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hontoレビュー

南朝の真実 忠臣という幻想

南朝の真実 忠臣という幻想 みんなのレビュー

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みんなのレビュー7件

みんなの評価3.6

評価内訳

  • 星 5 (0件)
  • 星 4 (3件)
  • 星 3 (1件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (1件)
7 件中 1 件~ 7 件を表示

2014/09/23 16:18

投稿元:ブクログ

持明院統、大覚寺統の皇統問題に端を発する南北朝の複雑な歴史が明解に語られている。伝統的なイデオロギー史観ではなく、客観的に南朝を眺めることが合理的な説明になり、極めて分かりやすい解説になっている。

2014/09/21 14:59

投稿元:ブクログ

「忠臣という幻想」という副題ですが、いまどき南朝を忠臣の集団だと考えている人はいるのか!?という感じなのですが(笑)、課題の立て方といい、各章の見出しといい(○○対△△など)、用語や背景の説明レベルといい、安直な現代状況との連結といい、これはビキナーズ向け図書だなあと思っていたら、実際の記述は割と論点が集中・整理されていてなかなか面白かったです。(笑)南北朝動乱の流れは目まぐるしく、敵味方が入り乱れ、そしてそれが日本全国に分散して発生したりしているので、なかなか総合的に理解することが難しいのですが、本書ではさすがにきっちりとまとめられていました。
著者の記述にもありましたが、自分も佐藤進一の『南北朝の動乱』を読んで南北朝時代の変遷に魅せられたクチでして(笑)、政治とパワーバランスとオセロゲームのような成り行き(もういくつもほかに色が必要ですが)がとても面白く、戦前のような「忠臣」だの「逆賊」だのと「歴史教育」や「歴史認識」の素材だけで使われるにはもったいなさ過ぎるほど、私利私欲あり、権謀術数あり、原理主義路線あり、「敵の敵は味方」など節操のないマキャベリズム的な動きありと、登場人物全ての躍動感というか、生き生きとした人間臭さが爆発しているのが大きな魅力です。(笑)
後醍醐や後村上などの原理主義路線に加え、特に後醍醐の手段の節操の無さや、私利私欲ぶりにはみんな困っただろうなあと思うと可笑しくて仕方ないですが(笑)、その後醍醐を慕い続けた足利尊氏が、国家の行く末とか面倒で決着のつかないような課題に取り組む気などさらさらなく、テキトーな人間と著者が評していたのにも笑ってしまいました。武家に不利な寺社保護政策を打ち出した直義に何で直義党のような勢力が構築できたのかずっと疑問でしたが、著者は生真面目な直義の政治方針への可能性としていましたね。
また著者は、南北朝動乱の根本課題として恩賞の遅配や実効性の無さを挙げていましたが、著者の研究課題であったその対策としての管領執行システムの概要と成立過程の概説はとても興味深かったです。
南朝も北朝も決して一枚岩でないどころか、それぞれ一体いくつの岩があるんや?という動乱状況ですが(笑)、本書の主題である南朝側の「岩」をいくつも挙げ混沌とした南朝史の一面を人物で捉えた初心者本としてはなかなか良かったと思います。あまりにも混沌な状況なので、いまだに自分もあれ?これって何でこうなって結局どうなったんだっけ?とまた本書を振り返らなければならないですが・・・。(笑)

2014/06/07 07:46

投稿元:ブクログ

南朝には忠臣がたくさんいて、内紛ばかり繰り返していた室町幕府とは違うーーという認識は本当なのか?という出発点の本。
結論的には、南朝も幕府と変わらず(むしろそれ以上?)、内紛の繰り返しだった。

大塔宮とその子供たち、大覚寺統嫡流康仁親王、鎌倉幕府を再興しようとした?西園寺公宗、北陸へ下向した「天皇」恒良と新田義貞などなど。

これまであまり論じられてこなかった「忠臣なのか?」(後醍醐の政治思想に賛同していたのか、南朝を裏切らなかったのか…等)の視点で書かれていてとても面白かった。
文章も読み易くすらすら読める。

2015/12/14 23:17

投稿元:ブクログ

南北朝時代はややこしいけど、面白い。観応の擾乱で幕府が分裂して南朝に降ったり、親子で争ったりわけ分からん。南朝は忠臣揃いで、北朝は逆賊というのではなく、南朝側もスキャンダルや内紛があった。公家や武士の「忠臣」たちは現実的で後醍醐天皇の政権運営を批判していた。

建武政権は現実的な部分もあった。また、室町幕府の政策で六波羅探題や建武政権を継承した部分がある。

2014/08/31 19:08

投稿元:ブクログ

表面上は南朝の間断のない内紛・抗争や非「道徳」性を取り上げ、皇国史観以来の「南朝=忠臣」幻想を打ち砕いているが、実は手の込んだ建武政権・後醍醐天皇再評価論である。恩賞宛行における施行状の発給システムが建武政権と室町幕府で継続していることを根拠として建武新政を再評価し、足利尊氏こそ後醍醐天皇の政治的後継者であったとするが、「建武政権は時代の先端を行きすぎた権力であり、周囲に理解されない先駆者の悲劇を味わった」(p.174)という政権の失敗を「周囲」に求める評価は、本書が批判対象とする皇国史観の平泉澄のものと変わりなく、極めて危険な考え方である。一般に知られていない、あるいは忘却されていた史実を再発掘して固定された南北朝時代像を克服しようとする意欲は認めるが、いくら一般向けとはいえあまりにくだけた語り口や、性急に現代の政治状況に類似性を見出して「教訓」(文字通りそういう1章を設けている)を導く方法も正直不愉快だった。「歴史学とは高度な知的娯楽」(p.212)と断言してしまう歴史学研究者が京都大学のようなアカデミズムの中心から出現したことは、はっきり言って歴史学の将来に不安を抱かせる。

2014/04/24 15:58

投稿元:ブクログ

敢えて勝ち組に乗り換えない者に、崇敬の念を抱いてしまうのです。

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http://www.yoshikawa-k.co.jp/book/b176614.html

2016/06/14 23:47

投稿元:ブクログ

平泉澄が「少年日本史」で記した、「吉野の君臣の忠烈、日月と光を争う」とした皇国史観に疑義をとなえる。
だけど南朝も北朝もなくて、どっちも自らの権益のために動いていただけ。建武の新政の理想を最も受け継いだのは、実は尊氏かもっていうのが、この著者らしいところかな。

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