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ぼくの守る星

ぼくの守る星 みんなのレビュー

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みんなのレビュー28件

みんなの評価4.1

評価内訳

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  • 星 4 (12件)
  • 星 3 (6件)
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28 件中 1 件~ 15 件を表示

2014/08/22 13:34

投稿元:ブクログ

講談よりも小説家の方が向いているんじゃないか!~ぼく夏見翔は普段母と暮らしている中学生だが,人とちょっと違うのは字を読むのが苦手なこと。母がいうように,トム・クルーズのような才能があるとは思えない。字を読み違えて,笑われるが,受け狙いと思っている同級生もいるくらいだ。特に山上君は,組んで漫才をやろうといってくる。運動会では走るのは速いからリレーに選ばれたけど,前を走った中島まほりさんがバトンを拾い間違えてビリになり挽回はできなかった。借り物競走にも担ぎ出されて「赤いぼうし」というのが理解できず,蛙の一種かと中島さんに聞きに行ったら,母が被っているような帽子のことだった。和代は学者の父と家事に疲れた母の間に生まれ,新聞記者になったが,同僚と結婚して,翔に障がいが見つかって,主婦となった。悩みは父が死んで気が晴れた母にも相談できず,カイロに単身赴任している夫は役に立たない。級友をずっと見下してきたから打ち明けられないし。帰り道で30年前に盗まれた自転車を発見して,被害を訴えに交番に出向いたが,頭のおかしな女だと思われている。口に出したいことをメモ用紙に永遠と書き出すが,迎えに来たのは息子の翔。その背に負ぶわれて帰宅した。山上には生まれる前に死んだ姉がいたらしく,骨壺は今も家に有り,線香は毎日上げ,父が火葬場勤務だから,嫌なことも言われる。天然ぼけの夏見を誘って何とか3年生を送る会で漫才ができたが,夏見から識字障がいだと教えられ,自分も夏見に悩みを打ち明けられた。中島まほりは居酒屋に勤める母とアパートで暮らしいてるが,9歳の弟と父は北海道にいるのだ。弟の理生は聾者で,母は弟と心中を図って失敗し,父と弟は故郷で暮らしているのだ。春休み,父からチケットを送られ北海道に来たが,もう東京に帰りたくないと我が儘をいったらきっと父は母を一人にしておけないから東京に帰れというに違いない。そうしたら,北海道で自殺するんだ。大事な話があると父に言われ,北海道に残れと意外な言葉を聞いたもほりは東京の母には自分が必要なんだと思い直して帰る。夏見尚人はエジプトから帰り山登りを担当しているがさせられたようなもの。妻との関係もうまく行かず,父親らしいことをしようとしても失敗ばかり。富士山の見える小さな山に日帰りハイキングを計画するが肝心の翔は学校行事だ。仕方なく夫婦二人で出掛けると下見できなった最後の山では力を合わせざるをえなくなり,翔のために仲の良い夫婦を演じることが了解された。翔の高校進学希望はなかなか決まらない。父はロンドン赴任が決まり,母は翔も連れて行こうとし,逆らう理由もない。山上は母が妊娠して,気持ち悪いと言い始めるが,僕がちょっと喋るとその考えもすっきり変わるようだ。ある日帰ろうとすると刃物を持った不審者がいて集団下校となった。捕まったのは女で,女子の噂では中島まほりの母だという。小声で喋るまほりは,母の元に父から東京に帰って一緒に暮らしたいという手紙が来て,混乱したのだと言う。その晩,まほりをアパートに訪ねた翔は,まほりをハグし体温を確認し,この人を守るためにもロンドンに行かず,東京に残るんだと決心した~うまくできたお話でした。課題図書にしても良いくらいのものだよね。来年の中学生向けの課題図書になるかも。よくできたハッピーエンドで,障がいを持っている人にしたら,ちょっとハッピーすぎると文句言われるかも知れないけど,明るくない今の世に明るい展望を持つのは必要だよね

2014/04/27 09:22

投稿元:ブクログ

夏見翔(なつみしょう)は中2、カイロに単身赴任中の新聞記者の父と翔のディスレクシアをきっかけに新聞社を退職した母と三人家族。
翔と翔をめぐる人々をつづった連絡短編集。
実のところ、彼の存在はみんなの「救い」だった。

「ジャイアント僕」
「澄んだ水の池」和代(母)
「ゴール」山上強志
「はじまりの音」中島まほり
「山とコーヒー」尚人(父)
「ぼくの守る星」

母は優等生で新聞社に入社した勝ち組・・・のはずだった。
「泣いてる暇があったら、つぎにやること考えなさいって」と言っていた優等生時代。
「泣いて立って、はじまらないんですよ。つぎにやることを考えてください」と医師に言われたい現在。

P44今ならば、泣いている友達になんと言うべきかわかる。「だいじょうぶよ、あなたは悪くない」そう言ってもらいたくて、ひとは泣くのだ。

山上強志(やまがみつよし)は翔のクラスメイト。翔の言葉を笑いの才能ととらえ、一緒にコンビを組みたいと心底願っている。
強志の家は、4歳のときに亡くなった姉の真奈、その存在をいつまでも消さない母、火葬場職員の父。
同級生から「線香臭い」と言われ、野球部を辞めてしまうという繊細な一面も持つ強志。

P92「死んでみないとさ、生き方が正しかったかどうかなんてわかんないよな。間違ってたら、どうすんだろうな」
「それは山上のお姉ちゃんが教えてくれるでしょ。先に行ってるから」
「姉ちゃんか・・・まったく存在を感じないんだけど」
「これから、ものすごく困ったときとか、現れるんじゃない?」

中島まほりは、クラスの中でもめだたないおとなしい女子。母と二人暮らし。本来、父と理生(りお)の四人家族だったが、理生の耳が聞こえないことがわかってから、母が不安定になり、とうとう事件を起こし、父と弟は北海道に暮らすことになった。
家事を完璧にこなしていた母であったが、弟のことを冷静に受け入れられず、自身をごまかし、意見を表明できないまま、さらけだしもせず、甘えもせず、思いつめたすえに閉じこもってしまった。
春休みにまほりは北海道の父と弟を訪ねることにした。そのまま家に帰らないという秘かな決断を胸に。

翔の父。
同じ時間を過ごすことができないまま、息子は中学生になっている。妻がすっかり母だけになっている。
海外勤務から一転、登山部という社長の趣味の部署に異動させられ、自分の存在価値に不安を抱く。
家族で山に登ることを思いつくが、結果的に妻とふたりで登ることになった。妻は「仲のいい夫婦を演じようと思う」と告げられる。

P144「よく、自分の人生を山と重ねて語る、ナルシストがいるけど、ばかみたいだわ」
「だった、人生なんて、先が見えないじゃない。ゴールがどこなのか、知っているひとなんかいないわ。来た道を振り返って、俺はこんなもんかって、そこで決めつけたって、意味ないじゃない。結果は死ぬときわかるんだろうけどね。自分の登った山は大きい可小さいか。でも、山なんか、みんなつながってるのよ。日本中の山はみんな地続きよ。今だって藤さんに続く道を歩いているようなものよ。大きさなんか関係ないわよ」

中3になった翔たちは少しづつ関係が変わるが、結びつきは変わらない。
母の妊娠に複雑な想いを持つ山上。
そんななか、父親のロンドン赴任が決まり、母は翔をロンドンに連れていくと言う。
同時期にまほりの母がとうとう壊れ、事件を起こしてしまう。
翔は自分の人生をどう決断するのか。

P171「山上君、お母さんは神聖なんだよ。奇跡的に妊娠したんだ。エロいのはお父さんだよ、きっと」

「山上がホームレスになったら・・・」

P174確かにそこで学べばすぐに社会で働けるし、生きていける。だけど、もう少しだけ時間がほしい。僕は職業を選べるような立場ではないんだろうけど、自分に向いている仕事はなんなのか、世の中のために何ができるのか、あと三年だけでいいから考えたい。
でも社会はそれを許さない。助けるふりをして、本当は障がい者をさっさとむこう側へ押しやって、見えないところで働かせようとしているんじゃないだろうか。そう思いはじめると、世の中の仕組みを作ってきた点数の取れる上位のひとたちがすごく憎らしくなってきた。だったら社会になんかでないで、段ボール箱の中ででも生きてやる。どんちんかんな支援はこっちからお断りだ。この数カ月で僕は、そんなひねくれた考え方になった。

P178「オレの最大の苦しみは、男であることなんだ」
~~「よくわかんないけど、男には男の役割ってものもあるんじゃない?命は産まなくったって」
~~「つまりはさ、夏見。女はそこにいるだけで神聖なものを体内に持っている。男も神聖なものを持っているけど、エロがないと、それを活かせない。だから、罰として毎日毎日働かないといけないんだ。くやしいよ。女に生まれたら、それだけで聖者なのに。オレ毎朝、勃起するたびに、働け、働くんだって言われている気がするんだ」
「うん・・・男の使命ってさ、その、子どもを守ることなんじゃない?敵から身を守ることも必要だし、昔は、男が狩りをして、闘って、食べ物を取ってきたんでしょ」

自分でもその言葉が虚しくなった。それは大昔の話だ。男がいなくなって困ることなど、現代ではそんなにないだろう。戦いだって今はないし、子どもを守るのも食べるものを手に入れるのも女だけでも十分やれる。でも、それを口にしては何もはじまらない。

「だから、労働が男にとっては神聖なんじゃない?自然や宇宙の神様に、祈りを捧げながら働くんだから」
「そうだよな。うちはお父さんが働いたお金で生活しているんだもんな。原始時代で言ったら、マンモスと闘って、肉と毛皮を持って帰ってくるようなもんだ。紙に祈りを捧げながら闘ってるんだよな」
「男はさ、山上君、体使って働けば、エロくたって許されるんじゃない?」


P180「夏見の特技はね、自分より他人を心配出来ることなんだな。」
「あ、仕事を選ぶときさ、オレと漫才コンビ組むっていう選択肢も残しておいてよ。夏見とだったら、オレ、一生をかけられるから。ホントだぞ」

P185「それが、赤ちゃんの、人間の、いや女の温もりってやつなんだなあ」

P196胸が、頬が、やわらかい。萩の月よりずっとやわらかい。そしてじわじわとあたたかい。これは生きているあたたかさなんだ。奇跡の命が続いているということ。「あったかいね」
中島の声が耳元で聞こえた。あんまりきれいな声で脳に届くまでちょっとかかった。そうか、僕もあたたかいのか。僕も中島をあたためることができる命なのか。そんなあたりまえのことが、今わかった。守りたい。中島と、そして僕の命を。力いっぱい守りたい。
空にひとつだけ光る星を見つけた。僕にだけ見える星だ。
生まれてよかったと思った。はじめて思った。

2014/08/09 17:47

投稿元:ブクログ

ディスレクシアのこと、いろんな年代に知ってもらうにはいいお話だなー

途中までとてもテンポがよくてよかった!

2014/03/26 23:07

投稿元:ブクログ

キーワードが「あたたかい」として、本当にあたたかいお話だった。
障害を抱える主人公、当然本人は思い悩み、辛い目にもあっている。友人も様々な環境の中にあってやはり思い悩み、辛い思いを抱えている。
そこまでは結構アリアリだと思うのだけど、その、中学生たる主人公たちの保護者たちも、事情のある主人公を抱え、自分自身のどうにもできないいっぱいいっぱいな状況でもがいて、心を病んだり新天地・あるいは突破口らしきものを見つけ進んでいこうとしている。
主人公が母親を「あなた」と呼んだところで、まるで「パリーン」という音が聞こえたような気がしました。
ああ、この子は巣立ったな、と言うか。
未成年の保護されるべき主人公たちとその親たち、くるっとまとめて生き生きとして、そして読み手たる私たちに何かを問いかけてきている、問題を突き付けてきている。
そんな風に感じました。


えーと、いやらしいことを書くと。
『ブランチ』で紹介されたのに動きが鈍い。いや、紹介されたからってんじゃなくて、本当にいいから読んでもらいたい。きっと、何かはっとするから。

2014/07/30 13:32

投稿元:ブクログ

ディスレクシアという障がいのことを初めて知った。守るべき人を見つけたときの人間の強さと温かさは何よりも強い。
生まれてよかったって思えることが一番幸せ。

2014/11/24 18:20

投稿元:ブクログ

ちょ~よかった!
電車で2時間で読んでちょっと泣けた

学習障害の男の子と、いろいろいろいろわけありの女の子(お母さんが耳の障害の弟と心中未遂で別居で精神不安定で・・みたいな)の話

じんわりくる

2014/04/24 12:01

投稿元:ブクログ

連作短編6編
ディスレクシアの中学2年生翔と彼を取り巻く人々からの視点で揺れ動く想いを上手く繋げて、翔の何かを守りたいと願う強い気持ちに結実する。本当は結構大変で辛いことが書かれているのに、どこか優しくほっこりさせられた物語だ。

2014/08/30 09:53

投稿元:ブクログ

泣けた。
 ■ ■ ■ ■ ■ 
タイトルだとか表紙だとかで「お子様向け」とスル―しようか思ったんだけど、なんとなく気になって借りた本。
どっこい、しっかり大人の胸にも刺さるお話。
と言うか、この刺さり方は子供では味わえないと思うよ。
もちろん若いかたが読んでも良い話ではあるだろうけど。
だけど例えばさ、親が主体の章を、もし若い頃の私が読んだら
「…言い訳じゃん」
で終わったかも知れんのね。
それがさ、なんだか共感しちゃうんだよ、親のほうにも。
で、また一層刺さるの。

最後の最後のシーンも、大人だからこそ泣けたんじゃないかなぁ。
あまりにもピュアで、頼りなさげなのに、寄り添える嬉しさが愛しくて切なくて。
ああ
もう自分はそこには戻れんのだなぁ。
しみじみ。

2014/11/10 23:25

投稿元:ブクログ

図書館で借りた。

書店で見て
ずっと読んでみたい!思っていた一冊。
終わり方が・・・
うーん?あれはあれでいいのか。

2014/06/05 09:33

投稿元:ブクログ

☆ 3.5

少々脳に障害がある少年翔が主人公。

翔は、幸運にも?虐められる話ではない。

親にも、周囲にも翔の苦悩がわかってもらえていない。

が、クラスメートの一人に打ち明けることができた。

人は、周囲に一人でもわかってくれる人がいたら救われるのだ。

人間、十人十色。

2014/08/03 16:28

投稿元:ブクログ

目に見えなくて、その人にしか分からない障害の辛いことの一つは、周りに理解されないことだとではないでしょうか。
言葉で伝えてもうまく伝わらず、歯がゆさ、諦めや悲しみが後に残る。
でもきっとそれは重く受け止める事でも、傷つくことでもなく、大したことでないと思いたいです。

生きていてよかったと思えることに出会うことを、大切に思うべきなのだと、この本を読んで思いました。

2014/06/07 18:59

投稿元:ブクログ

読み書きが困難な障害を持つ中学生の翔と
彼を取り巻く人々にスポットをあてた 連作短編集。
彼が周りの人にとっての救いとなってる展開で
さわやかな読後感でした。

2014/03/11 08:52

投稿元:ブクログ

主人公はディスクレシア(LD)というハンディキャップを持った中学生の男の子翔と中2の彼を取り巻く人々の連作短編集。中学生であるが故の悩み、LDに対する周囲の理解を軸に、人生を歩き始めた子どもたちと、人生の悩みを抱えた大人たちの思いが交錯する。翔の「生」への衝動、中学生の苦悩は少年から大人への通過儀礼なのか、そこには何かキラキラとした美しいものを感じる。

2014/09/15 12:25

投稿元:ブクログ

 ”読み書き困難”という障害を持つ中学生の少年と周りの人たちとの交流の物語。全部で6・7ある章のうち、最初と最後の章だけが、主人公の少年目線で、他は周りの両親とか友人とか目線で描かれていて面白い。友人の接し方がびっくりするくらい普通でなんか驚く。自分の周りに読み書き困難な子がいたら、こういう風に接しれるかはなはだ疑問。変に気にしたり、逆に気にしない振りをしそう。逆に両親の対応はなんとも。
 全体的にお涙頂戴的ではなく、淡々と書かれていて好感もてた。

2015/11/23 21:57

投稿元:ブクログ

ディスレクシア(読み書き困難)という障がいを抱えて生きる中学2年生・翔(かける)をめぐる連作短篇。彼自身の語りから始まり、彼の母やクラスメイトらの語りが続いて、最後に再び翔目線の語りの章へと戻ります。主人公の人間像が、彼を取り巻くさまざまな立場の人の目線を通して少しずつ浮かび上がってきます。

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