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2014/08/24 12:17

投稿元:ブクログ

靴下を干しつゝたのし日曜の朝よもの皆光りゐるかも
 新美南吉

 童話「ごん狐」「手袋を買いに」は、世代を超えて読み継がれ、愛されている。南吉はそれら童話のほか、童謡や短歌も作っており、掲出のみずみずしい「日曜の朝」の歌は、17歳ころの作である。
 1913年(大正2年)、愛知県生まれ。幼少期に母が病死し、愛されたい、という渇望を長く抱いていたという。やさしさあふれる童話は、むしろ、その負の原点からこそ生まれたものだったのだろう。
 近刊の詩歌集には、文語体の短歌や俳句も収められているが、やはり、口語体(話し言葉)の詩にこそ南吉らしい肉声がある。たとえば、日中戦争下に書かれた「小さな星」という詩の一節。

「彼は小さな星です/花屋が落していった菫ノ一輪です/(略)黒い海、大きな炎、/戦争やときめく心臓のことなど歌うとき/彼は小さな星です」

 結核と診断されていた南吉が、戦争の時代を生きるには、「小さな星」として言葉をつむぐしかなかった。けれども、明滅する小さなその輝きに、真実が宿っている。
 改めて年譜を見ると、「ごん狐」が雑誌「赤い鳥」に掲載されたのは、19歳を迎えた年だった。何とも若い。

 我が母も我が叔父もみな夭死せし我もまた三十【みそじ】をこえじと思ふよ。

 この、運命を引き受ける覚悟のような歌も、若き日の作である。予言であったかのように、太平洋戦争下の43年、満29歳で病没。けれども作品は、これからも多くの読者とともに生き続けるのだろう。

(2014年8月24日掲載)

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