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星の涯の空 下(創元SF文庫)

星の涯の空 下 みんなのレビュー

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みんなのレビュー1件

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評価内訳

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2016/02/12 12:37

投稿元:ブクログ

 本書は、他人を自分の味方につけるには、策略と恐怖、金、信義、どれがいいのかという小説ではないだろうか。

 鉄爪族の世界にいる人間たちは、奇形体の脅威を打ち倒すために、やむなく「低速圏」に落ち込んでいるが、脅威は完全には去っていないので、鉄爪族世界の科学水準を高めてそれに備えなければならない。ラヴナはそう考えて10年間行動してきたが、前作『遠き神々の炎』での戦いのあとに、冷凍冬眠から目覚めて成長したストリョーム領の若者たちは、辛い事実を否定して、ストリョーム領レベルの生活に戻ることを望み、ラヴナたちの考えを否定する。解説ではこれは歴史修正主義だという。なるほど。歴史修正主義との闘いと歴史修正主義者の成り行きを描いた小説ということになる。

 SF的な関心でいえば、集合知性体の鉄爪族の可能性の展開が本書の肝である。群れの中でたった一個体生き残ってしまい、知能を維持できない単独個体の行状。数体で集合知性を組み立てる北方種とことなり、無数の群れが集合し、知性の低い個体が緩く連結した熱帯種の「異なった知性」。集合知性体の群れの個体の欠損や、組み替えの問題。思考音を無線で接続した無線者の知性。こうした問題が伏兵として登場して物語を駆動する場面も多々ある。

 策略と恐怖で一派を形成しているのがベンダシャス。本書での黒幕的な群れで、大富豪に取り入り、人間の歴史修正主義の若者ネヴィルたちを動かしている。
 大富豪は金を武器とする。しかしそれは現代社会のマネーゲームではなく、中世的世界での経済力の発揮であり、そこではものの発明や大量生産のための創意工夫の才能が要求され、大富豪はそうした才能を持った群れなのである。
 彼らの策略でラヴナとヨハンナは殺されかかり、木彫師領での人間の実権をネヴィルに奪われる。それぞれ木彫師領から遠く離れたラヴナとヨハンナが反撃を図って木彫師領に戻っていくのが下巻。危機の連続をへて、『遠き神々の炎』のクライマックスの場所、星間船の丘に駒が揃って雌雄を決するかと思いきや、前作からの因縁が絡まり、どんでん返し。
 そこで、ラヴナとヨハンナの最大の武器はこれまでに培ってきた信義なのだ。という点でとても倫理的なお話である。

 鉄爪族世界外の話は今回まったく出てこない。続編はありそうだが、19年後は勘弁して欲しい。

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