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生殖医療はヒトを幸せにするのか 生命倫理から考える(光文社新書)

生殖医療はヒトを幸せにするのか 生命倫理から考える みんなのレビュー

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みんなのレビュー4件

みんなの評価3.4

評価内訳

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4 件中 1 件~ 4 件を表示

2014/05/26 15:28

投稿元:ブクログ

 バイオエシックスの問題は難しい。医学部でほとんど習わないのだから、科学者にリテラシーを求めるのは結構大変なことだと思う。ジェンダーや性同一性障害の問題、代理母の問題、生まれて来る子の知る権利など、日本ではまだそれほどオープンに議論されているとはとても思えない。セックスアンドザシティーやジーンワルツなどの物語のエピソードを取ってきて、一般の人にとっかかりやすいようにしているのは良いが、引用が長過ぎて、もう少し倫理の専門的な議論まで踏み込んで欲しい気がした。
 この本を要約すると、筆者があとがきで述べていることに尽きるのではないか。すなわち、倫理学的には「人間の自由の限界は、「他者危害」を与えない範囲である」ということだ。この場合の他者は、代理母、ドナー、遺伝的に繋がりのないこどもを育てるパートナー、そして生まれて来るこども自身。
 この問題には当事者が複数いる。そして、当事者が生まれる。つまり、議論は現在だけに留まらず未来に向かわなければならない。翻って、原発や憲法、消費税、国が抱えるほとんど全ての「難問」は現在だけの視点では解決できない。それでも技術は進歩し続けるだろう。未来への想像力、複数の当事者に対する想像力。私達は、ただ考え続けることしかできないのだ。

2014/07/18 23:10

投稿元:ブクログ

現代社会が抱える難しい問題について、考えるきっかけとなる本。わかりやすい例えも交じり倫理的な問題に対してとっつきやすい。
ただ、具体的な場合が多岐に渡る複雑な問題であるため、内容の整理が整っていた方がもっと読みやすかった。

2015/01/21 21:04

投稿元:ブクログ

学校で1年の時に生命倫理を教えてくださった先生の本
話に入り込みやすいようにテーマごとに映画のワンシーンがあってとても読みやすいです
子供ができないのはしょうがないと思うけど、いざ自分がそうなってしかもお金でなんとかなるならどうするかな・・・とか考えた本

2016/01/26 00:00

投稿元:ブクログ

生殖医療はヒトを幸せにするのか 生命倫理から考える (光文社新書)

著者:小林 亜津子

この本は人工授精、代理母出産、遺伝子、着床前診断、出生前診断、不妊治療、人権など
数多くの簡単には答えが出る事のない問題、いや、答えという単純なものはない
問題が取り扱われている。

いくら医学が発達、進歩してきたからといって、「神の領域」と考えられる「生命」にまで
手を伸ばす事が果たして正しい事なのか?

倫理的、道徳的には許される事なのであろうか?

様々な理由により子どもを授かる事が困難な夫婦の視点で考えれば、
ただ「子どもが欲しい」という普通の感情である。

一種の治療行為、医療行為であり問題などないのではないかとも考えられる。

しかし事はそう単純でもない。

子どもが出来にくいため、 「体外受精」を行い、元のお母さんのお腹の中へ戻す。
これにはあまり反論する方はいないと思う。
(宗教上の理由以外で)

では下記のパターンではどうだろう?





1.夫が「無精子症」の為、精子バンクから提供を受ける

2.妻が子どもを何らかの理由(子宮摘出など)で産めない場合に代理母出産をする

3.結婚はしたくないが子どもは欲しいので 精子バンクから提供を受ける







1.の場合は遺伝子上、母親は実の母であるが、父親は別の人間である。

2.の場合は、遺伝子上は両親共に実の親である。

3の場合は、「父親が不在」 である。


ここに挙げた以外にも問題はいくつもある。
例えば代理母を親に頼んだ場合はお婆ちゃんが孫を産むケースが考えられる。

また、代理母が懐胎し愛情が沸いてきて子どもを手放さないというリスクもある。
子どもというのは「はい出来ました」という単純な事ではなく、日に日に大きくなっていく
お腹に気を使ったり、話しかけたり、あれこれ考えたりといった重要な過程を経て
いってやっとこの世に誕生してくれる事である。

私は男性であるので女性の大変さ、苦しさなどの感情は知りえないのではあるが、
男性も、お腹に話しかけたり、産まれてくる子どもの服の買い物に行ったり、
名前を考えたりと一緒にいる事で少しかもしれないが、父親になる為に
成長したように思う。

勿論それがないからどうのこうのという話しではないが、代理だからと言って
そういった感情が芽生えないという事もなく、非常に深い問題が発生する恐れもある。


他には金銭の問題である。
精子バンクに提供するドナーへの報酬や代理母への報酬。

生命に関する事が金銭やビジネスとしてはよいのだろうかと考える人もいると思う。
海外では同じ男性の精子から生まれた異母兄弟(姉妹)が150人以上になった
ケースもあるという。

また、IQが高く優れた遺伝子を選ぶといった倫理上の問題。
これからもっと技術がすすんでいけば、病気にならない遺伝子。
背の高くなる遺伝子、頭が良い遺伝子、足が速い遺伝子など検査して優秀な遺伝子
だけを選んでのこしていくような時代になるかもしれない。

果たして正しいことなのだろうか?

そういった時代になっても、自然に産む夫婦もいると思う。
しかしもしその夫婦の間に出来た子どもに障害があったら?

障害を取り除く方法があったのに、そんな苦悩が待ち受けている可能性もある。
心無い周りから何か言われるかもしれない。

そう考えるとそれを利用するしないの問題ではなくなってくる。
だが、人間の技術を進歩させていく欲というものは止める事が出来ないとも思う。



今まであげた問題は所謂大人の側からの目線でしかないが子どもから見た
場合はどうだろうか?

結婚はしたくないが子どもが欲しくて精子バンクから提供を受け妊娠、
出産した場合、「父親」というものが存在しない。

所謂シングルマザーと違うのは離婚して「父親」がいなくなったのではなく、
元から「父親」がいないのである。

通常、ドナーのプライバシー保護の為、誰が父親なのかは明かされない。

母親も勿論知らない。
しかし子どもが大きくなってから「自分の父親は?」という疑問が生まれるのは
当然ではないのだろうか?

自分が何者なのか知る権利もあると思う。



臓器提供や脳死についても様々な意見があり議論があったと思うし、
これからも続けていかなければいけない大事な事であると思う。

今の医療技術に法律が追いつかなく様々な問題も多く残されている。
国によって法律が異なり認められている国もあれば、禁止されている国もある。


皆幸せになっていく為に多くの問題があるが、「子ども」という人類にとって、
世界中の誰にとっても一番大切な事に関わってくるので、
慎重に考え選んでいかなければならない。

http://blog.livedoor.jp/book_dokushonikki/

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