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みんなのレビュー6件

みんなの評価4.9

評価内訳

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紙の本

当事者たちのことば

2016/01/28 07:54

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ふとし - この投稿者のレビュー一覧を見る

戸籍上の親が自然に性交渉して生まれてきた私が、今からAIDで生まれてきた人間になることは不可能です。しかし、AIDで生まれてきた人々と出会う可能性や、自分自身がAIDを利用して子どもを授かることになる可能性は充分あります。
現在利用可能な制度であるAIDについては賛否両論わかれますが、自分の思い込み・イメージ・偏見だけで意見を言うのではなく、この本を1度読んでからもう一度よく考えてほしいと思います。
当事者たちのことばに耳を傾けてみてください。

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2014/12/24 00:31

投稿元:ブクログ

ずっと気になっていたこと。
生殖技術で産まれた子ども同士が
たとえば従兄弟どうしと気づかずに結婚する
そんなことはないのだろうか、など。

AID(非配偶者間人工授精)で生まれた人たちが
自助グループに支えられて、やっと声にだせたこと

父親が匿名だというのを知ったとき
自分が誰かわからなくなったと存在感を喪失したり
親に騙されたと感じたり・・とありました。
戸籍はきれいな状態なので
「罰せられない公文書偽造」だとも。

今までなんとなく法的な面で疑問を感じていたけれど
当事者の気持ちを推察すれば、問題の重さに押しつぶされそう・・

今も行われているAID
このままでいいのだろうか?
本当にいいのだろうか?

2015/01/11 02:14

投稿元:ブクログ

AID(非配偶者間人工授精)という言葉、この本で初めて知りました。
日本でも不妊症の治療として、既に60年もの実績があるそうです。
この本は、AIDで生まれた当事者による手記と座談会を纏めたものです。

日本では、AIDによって生まれたことは知らせない方が良いと考えられているため、いずれの方も、親の病気や離婚、血液検査などがキッカケで、実は戸籍上の父親とは血がつながっていないことを知ることになったそうです。それを知った時の混乱は、どの方の手記でも共通していることの一つです。

これまで騙されていた、裏切られたという気持ち、悩みを相談しても理解してもらえないことが多く、悩むことすら否定される、家族や親戚との関係、これまでの人生の選択(進学、就職、結婚、出産など)を真実を知らずに行ってきてしまったことに対する戸惑い、自分の子供に対して、どう説明するのかという問題、家族の病歴を記載できないことから健康診断を受診できなくなった、などなど。多くの困難に立ち向かうことを生まれる前から余儀なくされた方々。

中には、精神的な面での支援を受けている方や、母方の家系には存在しない原因不明(原因のひとつとして、遺伝が考えられる)の難病にかかってしまった方もいらっしゃいます。

しかも、自分のルーツである、精子の提供者の人となりを知りたいという想いは、今の日本では叶えられないそうです(国際的なルールでは知る権利があるとされ、日本も批准しているにも関わらず)。

AIDは精神的な虐待である
母に、誕生日おめでとうと言われたくない
授かったという言い方に対する違和感、だって、作ったんでしょう?
自分が人と思えない

などなど、当事者や、当事者を知る方にしか分からない複雑な気持ちが、手記や座談会で語られています。

昨年は、代理出産の話題がクローズアップされたりもしましたが、このままでは、代理出産で生まれた子どもたちも同じように苦しむことになってしまいます。

多くの方に知って欲しい問題だと思いました。

2014/10/06 22:01

投稿元:ブクログ

日本で60年も行われてきたAIDという不妊治療術。父が本当の父でなかったという秘密を知った子供たちは大きなショックを受け,悩みに苦しんできた。その独白と同じ境遇の者たちの対話を収録。
「自分は人間ではないと思っている」「こんな技術はないほうが良かった」という強烈な自己否定感がとても痛々しい。本書に登場する6人ともが親と医療に根強い不信感を抱く。それは仕方ないことかも知れないけれど,逆に克服して前向きに生きているAIDっ子も大勢いると思いたい。可視化はされなくても。
「普通の家庭」という呪縛が,不妊に悩む親たちを追い詰め,そして今,産まれた子供たちを苦しめている。諸悪の根源は,あからさまな悪にあるのではなくて,皆が自然に受け容れている素朴な社会感情にあるということなんだろう。こういう呪縛から皆が解放される世の中へ向かっていかなくては。

2016/07/25 22:22

投稿元:ブクログ

土屋隆夫の小説で知った非配偶者間人工授精だが、その子供たちが大きくなって自分の出自を知り、声を上げ始めた。当事者たちの手記と対談、解説。

ドラマやフィクションで母の不貞で…とか、実は養子で、両親が再婚で父か母の連れ子だった、とはよくある話だが、ここで語られる話は告知後、両親への不信が別の形で以降の親子関係に明らかに影を落としており、余りに痛ましい。

母親は「自分の腹を痛めた」子供について所有物のように執着するが、父親の心境は殆ど語られない(提供者も)。父方の親戚から提供を受けた方は例外的に遺伝的父親は分かる方が1人いるが、それはそれでキツそう…。

海外では自分の出自を知る権利(精子提供者を知る権利)の法整備が進んでいるそうだが、日本では全然進んでないそうですね。

日本でこの制度を始めた慶應大学医学部の先生方はまるで罪悪感がないって倫理的にどうなの、と思わざるを得ない。子供が生まれてそこでお役目御免って、そりゃひどい。その子供へのケアとか全く考えてなかったのか。

父親方からの遺伝としか思えない(母方にその病気が発病した人がいない)難病に苦しむ方の手記は言葉を失う。

男性不妊症自体研究が女性に比べ進んでいないという専門家の話をブログや本で読んだことがあるが、今後こういう話はもっと出てくるのではないか。

不妊治療に従事する人や医学を志す人には、ここの非配偶者間人工授精で生まれた人たちの対談を是非読んでいただきたい。

2016/07/15 10:35

投稿元:ブクログ

自分が人工授精で生まれ、自分の遺伝的父が誰かを探すということは、今までドラマとかフィクションで見たことはあったものの、実際にその技術を用いて生まれ、自分の存在の意味を問い続けて生きている人がいることに驚き、この技術が人間にどのような意味を与えるのか、いろいろ考えさせられた。特に印象的だったのは、この技術を用いて治療にあたった医師に、全く罪悪感の影も見られないところ。医師も内心いろいろ考えたり責任を感じたりしているところもあるのかもしれないが、やはり医師にこそ、生命倫理や哲学などの教育が必要なのではないかと思った。

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