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hontoレビュー

落日の宴 勘定奉行川路聖謨 新装版 上(講談社文庫)

落日の宴 勘定奉行川路聖謨 新装版 上 みんなのレビュー

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みんなのレビュー7件

みんなの評価4.3

評価内訳

  • 星 5 (2件)
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  • 星 1 (0件)
7 件中 1 件~ 7 件を表示

2014/06/25 06:41

投稿元:ブクログ

「吉村昭の流儀」というような、精密で臨場感溢れる「旅の描写」により、川路聖謨の活躍した時代や場所へ引き込まれてしまう…
ロシアとの国交が拓かれた頃の物語だ…

2015/08/17 02:10

投稿元:ブクログ

江戸幕府に交易と北辺の国境策定を迫るロシア使節のプチャーチンに一歩も譲らず、領土問題にあたっても誠実な粘り強さで主張を貫いて欧米列強の植民地支配から日本を守り抜いた川路聖謨。軽輩の身ながら勘定奉行に登りつめて国の行く末を占う折衝を任された川路に、幕吏の高い見識と豊かな人間味が光る。(親本は1996年刊、1999年文庫化、2014年新装版)

本書は、勘定奉行としての川路聖謨の事績を小説化したものである。内容の大半を、プチャーチンとの交渉が占める。幕末にロシア使節、プチャーチンが来航した事は知っていたが、どの様な交渉が行われていたのか、イマイチわからなかった。
本書を読むと、幕臣たちが幕末の外交交渉に苦心したことがわかる。国力の著しく劣る日本が、ネゴシエートにより、言うべきことは言い、妥協点を見出していく様は、読んでいて外交官になった気分(爽快感は無いが達成感はある)になる。
当時の史料として、川路の日記(東洋文庫から刊)があるが、取っつきにくい。事前に、本書を読んで置くと、理解が深まるのではないか。そういった意味でもオススメの一冊である。

2015/08/06 16:47

投稿元:ブクログ

 幕末、日本が諸外国から開国を迫られた頃、ロシアのプチャーチンと、開港・通商・領土についての交渉をした勘定奉行・川路聖謨(としあきら)の存在の大きさを知った。
 明らかに軍備、近代化の遅れを目にしながらも、屈せず、粘り強い交渉力、そして人柄が豊か。才能ある者は身分に関わりなく、埋もれず出てくる養子制度が、努力を絶え間なく続けていくような、偉人を生み出していったのだろう。通史と呼ばれている通訳の実力も凄い。
 長崎か交渉舞台が下田となり、この交渉中に起きた安政大地震の甚大な被害など、グングンと内容に引き込まれていく。世界遺産となった韮山反射炉はこの地震に耐え得ていたり、冬の強い海風、戸田村でのロシア船修復など、沼津出身の私にとって、情景が浮かんでくる作品だった。
 

2016/05/13 22:28

投稿元:ブクログ

記録文学とは、こういうものかとの思いで読み進んだ。
幕末時代は、とかく倒幕側の人物ばかりに焦点が当たりがちだが、幕府側にも、その崩れかかる屋台骨を何とか支えたいと必死の思いで誠心努力する、優秀な幕吏がおり、もっと光を当てるべき人材がいるのではないか。
本作品の主人公川路聖謨は、その筆頭たる人物と言っていい。
著者吉村昭が、彼を取り上げたのは、そのその豊かな人間性とともに、彼の中に、著者自身とも相照らす資質を見出したからではないか。
条約交渉をめぐる談判。この交渉経過を詳細に記した著者の取材の綿密さに、改めて畏敬の念を抱いた。
このような歴史上の偉大な人物に巡り会えることが、読書の喜びであり、醍醐味ともいえる。

2014/07/27 00:06

投稿元:ブクログ

江戸末期の勘定奉行であった川路としあきらについての小説。
吉村昭作品には幕末の人物を書いたものが多く、川路はその中でも世間一般にはあまり知られていない人物であるが、ロシアの外交使節との交渉は本当に見事であり、一仕事人としての心意気が感じられる。

2015/04/26 00:28

投稿元:ブクログ

幕末の嘉永~安政年間、ペリー率いるアメリカの黒船来航と同じ頃、開港を迫るロシアのプチャーチンと交渉し渡り合った勘定奉行川路聖謨の物語。
主張することは主張しつつ、人間的にロシア側から尊敬を受ける。写真のエピソードは面白いですね。
交渉の場、下田も襲った安政大地震。沈没寸前のディアナ号を巡る駆け引き。ほとんど地の文で物語が進みますが、読みやすく緊迫感も伝わってきます。
ただ川路の伝記ではなく、間宮林蔵や渡辺崋山との繋がりにあまり触れられていないのが、ちょっと残念です。

2016/01/17 21:07

投稿元:ブクログ

勘定奉行 川路聖謨の生涯にわたる話である。幕末に生を受け、半生を主に日露和親条約の取り交わしの命を完うするためにプチャーチンらと命を厭わずに懸命に交渉を重ね、幕政に尽くした人物である。その人格は高く、今の外交官の模範となる静謐さと沈着冷静な判断力と物事の先を見抜く力を持った役人であった。これまでの吉村昭の小説の中で最も影響を受けた人物の一人である。墓所は、上野池之端の大正寺にある。

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