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こんこんさま(河出文庫)

こんこんさま みんなのレビュー

文庫

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みんなのレビュー11件

みんなの評価3.0

評価内訳

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11 件中 1 件~ 11 件を表示

2013/02/16 00:00

投稿元:ブクログ

1997年に発表した『稲荷の家』を大幅加筆、改題して刊行された文庫本。壊れた家族の再生の物語。ほんのり心が温かくなる。雰囲気が魔術的で不思議な読後感があった。著者の近著『きみはいい子』は静岡書店大賞・小説部門を受賞。本屋大賞にもノミネートされている。

2016/06/13 15:40

投稿元:ブクログ

思っていたのとかなり違いました。表紙とタイトルの印象から、座敷童のような超現実的な何かによって再生される家族の物語だと思ったのです。読み進めていると詐欺師の占い師が出てきて家族に取り込みます。この占い師の言動によって家族が変わっていく物語なのかなと思ったらそれもまた違いました。でもこの「思っていたのと違う」ということが、この作品の根幹にあるのではないかとも思えたのです。
家族であっても親子であっても長い間寝食を共にしていても、気付かない一面があります。この人はこんなことを言うんだ、こんなことをするんだ、こんな顔をするんだ。新たに気付くことにより変わることもあるのでしょう。
視点がスルスルと変わり、登場人物それぞれの思いの錯綜が見て取れます。思い込みによりズレていた思いが、修正されることでぶつかり合う。ぶつかることで初めてお互いを見ることになる。バラバラだった家族が最後同じ部屋でくつろぐ。それが象徴するように。
結局家族が抱えた問題は現実的には何も解決していないのですけどね。それどころか問題は大きくなっているのかも。でも、それでもホッと安堵の息をつくことのできる終わり方が素敵でした。
さて、どうでもいいことですが、詐欺師の占い師が読んでいるうちに「おそ松くん」のイヤミになってきたんですよ。見た目の描写など全く違うのざんすけどね。

2014/05/18 10:03

投稿元:ブクログ

家族再生のささやかなものがたり、とあらすじにあるのだが、ほんの少し語弊があるように感じる。

一家を牛耳っていたと言っても過言ではない祖母の石。
その陰で生きてきた存在感のない祖父、甲子。
大きな事業を興しては失敗し、石の遺産を食い潰してゆく父の主計。
美しいだけが取り柄で、誰が父か分からない次女を産んだ母、都。

父の不甲斐なさに幻滅し、従順だった娘時代から水商売へと転向する長女、はな。
誰からも、その出生に目を逸らされ、器用に隠れることだけを学んだ次女、さち。

歪すぎる家族関係の中で、それが生々しさの一歩上へ昇華しているのは、「こんこんさま」という不思議な守り神のいる古いお屋敷でのお話、という設定からだろう。

非現実的であることと、現実を手放してしまうことは、別である。

これは非現実的な空間の中で、現実を手放してしまった家族の話なのだと思う。
だから、現実を手放した家族が、現実を取り戻すお話だと読んだ。それがイコール再生であるかは、疑問としたい。

ただ、そう考えると、この設定の妙がものすごく面白くなる。
作者が選ぶ言葉の一つ一つもしっかりとその妙を生かしている。

雑草生い茂る真っ暗闇の中で、「こんこんさま」を救い出すクライマックスシーンは、想像するとかなり恐ろしい場面だ。
だが、各々が自身に向けて救いを求める必死さもよく現れていて、あたたかみを持って読める。

初めて中脇初枝を読んだが、面白かった。
他の作品にも手を出してみようと思う。

2013/02/20 22:15

投稿元:ブクログ

「きみはいい子」と同じ著者とは思えないほどの駄作。
確かにテイストは似ている気もするが、あの緻密な感情描写はどこにもない。とにかく登場人物のキャラがぶれまくりで、当初は人間性のかけらも感じることができない人たちが、いきなりものすごく良い人になってしまう。
石おばさんのおどろおどろしいキャラ造形の意味もまったく不明。
描きたかったことはわからんでもないが、技術の伴っていない見事な失敗作でしょう。

2013/03/09 18:50

投稿元:ブクログ

雰囲気はいいし、すいすい読めるし、後味も悪くないんだけど、振り返って考えると、ん?ってなる。いろいろ気になって納得いかない…

2014/03/10 20:48

投稿元:ブクログ

一つ一つの描写がとても丁寧で、自然と情景が浮かんだ。
朽ちかけた古い家、鬱蒼とした庭、月明かり、そして子供達。
浮かぶイメージは美しい。
しかし、情景描写の巧妙さと比べると物語、人物が今ひとつ。
あのくらいで再生出来る家族状況とは思えない…。
冒頭で人身事故に遭遇した長女が、直後は茫然自失になるショックを受けていながら、その後まるでそのことを思い出しもしないのも不自然。
あまりにするっと流しているので、実は電車に飛び込んだのは長女で、残りは彼女がこうあればいいのにと思った夢のようにさえ思える(さすがにそれはないとわかっているけれど、つい)。
周囲から見た祖父母の関係と、当人同士にとっての関係が異なっていたことなど、面白い設定はあちこちにあったので、もっとその辺りも読みたかった。

2013/02/22 23:42

投稿元:ブクログ

家族の気持ちがバラバラになってしまった三河家。
まだ9歳のさちは家族の目につかないように身を隠すことを覚え、お母さんに当たられても無表情で姿を消し1人で声を殺して泣いていた。
自分の部屋のないさちが、どこで寝ているのかを誰も知らないという状況だった。

そんな三河家を再生させるには何が必要だったのか?

物語の中ではいろんなことが起きるけど、全てを動かしたのはお正月の朝だった。
さちが着物を着たその瞬間、お母さんはまっさらな気持ちでさちを見たんだと思う。
さちを疎ましく思っていた理由を抜きにして1人の娘として。もしかしたら初めて。

親子に限らないけれど、この子はこういう子だという印象はなかなか消えないものだと思う。
一度「こういう人」とインプットしてしまうとその前提から全ての解釈がスタートする。
だから同じ言葉でも言った人によって受け取る側の印象は全く変わってしまう。

誰かとの関係を改善したいと思うなら、それまで構築してきた人物像を全て消去して白紙の状態で相手を見るしかない。きっと。
それは簡単なことではないし、何も変わらないかもしれないけれど、自分の目を変えなければそこに映る相手の姿は永遠に変わらないのではないか。

さちが家族の前で笑えるようになったことが嬉しい。
三河家が本当に小さなきっかけから再生したように、形だけの笑顔を作らなきゃいけない日々はいつの間にか終わっているのかもしれない。
ある日唐突に心から笑っている自分に気付く。
そんな瞬間が訪れますように。

2013/01/14 18:35

投稿元:ブクログ

不思議でありながらリアルな家族再生の物語。

壊れかけている家族が、少しずつ変わっていくために必要なのは外からの力だったりする。

母親からの愛情かけらも受けず、放置され存在さえ認めてもらえなかった次女の悲しい夜を思い胸が痛んだ。
おしいれで眠るのはドラえもんだけでいい。

けど、その次女のさちこそが、家族の要であり、いわゆるかすがいであったりする。
一番小さく、一番無力で、一番無垢なものが、一番力を持っている、ということなのだろう。

この家族の、小さな幸せを心から祈らずにはいられない。

2013/05/24 18:53

投稿元:ブクログ

よく行く北鎌倉が舞台ということと、
表紙が酒井駒子さんだったので、
興味を引かれて読むことに。

基本は、家族の繋がりを結びなおす物語。
鎌倉の景色を求めて読むと、物足りないことになります。

読後感は悪くないです。

2013/03/10 10:58

投稿元:ブクログ

淡々としてリズムよく、読みやすい文章。
映画みたい。文章がいちどフィルムに焼きつけられて、それをスクリーンで見ているような感じ。少し離れたところから、はなや家族を見ているような。

祖母の石に支配されていたような「家」は、石が死んでから時間がとまっていて、10年たってようやく時間が動き出す。
石の呪縛ごと、深い森に飲み込まれそうだった家が、少しずつ軽くなって解き放たれていく感じが好きです。家族がふと、顔を見合わせる描写とか。
どうしよもないお父さんも、かわいく見えてしまって。
みんなの名前、とくに「石」という名前が良いな。

2013/11/12 08:16

投稿元:ブクログ

さらりと読める短めの物語だった。始まりと終わりが印象的。
終わりは、このあと結局どうなったんだろう?と、それぞれの登場人物について思いを巡らせるけれど、それがまた良いのだろう。
食卓のシーンが、物語の進展とともに家族が再統合されていく様子をきちんと描写しているあたりがとてもいいなと思った。甲子が自室から今に出てきて、皆で高枝切りばさみの宣伝を見ながら買おうかという最後の情景が、これからの幸せをほんのり予感させるのに、ラストの一文が「寒が過ぎ、暖かくなるにつれて、森はますます深くなっていくだろう」なのは何でだろう?

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