目次
「人間ではないもの」とは誰か 戦争とモダニズムの詩学
- 鳥居万由実(著)
- 序章
- 1 人間の「主体」とイデオロギーの関係
- 2 本書の構成
- 3 モダニズムとは何か
- 第一部 モダニズム詩における「人間ではないもの」の表象
- 第一章 ジェンダー規範と昆虫−左川ちか
- 1 「何者でもないわたし」
- 2 永遠なる他者「詩のミューズ」
- 3 「詩のミューズ」の殺害
- 4 人間ではないものに内面を託すこと
- 第二章 人間主体を抹消する機械−上田敏雄
- 1 人間を詩から抹消する
- 2 分裂する自我
- 3 大衆消費社会と自己意識
- 4 『仮説の運動』
- 5 「燃焼する水族館」
- 第三章 主体の解体と創造−萩原恭次郎
- 1 農村に安らう身体
- 2 都市環境における身体の変化
- 3 規律を離れた無用の身体
- 4 新しい主体への創造と破壊
- 5 結び直される主体
- 第二部 戦争詩における「人間ではないもの」の表象
- 第一章 戦時下の理想的な人間主体
- 1 空間軸に位置付けられる主体
- 2 時間軸に位置付けられる主体
- 3 個人の集合体への溶融
- 4 そして沈黙が支配する
- 第二章 自己と他者が出会う場所−高村光太郎
- 1 清らか・純潔であろうとする傾向
- 2 「純粋な」動物に託される自己
- 3 動物園における「見る/見られる」
- 4 戦争詩における動物性の反転
- 第三章 戦争の中の機械と神−大江満雄
- 1 プロレタリア詩人時代
- 2 転向後の変化
- 第四章 「人間ではないもの」として生きる−金子光晴
- 1 抵抗詩以前の動物
- 2 戦時下における権力構造と動物
- 3 自画像としての「人間ではないもの」
- 終章
- 1 動物と機械表象が登場する詩
- 2 現代とこれからの展望
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