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わけあり師匠事の顚末

わけあり師匠事の顚末 みんなのレビュー

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みんなのレビュー3件

みんなの評価3.7

評価内訳

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3 件中 1 件~ 3 件を表示

2015/09/11 10:55

投稿元:ブクログ

物書同心居眠り紋蔵~強淫で訴えられた男は,内藤新宿で雲助に絡まれていた武家の女子を助けたと証言し,妙や勘太が通っている手習塾女座の市川初江から手繰って,安芸広島浅野家の奥女中・奥林千賀子が証言を裏付けたが,手習い塾にやってきた千賀子は青野又五郎を見て,死んだはずの許嫁が何故ここにいるのかと混乱する。青野の本名は神崎清五郎,浅野家の跡継ぎ争いで,主君は弟君を推している国許の首魁を始末するように命じられ,旅先で亡くなったことにされていたのだ。銭両替屋の主が死んで,12年前に書いた遺書には,惣領娘に婿を取らせ後見は弟と書かれていたが,その後に後妻を貰った。惣領娘は背に墨を入れた暴れん坊を婿にすると言い張り,一晩家に入れて,全財産を売り払って,妹達と均等割にすることで始末がついた。青野が抜けた手習い所ではいじめが起こり,青野は立派な体格を活かして籠かきに,男座には,剣持家の養子となった忠左衛門こと文吉が目付役として睨みを効かせている。年末,女の生首を捨てようとしている男がうろうろしていると噂が立ち,その3日後の御用納めに両替の播磨屋が押し込みに遭い,押し込みのための噂が流されたと分かった。手掛かりはなく,寺子屋に通う勘太が落とした新吹きの小判から,押し込みの一味が捕まった。牢で生まれ育って七歳になるはなの引き取り手は,観潮楼の主人・金右衛門となったが,富突きを見せに行くと,一等三百両が当たり,牢と南北両奉行所に寄付し,福を呼ぶと評判になり,公方にも呼ばれる騒ぎになった。百姓宿の甲州屋は外から忍び込まれて,足袋問屋が193両の盗難に遭った。50両を即金で,残りは年賦としたが,祈祷を稲荷社に願うと,その数日後に193両が稲荷社に届けられた。青物屋が金策に詰まって,普段から出入りしている甲州屋から盗み出したのだが,甲州屋の難儀で173両を届けたのが,評判を聞きつけた者が落としていく賽銭で一儲けできたのだった。市川堂には男師匠が入ったが,大手の酒山師の門流の谷岡という男が入り込み,子供らを手なずけ,上納金で市川が谷岡を辞めさせるように持って行き,手習い子を引き抜いて潰す算段だった。ところが,浪人の嫁取りの支度金の受取を無理矢理書かせたという事件に連座して入牢している内に病死し,浅野家中の追っ手から逃げ回っているのを嫌った青野は,浅野家に出頭すると,敵討ちを馬鹿馬鹿しいと感じ始めていた連中と折り合いが着き,手習い所に戻って許嫁と…~ちゃんと筋を通して,且つ月刊誌の掲載に合わせて,短編を作っていくのは見事。記録を読んでは,使える事件をストックしているんだろうなぁ。出てくる役人も奉行も町人も百姓も子どもも人間くさくて良い!

2016/06/15 18:14

投稿元:ブクログ

2012〜14年に「小説現代」に掲載された8話の単行本化で、NHKのドラマにもなった居眠り紋蔵シリーズ13作目。

紋蔵の養子が通う手習塾市川堂の男師匠を勤めていた元芸州浪人が突然塾を辞めて、紋蔵の世話で駕籠かき人足になるのだが、なにか深い事情があるらしい。この話の展開が背景にあってのタイトルなのだが、その間に、南町奉行所に持ち込まれる様々な厄介ごとを、前例に精通する紋蔵が解決に導いたり、思わぬ展開となる事件の数々が綴られる。

民事、刑事にわたり、江戸の町人たちが出くわす多彩な事案と裁きが面白い。将軍直裁まで登場する。

2014/08/03 14:52

投稿元:ブクログ

小説現代2012年12月号~2014年2月号迄の隔月発表の8編。
いつもながらの淡々とした語り口の味のある少し驚きのお話が面白く楽しめました。
良い結果に終わったのが素敵です。

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