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ラスト・バタリオン 蔣介石と日本軍人たち

ラスト・バタリオン 蔣介石と日本軍人たち みんなのレビュー

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みんなのレビュー7件

みんなの評価4.2

評価内訳

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7 件中 1 件~ 7 件を表示

2014/10/11 10:21

投稿元:ブクログ

東西冷戦(反共)という枠組みが外れ、関係者の多くが鬼籍に入る中で、利害関係がなくなり、ようやくとその詳細が明らかになってきた感がある。

団といっても寄せ集めの集団であり、その内部に旧陸海軍の対立や個人的派閥があり、決して一枚岩ではなかった点も明らかになっている。

また、服部卓四郎も関わりがあるとされてきたが、実際に訪台して講演を行なっていること、服部機関が団のバックアップ、サポートを行なっていた点も明らかになった。GHQと団は服部機関を通じてつながっていたが、米本国からの軍事顧問団とGHQではつながっていなかったのだろう。

本来、日本軍が「反共」であったなら、国共合作を阻止し、共産党の息の根を止めていれば、国共内戦もなかったとする指摘は面白い。

また、団が蒋介石の軍隊の役に立つことで、軍による台湾人の抑圧が行なわれたとする指摘も興味深かった。

以下、引用省略

2014/08/28 12:03

投稿元:ブクログ

「ルポMOOC革命」に続き朝日新聞の記者による本を読む。記者さんの文書は読みやすい。白団の生き残り・親族へのインタビュー、蒋介石や白団の日記、台湾の土地の描写などを織り交ぜ話がすすむにつれて、白団が成立する要件や活動内容が理解出来ました。私のおじいさんは軍人教育を受けていなかったけれども、満洲で教師として過ごしたので、機会があればまた満洲で生活してみたいと思うことがあったのか。そんな話をしてみても良かったなと思いました。故宮博物館、中正紀念堂、たくさんの温泉施設、日本風の鉄道駅舎などなど、観光客として台湾を訪れるだけでも蒋介石のこと、日本とのつながりを意識せずにはいられない台湾です。

2014/07/15 21:24

投稿元:ブクログ

第二次世界大戦後から1968年まで続いた蒋介石と旧日本軍将校を中心とする軍事顧問、白団の関係を記したノンフィクションです。
なぜ敗戦国の日本人に戦勝国の中華民国が頼ったのか、台湾人の蒋介石に対する複雑な感情や親日派が多い理由などが理解できました。

2014/10/19 12:25

投稿元:ブクログ

 第二次大戦後に台湾で軍事面で協力した、旧日本軍人たちのグループ白団の話である。なぜ彼らを蒋介石が受け入れたのか、なぜ白団が20年近く存続したのかを筆者なりに調査した歴史ノンフィクションというかルポルタージュである。
 元白団の数少ない現存者や家族、台湾人関係者、当時の日記や資料など新聞記者らしくよく調べて書いている。新たな資料も発掘しているようだ。
 当時の話しだったり、子や孫の記憶だったり、話があちこち飛んで飽きさせない構成ではあるが、ときどき表現が大げさというか決まり文句風になっており、もう少し読み物っぽさを排し、事実の記述というか羅列的な書き方をした方が、読者の心に感じさせるところが増えたのではないかと思う。
 筆者の今後に期待である。

2015/07/08 14:46

投稿元:ブクログ

[異形の残響]共産党に追い詰められ、大陸から台湾への撤退を余儀なくされた蒋介石と国民党。壊滅も予期されるほどの崖っぷちに立たされる中で、旧日本軍の軍人からなる「白団」という団体に彼らは軍事的な助言を求める。「昨日の敵は今日の友」を体現したかのような中国及び台湾と日本との関係にスポットライトを当てた作品です。著者は、朝日新聞社に入社後、シンガポールや台北で支局長を経験された野嶋剛。


日本と中国の関係を中途半端に大きな枠や言葉で括ると、必ず見落とされるものがあるということを痛感する作品。不勉強にして「白団」の存在を知らなかったのですが、その影響力の大きさや長期間に及ぶ活動に驚かされるばかりでした。記者を勤め上げられた野嶋氏だけに、丁寧かつつぶさに「白団」の活動を浮かび上がらせていく記述には静かな興奮を覚えました。


「白団」というグループのみならず、その構成員の個人としての歩みにまで筆を進めている点が印象的。本書の主人公とも言える蒋介石をはじめ、戦後の混乱期に各人が各人なりの夢や郷愁、必要に迫られてこの特異な集団が形成されていったのだと感じました。蒋介石の個人史としてもぜひ参照したい一冊です。

〜白団は、旧日本軍の隠し子のような存在だった。本来は一九四五年の敗戦で燃えつきていなければならなかった軍人たちのプライドや夢や知識を、台湾という新天地に移植しようとした試みだった。その意味で、白団にとって一九四五年で戦争は終わっていなかった。〜

中国についてはこれだから勉強せずにはいられない☆5つ

2014/07/24 10:41

投稿元:ブクログ

ジャーナリストである著者は、これまで知られてこなかった新資料や証言を得て、なぜ蒋介石が敵国であり敗戦国の日本に軍事顧問を要請し、かれら白団もなぜ20年も台湾にとどまったのかという疑問を明らかにする。研究者や在野の歴史家をも瞠目させるほど歴史的価値の高い資料の発見がなされているが、そうではない一般読者の身としては、最高の素材を最高の料理人が調理して饗されたとは正直感じられず、物足りなさを覚えた。「最後の部隊」という意味のタイトルから受ける悲壮感よりは、「最初の天下り部隊」とも呼ぶべき安穏さを感じてしまった。

2015/01/04 19:57

投稿元:ブクログ

太平洋戦争後に台湾に渡り、国民党に協力して対共産党への戦争準備に協力した元日本軍人達の団体がいた。彼らはそのリーダーの偽名の名字から「白団」と呼ばれている。これまで秘密とされてきた白団の真実に迫る・・。

というのが、この本の大きなテーマと言えるだろう。この本を手に取るまでは、白団の存在自体は知っていたもののどういった活動をしていたか詳しいことを知らなかったので、大変興味深く読むことが出来た。
これまでの自分のイメージでは「白団」というのは死に切れなかった軍人達が戦地を求めて台湾において軍事顧問団になった・・という程度のものしかもっていなかったのだが、本書ではそういう視点を越えて、蒋介石の嗜好や精神性、国際状況、そして個々人が身心に積み重ねてきた歴史というものがあわさって一つの組織が出来あがっている様を描いている。

台湾史というのはあまり「売れるマーケット」ではないという気がするのだが、こういう良質なノンフィクションは多くの人の手にとってほしいと感じた。

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