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ランサローテ島

ランサローテ島 みんなのレビュー

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みんなのレビュー9件

みんなの評価4.0

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9 件中 1 件~ 9 件を表示

紙の本

荒れ果てた心と景色

2017/01/05 10:27

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る

デュトルーなど実在の犯罪者を皮肉るところは相変わらずだ。カナリア諸島の荒涼とした風景は、人類滅亡後の世界を思い浮かべてしまった。

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紙の本

「アンチモダン」ですか……

2016/01/31 16:14

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:あられ - この投稿者のレビュー一覧を見る

本は半分が分厚い紙に印刷されたカラー写真(映像分野でも活躍する著者自身がこの島で撮影した写真多数)、半分が小説。巻末におかれた「訳者解説」によると、本作の原著の初版本(2000年)は、「写真集と小説の二冊をあわせて箱に収めたぜいたくな造り」だったそうです。

小説のストーリーはシンプルで、1999年の年末、パリに暮らす主人公(中年男性)が、旅行会社で紹介されたランテローサ島を休暇の行き先と決めるくだりから始まります。このほんの数ページ、いや、数行で、旅行会社の女性社員を「娘」と呼び、小馬鹿にしている調子に、胸焼けがします。

物語の終盤で、主要な登場人物(4人しかいません)のひとりが「○○人というのは……辱められては喜んでいるような連中なのです」と述べるくだりがありますが、こんな小説を時間を割いて読んでいる私も、相当なマゾヒストだと思いました。

「訳者解説」で、フランスの文芸批評にある「アンチモダン」という概念が紹介されていますが、それ自体がもう古めかしいマッチョイズムで、見るも無残だというのが個人的な感想です。あくまでも、20世紀末に書かれた20世紀の小説です。それも、「セクト」(カルト)を扱おうとしていながら、深刻な暴力性からは目を背け、「肉の快楽」の追求に対して、何というか、まるで新しいもの、すばらしき新世界であるかのようなまなざしを投げかけている、そんな俺ってかっこいい、という小説です。行くところに行けばただのヒッピーではないかと思いました(しかも30年遅れの)。

ミシェル・ウエルベックは本作で新興宗教のラエリアン・ムーブメントに危険な接近を見せていますが、そのことも訳者解説で説明されています。また、ウエルベックは、後の話題作『服従』でもイスラム教への嫌悪感をみなぎらせていますが、本作で早くもそれがうるさいほど語られています。ウエルベック自身が「私は完全な無神論者だ」と述べていると訳者解説にありますが、その「無神論」は非常に薄っぺらく、(少なくとも本作においては)「既存宗教・組織宗教を否定することこそ、人間の礼賛である」と考えているように私には読めました。

造本は美しく、写真はおもしろかったです。写真だけで、荒野が好きな人には「観光ガイドブック」になります。また、小説はばかげた世界観を露呈するくだらないものだと思いましたが、文章(野崎歓さんによる訳文)には力がありました。そして、読後感は「これぞフランス的」。嫌いではありません。こういうものを、くだらないものとして、これからも消費させていただきたいです。

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2014/07/03 14:40

投稿元:ブクログ

サボテンだしウェルベックさんだしと思って読んでみたらまんまとランサローテ島に行きたくなった。
荒涼としたなかに浮かぶ蛍光色にも見えるサボテン。
旅のふくらみは旅の終わりからという感じの小説。

2014/10/03 23:51

投稿元:ブクログ

斜に構えたおっさんのいささか品のない旅行記…かと思っていたら、後半の普遍的な悲しみに驚いた。
ちょっと苦役列車の作者を思わせるような露悪的な主人公だが、同じように孤独に耐えている男性は多そう。本の半分はランサローテ島の写真で、本の風景描写の一助になっている。

2014/09/21 21:29

投稿元:ブクログ

写真、装幀、造本、文章、全部ひっくるめた佇まいがかっこいい。手元に置いておきたい。

内容に関して、『素粒子』もそうだったけど、一度読んだだけではわからない。フランス文学も、ついでにフランス映画も難しい。
さすがは子どもにボードレールを暗唱させて「残酷だと思うかい?でも人生は残酷なものだからね」の国だ(『地獄の黙示録』)。

2014/04/11 14:34

投稿元:ブクログ

「地図と領土」(筑摩書房)も読んでないのに、、、

河出書房新社のPR
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309206516/

2014/06/17 19:37

投稿元:ブクログ

小さな火山島ランサローテ島を訪れた「私」の旅行記風小説。

世紀末的なヨーロッパから抜け出した「私」は、ランサローテの大自然を満喫して、倦怠感を吹き飛ばした。おかげで元気にバカンスしています。
のだけれども。この非文明圏においても、文明圏からの不穏さは届いていた…。

皮肉で卑猥なウエルベックを、ビジュアルでも楽しめる一冊ですね。

2014/06/18 00:39

投稿元:ブクログ

買い損ねていたものを漸く購入。
旅行記風小説ながら皮肉な視線が見え隠れしているところが目を惹いた。他にも邦訳が出ているようなので読んでみたい。
単行本には著者が撮影した現地(ランサローテ島)の写真が多数収録されている。色鮮やかなサボテンと青い空が美しい。
写真と併せて小説を読むと、思い浮かぶのは、腐敗寸前の美しさであったり、爛熟という単語であったり……。

2015/02/13 08:42

投稿元:ブクログ

表紙、草間彌生⁉︎かと思ったら、ホンモノのサボテン。驚いた。
ランサローテ「人類なき後の世界というヴィジョンを具体化している」島。その姿は作者自ら撮った写真で、たっぷり堪能できる。
ラエリアンネタなど新興宗教と科学の結合の必然性とその命運についてなど、『ある島の可能性』のテーマはすでにここでも取り上げられていたのだな。『ある島の〜』を読んだ後では、短編ゆえ仕方ないが物足りなく感じた。

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