紙の本
真言宗や天台宗といった密教とマンダラの役割を非常に分かり易く教えてくれる一冊です!
2020/03/23 11:32
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、我が国の真言宗や天台宗といった密教を世界の仏教史の中に位置付けて、その歴史、その教義、さらに数多くの仏様を体系的に整理するとともに、その教えを視覚的に示したマンダラの役割について分かり易く解説した一冊です。同書は、「1 秘められた万華鏡的世界」、「2 密教の流伝」、「3 広がる密教の宇宙」、「4 マンダラとは何か」、「5 華麗なるマンダラのほとけたち」、「6 現代と密教的宇宙」という構成になっており、分かり易いです。実は、同書はもともとはNHKの市民大学のテキストであり、それに加筆したものですので、読者にとっては非常に理解しやすいように記載されています。
紙の本
マンダラ
2019/01/31 20:43
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投稿者:きりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
マンダラというと、お寺の天井画等でおなじみですよね。が、あんまり由来や内容について考える機会は少ないかも……
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密教とは?マンダラとは?仏教との違いは?狭義、広義の密教とは?
真言宗の僧侶でもある著者により、素朴な疑問への答えを非常に分かりやすく導き出してくれるとともに、現代社会における密教の限界にも触れているところが好感が持てた。
宗教というものを本質的に理解する上でも、参考になるのではないかと感じた。
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「NHK市民大学」で放映された内容にもとづいた本で、密教の概要と曼荼羅を中心にその諸側面についてのわかりやすい解説がなされています。
密教の歴史についての解説では、やはり中国から日本に渡ってきた密教の展開が中心になっていますが、ごく簡単にではあるもののチベット仏教についても触れられています。また空海の思想については、「即身成仏」と「密厳国土」を基軸として理解することができるという著者の捉え方が提出されています。また、両部・両界曼荼羅については、それを構成している諸仏とそれらのもつ意味について、他の章にくらべて多少くわしい説明がなされています。
おおむね密教についての概要を学ぶことのできる入門書といってよい内容だと感じました。
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密教とマンダラ両方に関してほとんど知識を持たない身として書評を書きます。最初にざっと目を通した感じでは、専門用語がかなり登場してくることや、仏様、如来、菩薩など様々な固有名詞が多数出てくるので、これは読むのが厳しいかなと思いました。しかし不思議と読み始めると一気に最後まで読めました。
第一に著者の文章がとても読みやすいことです。後半のマンダラの箇所では、マンダラの各部署の説明を会社の組織に当てはめて解説されるなど、一般人を意識して極めてわかりやすく解説されています。第二に、説明の順番が良いことです。前半では密教の歴史や概略を説明していて、後半にマンダラの解説があるのですが、前半をしっかりおさえておくと、後半は意外にすっと頭の中に入っていきます。その意味では初心者がマンダラだけに興味があって、いきなり後半のマンダラの解説から読み出すと、理解がかなり難しいかもしれません。ちゃんと1ページ目から順に読めば、終わった頃には相当の知識が積み上がっている自分に気付きます。四国のお遍路さんの由来や、なぜ4つの国を歩く必要があるのか、しかも東(徳島)から南(高知)、西(愛媛)、北(香川)という順番に進む理由なども本書を読むとよくわかります。まさかその理由もマンダラに示されていたとは知りませんでした。本書は密教に関心がある方にも当然お薦めできますし、マンダラなど密教芸術に関心がある方も、本書を読んだ後に鑑賞すれば10倍楽しめるのではないでしょうか。