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音楽は何も与えてくれない

音楽は何も与えてくれない みんなのレビュー

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評価内訳

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3 件中 1 件~ 3 件を表示

2015/08/27 16:22

投稿元:ブクログ

ファンは先刻ご承知であろうが、津原泰水さんが本気で音楽家の道を志していたとは、そしてずっとバンドをやってるとは、いやあまったく知らなかったよ。あの傑作「ブラバン!」にはある程度自身の経験が反映されているだろうから、音楽好きだろうとは思っていたが、ここまでとは思わなかった。ギターやウクレレなどの楽器についてのマニアックな話が満載。

Ⅱ章と付録がほぼ音楽の話で、かなり専門的な(と思われる。知らんけど)ことも出てくるけど、退屈さはない。よく思うのだが、本当に好きなことを一生懸命語っている人の話って、そのことに自分は興味がなくても、いいものだ。音楽に向き合う姿勢が真剣そのもの。その道で生きていくことができなかったという痛みをひしひしと感じる。それでも音楽を続けていくことの喜びも。

Ⅲ章「所詮幻覚」は、かつてウェブサイトにあげていた日記の抜粋。ここは読んでいてつらいところもある。異端の世界を描くような作家は現実的にはごくフツーの人が多い、というなんとはなしの根拠のない思い込みがあったのだが、「バレエ・メカニック」「五色の舟」など、この世を突き抜けてしまったような超絶作を書いた津原氏は、どうやらそうではないようだ。心を病みながら小説を書いていた時期もあったと知って、なんだかあまりにもそれらしく、かえって意外だったりする。

断然おもしろいのがⅠ章。著者が自らの生い立ちを語っているのだが、これが一癖も二癖もあって、まったく興味深い。環境としては60年代から70年代の地方都市周辺でごくありふれたものと言えるだろうが、母の病気であちこちに預けられて(そこで十分愛されて)育った少年の感性が独特なのだ。家族、特に父の肖像もユニークだ。一般的な「良き父親像」とはとても言えないけれど、プレシジョンベース(フェンダーの名器、らしい)を買ったときのいきさつなんか、ぐっとくる。これは「ブラバン!」に書かれていて名場面なのだが、「死者への哀悼の念を込め」ほぼ事実の通りに書いたとある。

他にも、ところどころで思いがけず率直な心情が吐露されていて、じーんとする。ただ一人「先生」と呼ぶという山村正夫氏のことを書いた「山村先生のこと」という一文が忘れがたい。おそらくあまりに怜悧なゆえに「生き急いでた」青年であった著者が、「大学生活と山村先生に命拾いさせてもらった」と感謝するにいたる交流が、しみじみしのばれる。

早世した歌手松原みきさんのことを書いた一篇は次のように結ばれている。
「改めてレコードジャケットを飾っていた彼女の写真を眺め、思う。なんとも健全で可愛らしいお嬢さんじゃないか。死者の姿にこそ清冽な希望を感じる、人のこの心理は不思議だ。一九八〇年、音楽は商品ではなかった。立ち会える幸運に恵まれた者だけが香気を嗅ぎ、その後の日々を新しい景色のなかで送ることができる、本当に神聖なものだったのだ」

2014/08/11 12:53

投稿元:ブクログ

エッセイ風のフィクション

 なんだかまったく乗り切れないので数ページでギブアップ。なんだ?この作品。機会があれば再読だな。

2014/06/17 17:45

投稿元:ブクログ

音楽にまつわるエピソードや家族の話などを幅広く書いてあり、付録というページもあるので結構、ボリュームがある。著者の生い立ち的なものは軽く衝撃的だったが他にもそんな人はたくさん居るだろうなとも思ったり。作品をあまり知らないのでどのような作品を執筆している人かは不明だがこれを機に読んでみようかと思ったりもしている。

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