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少女おもひで草 「少女号」の歌と物語

少女おもひで草 「少女号」の歌と物語 みんなのレビュー

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2014/07/20 14:47

投稿元:ブクログ

用しつつ忘れてありし金盥【かなだらひ】にセルロイドの舟はなほも走れり
 三ヶ島葭子

 作者は、大正期「アララギ」の数少ない女性会員として知られる歌人。1886年(明治19年)、埼玉県生まれ。幼少期に母を結核で亡くし、自身も同じ病で療養するなど、生涯、闘病生活の中から短歌を発表していた。
 掲出歌は大正末期の作。ちょうど、キューピー人形などセルロイド製玩具が流行していたころで、子どものいる家庭の風景として、何ともほほ笑ましい。

 みんみんの鳴けばさびしもわが心きき入【い】りにつつ昔おもほゆ

 夏の風物詩のようなセミの声に聞き入るが、「心」はさびしさを感じている。「セルロイドの舟」は元気に走りまわれるが、病弱なわが身には、その体力に限りがあることに気づいていたのだろう。
 その後、まな娘の高等女学校合格の知らせを聞きながら、1927年に没。享年わずか41であった。
 近刊の秋山佐和子編・解説による「少女おもひで草」は、葭子が少女雑誌に寄稿した短歌や歌物語を復刻した、貴重な1冊である。カラーの図版や、丁寧な解説から、当時の少女文化が香りたってくる。
 短歌の挿絵も興味深い。少女雑誌は、表紙に瞳の大きな少女の絵を掲げるなど、挿絵画家の存在も大きなものだった。葭子の作品にも何人かが挿絵を担当しているが、そのうちの一人は、池内愚美【ぐみ】。実は、昭和初期に映画「赤西蠣太」などを監督した伊丹万作の筆名だという。
 大正昭和の文化史も、いま一度ふり返ってみたい。

(2014年7月20日掲載)

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