物語
5 霧の物語
第一三章 宛先のない「告白」が誤配される時―絲山秋子「沖で待つ」をめぐって 【労働】【記憶/記録】【転勤】
1 宛先のない「告白」あるいは構造的なテクスト
2 断絶としての「起点」あるいは現実と接続するテクスト
3 語られる素朴な「連帯」あるいは周到なテクスト
4 機能としてのキャラクターあるいは「同期」を語るテクスト
5 記録される「記憶」あるいは「記憶」するテクスト
6 記憶される「記録」あるいは宛先のない「テクスト」
第一四章 政治と読むことあるいは人物に寄り添うということ―楊逸「ワンちゃん」をめぐって 【経済格差】【国際結婚】【中国/日本】
1 「移動」する名前
2 重なり合う時空
3 「移動」する主体
4 ずれ続ける「主体」
5 「移動」する「赤」
第一五章 他者の居ないセカイあるいは永遠に円環する物語―松浦寿輝「花腐し」をめぐって 【江戸/東京】【バブル以後】【反復】
1 濡れる男あるいは大久保というトポス
2 腐る男あるいは反復する物語
3 反転する二人あるいは浸食する伊関
4 境界の移動あるいは反転する鏡
5 憎しみの連鎖あるいは連鎖する無関心
6 誘惑するアスカあるいはキノコの誘惑
7 再帰する祥子あるいは不吉な吉兆
結 「あとがき」に代えてあるいは「現象」としての「文学」―「文学」から学べること
索引
古典文学・文学史・作家論 ランキング
古典文学・文学史・作家論のランキングをご紹介します古典文学・文学史・作家論 ランキング一覧を見る
前へ戻る
-
1位
-
2位
-
3位
-
4位
-
5位
-
6位
-
7位
-
8位
次に進む