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根津美術館 家庭画報スペシャル感動の美 プライベートミュージアムの最高峰

根津美術館 家庭画報スペシャル感動の美 プライベートミュージアムの最高峰 みんなのレビュー

  • 税込価格:3,02428pt
  • 出版社:世界文化社
  • 発行年月:2010.10
  • 発送可能日:1~3日

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2011/10/25 17:48

投稿元:ブクログ

人はみな「幸せになりたい」と願いながら生きています。けれど、幸せのカタチは人それぞれ。文筆家・橋本 治氏は、尾形光琳の筆による国宝「燕子花図屏風(かきつばたず・びょうぶ)」(根津美術館蔵)を見て、「幸福」を感じたそう。氏が尾形光琳と出会って感じた、その幸福とは――。

 * * *

尾形光琳の描いた「燕子花図屏風」を見ていると、あるいは、その存在を胸に思うと、こういう絵を存在させてしまった日本にいること、日本人であることを「幸福だな」と思う。

この絵のために付け加える余分な言葉などいらないと思う。「この絵の前で言葉を失う」ということになると、「圧倒されて言葉を失った」ということにもなってしまうが、尾形光琳の「燕子花図屏風」は見るものを圧倒なんかしない。もっと穏やかな、幸福な気持ちで包み込んでくれる。

画面全体を覆った「金色の水」が画面の外にまで溢れ出て、その中に足をひたしているような気分になる――「仲良く燕子花と一緒に黄金の足湯」といったようなところだろうか。

「黄金の水」というのもなんだかへんなもので、よく考えると体に悪そうな気もする。だから、「燕子花図屏風」の背後にある金色は、「水」ではなくて、「太陽」だなどということも考える。これもまたへんな考え方で、燕子花の花盛りが似合うのは、雨の降る梅雨空で、金色の太陽が燦然(さんぜん)と輝き続ける頃に、紫の花は枯れている。

でも、「燕子花図屏風」のバックが金箔ではなくて、梅雨空を連想させるような銀箔だったとしたら、「燕子花図屏風」は、これほどの幸福感を見る人に与えないだろう。

(中略)

この絵を描いた人は、紛れもなく「幸福な人」だ。なんの濁りも、なんのてらいもない。その幸福な人が、自分の一番好きな花でもあっただろう、燕子花の絵を描いた。ここに描かれている燕子花は、紛れもなく「花の形をした美しい青春」だ。だから、金色の太陽がよく似合う。その幸福感を表明するのに、輝く黄金の色はふさわしい。

安土桃山時代を席捲(せっけん)した豪華な金箔の障屏画(しょうへいが)は、戦国という時代を生き抜いた武将達のステイタスとなった。その絢爛(けんらん)豪華な勢いが、尾形光琳の元禄時代になって「青春の耀(かがや)き」となった。

そう考えると美しい。「なんでそんなへんなことを考えるんだ」と言われても、尾形光琳の「燕子花図屏風」を見ていると、それが自然に思われる。

(中略)

「時代を貫いて存在し続ける幸福のイメージ」というものはかなりすごいものでもあるはずだけれども、過去の日本にはそれがあった。その幸福のイメージが、紺と緑の光輝く燕子花の形となって、なおも残っている。それは、本当に幸福なことなんじゃないかと、私は思う。

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