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ウエストウイング

ウエストウイング みんなのレビュー

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みんなのレビュー62件

みんなの評価3.9

評価内訳

62 件中 1 件~ 15 件を表示

2014/03/26 10:10

投稿元:ブクログ

これといった起伏がないのに飽きずに(嘘です、豪雨のあたりでちょっと中だるみしましたすみません)最後まで読ませる津村さんすごい。

細かいネタ(万年筆のペリカーノジュニアとか、今作だとデスキャブの話題とか)でにやけてしまいます。もしかしたら津村さんと趣味が合うのかも!

2012/12/31 13:35

投稿元:ブクログ

+++
職場の雑事に追われる事務職のOL・ネゴロ、単調な毎日を送る平凡な20代サラリーマン・フカボリ、進学塾に通う母子家庭の小学生・ヒロシ。職場、将来、成績と、それぞれに思いわずらう三人が、取り壊しの噂もある椿ビルディング西棟の物置き場で、互いの顔も知らぬまま物々交換を始める。ビルの隙間で一息つく日々のなか、隠し部屋の三人には、次から次へと不思議な災難が降りかかる。そして彼らは、図らずも西棟最大の危機に立ち向かうことに…。
+++

想像していたのとは全く違う物語だった。ゆるく生ぬるく始まったネゴロ、フカボリ、ヒロシの、なんの接点もない椿ビルディングでの日々の物語は、それぞれが別の目的で逃避場にしていたビルの隅の物置場を介して、ある日を境に、じわじわと少しずつ緊張感をはらんだものになっていくのだった。自分以外に――姿が見えない――誰かがいるかもしれないということが、張り合いとか期待とか名づけられるほどではないが、微かな心持ちの変化を生むのだった。それは読者にとっても同じで、いつどんな風にそれぞれに素性が明らかになり、交流が始まる――あるいは途切れる――のだろうか、と興味を惹かれながら読むことになる。物置場での見えない交流とは別に、ゆるくて生ぬるいと見えた日常は、実は椿ビルディングを生活の場にしている万人に降りかかる危機の序章だったのだ。ひとつを乗り越えると、そこにはまた新たな危機が立ちはだかり、途方にくれながらもなんとか解決策を手探りするのだが、彼らになんとなく緊迫感がないような気がするのは、椿ビルディングという建物の属性によるものだろうか。どうなることかといちばん気を揉んでいるのは読者かもしれない、とふと思う。ラストまでゆるいが、屋上のユンボが動かなくてよかったと、ほっと胸をなでおろした一冊である。

2013/11/13 23:59

投稿元:ブクログ

 胸が、温水で満たされたような気持ちになる。安心したような、所在無いような。自分は誰かに自分のことを知ってほしかったのだろうか。ここで勉強に立ち遅れているだけが自分ではないのだと。ここにもある子供の序列の最下層の自分にも、できることはあるのだと。
(P.306)

光と光の間に見える自分の顔が、少し長くなったような気がした。ヒロシにはそれが、別の人間のようにも見えながら、小さな頃に作った深い傷口が皮膚に馴染んでいるのを眺めるような、諦めに似た感慨を持った。
(P.374)

2013/04/06 20:06

投稿元:ブクログ

津村祭り開催中。津村さんの作品に共通する、いかに命をかけていない仕事を乗り切るかということ。その中で生まれる人とのゆるい繋がり。ふとしたことが誰かの小さな支えになっている。そしておそらく音楽や芸術も。津村作品、全体的に人との距離感が一定だな。ウエストウイングでは、ヒロシが好きです。

2016/07/07 17:00

投稿元:ブクログ

古い雑居ビルで過ごすOLネゴロ、塾生ヒロシ、会社員フカボリ。
3人の共通の憩いの場が、ビル内に廃れおかれた物置場だった。

大好きな津村さん、面白かったです。
今回のストーリーでは、淡々とした流れは変わらないものの、大きな出来事が起こりましたね。

3人がニヤミスしつつ、なかなか近づかない感じがいいんです。
それぞれの目線で見る椿ビルディングのさまが、さらに実感が持てるものとなり、身近な場所にあるもののようでした。

最後のシーン、3人それぞれが一歩進んだようで、なんだかグッと来ました。

2013/01/02 20:21

投稿元:ブクログ

じわじわと後からきいてくる小説だった。
この小説に出てくる人たちはどちらかといえば目立たず人の影でひっそり生きている感じなんだけど、でも、しっかり生きている。
それがいい。

2013/11/11 00:15

投稿元:ブクログ

関西が舞台なところが津村記久子の小説を読ませる動機にある程度の割合を占めているな、と思う。
結局、物置部屋を共有していた3人は最後まで対面することはなかった。ヒロシに、そうは言ってももうちょっと勉強しなよーーて思う私はいい歳のオトナだなーと。
「人間は思ったより早く大人になることをネゴロは知っている。ただ、障壁に触れて再び子供に戻るのである。そのサイクルを何度か繰り返して、」

2013/06/29 00:17

投稿元:ブクログ

こんな長編にしなくて、中篇ぐらいでいつもの感じでまとめてくれたらもうちょっと楽しめたんやないかなって思う。でも、なんか病院に隔離されてからはページ数が残り少なくなっていくからかなんかちょっと先が気になった。「何もない。どうしよう」と言ってる割には洪水の場にボート持って行くフカボリとか、みんな普通でないことが出来てるって思う。大人な考えのヒロシがええな。

2012/12/15 14:11

投稿元:ブクログ

ポトスライムの舟の時よりも開けているような、しかしポトスライムの舟からの既視感……。好きな人にはいいのかもしれないけれど、どうにも、読んだあとに残るものがない。えらくさらさらしたスープみたいだ。

2013/02/13 23:34

投稿元:ブクログ

「とにかくうちに帰ります」はとてもリアルで、きっと津村さんが実際に大雨に遭ってどえらい思いをしはったんやろな~と感じたが、この小説でも!余程の出来事だったのだ。
ヒロシが同じ居残り組になったフジワラくんとのんびり話す場面が好き。
若い後輩になんなんホンマ!?ってなるのもよう分かるが、このりさちゃんはドイヒー。便所で出産って壮絶やな。

2012/12/18 16:35

投稿元:ブクログ

何か違うけど、どうしたらいいものか。同じビルで漠然と日々を過ごすOLと塾通いの小学生と、サラリーマンが物置きスペースと豪雨をきっかけに、すこしずつ変化していく。

すこしずつすこしずつ、じわりじわりと進むストーリーと、至って普通な人々。津村さんの得意とするタッチが堪能できる。

個人的にはもっとダメな人々も好きなんだけども。

2013/02/03 11:31

投稿元:ブクログ

今までに読んだ中のベストのひとつ。
この話も、底に流れているこの人なりの正義みたいなものがあり、それに納得させられる。というか、それが好きでこの人の小説を読んでいるんだけど。
とにかくうちに帰りたいとテーマかぶるゲリラ豪雨の話もあり、いろいろな人とのつながりもいい感じで進んでいく。文庫出たらまた読み返したいお話。

2012/12/29 12:00

投稿元:ブクログ

84~85のカタルシス!→164、消しゴムはんこのダッシュに対応。
ただし位相はずれてゆき、言葉の通じる相手の発見→相手の言葉の中身へ。
津村さんの群像劇って慣れないせいか読みにくいなあ。「とにかくうちに帰ります」もそうだった。まあのんびり読んでみよう。上述みたいななにかがあるかもしれぬ。
というか、モチーフがまったく同じなのだなあ。

思い出すのは、『ねたあとに』や『家族三代、犬一匹』(だっけか)の新聞小説の「進まなさ」だ。なんというか、連載ってかんじ!

2013/03/23 18:27

投稿元:ブクログ

最寄り駅であるターミナル駅近くの、廃線になった貨物レーン地下の長いトンネルを抜けると現れる椿ビルディング。中庭のようなスペースをはさんで、西棟と東棟がある。

四階建て地下一階の西棟、その四階にある設計会社に勤めるネゴロ。東棟は全フロアが土質試験の試験センターが入っていて、ネゴロは西棟からその東棟をながめる。

ネゴロがさぼり場所にしている西棟四階の廊下の先にある物置き場。そこは、ヒロシが塾の休み時間の隠れ場所にしているところでもあり、フカボリがさぼり場所にしているところでもある。

ネゴロと、ヒロシと、フカボリと、三人それぞれの会社や塾や生活の話がちらりちらりと混じりながら、この古い椿ビルディング内の店や人間もようを描いて、話は淡々とすすむ。それぞれが会社や塾からちょっと離れる隠れ場所となっている物置き場で、三人はお互いに顔をあわせることなく、それでも自分以外にここに出入りする人間がいることは分かっている。

津村さんの他の小説とおなじく、大きな盛り上がりがあるわけではないが、そんな日常にも、ちょっとした事件はある。

ネゴロの同僚だったりさちゃんがビルのトイレで出産したことや、このビルから出る地下トンネルの通路がほとんど水没するほどすごい雨が降ったことや、ビルを補修するか解体するか問題、さらにはこの物置き場の配管にたまっていた水が汚染されていて、出入りしていた三人が検疫の結果、入院したこと。

違う会社に勤める二人と、塾に通う小学生と、同じ建物に出入りするといっても三人の接点は直接にはない。ただ、同じ建物のなかで、お互い物置き場を共有している相手とは知らずに、いくつかのやりとりがある。そういうのが、少しずつ少しずつ積み重ねるように描かれていく。

同じように繰り返している日常も、ちょっと視点が変われば、こんな風にも見えるのか、と思う場面がときおり挟まれる。

▼いつもよりも二十分遅い時間に乗る電車は、休みの日のように空いていて、フカボリは拍子抜けした。たった二十分なのか、されど二十分なのか、九時までにどこかに行かなければならない、という縛りが解かれるだけで、こんなに風通しがよくなるのか、とフカボリはぼんやり車内を見回した。皆が皆、優雅に見えて、自分がそのうちの一人であることが不思議に思えた。(p.251)

津村さんの昔の小説を、久しぶりに読みなおしたくなった。

(3/22了)

2012/12/03 08:23

投稿元:ブクログ

毎日たくさんの人たちとすれ違うが、そういう人たち全部にそれぞれの日常があるってことを思い出す。今、隣り合っている知らない人とも、どこかでゆるく繋がっているかもしれないんだ。そういうわくわくと、唖然とするような、でもどこか間抜けな事件と、そういうのが煽らない語りで描かれていて、私はこの人の書くものが好きだなあと思う。

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