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2014/08/11 19:29

投稿元:ブクログ

ベトナム戦争の終結とともに、ベトナムを後にして難民としてアメリカのアラバマ州に逃れたベトナムの10歳の少女ハの日記のような詩のような記憶の本。

キム・ハは、母と兄三人とともに南ベトナムに暮らす。
父は海軍の兵士で、九年前につかまって帰ってこない。
それから、クアン兄さん、ヴュ兄さん(ブルース・リー)、ホイ兄さん(エンジニアになる勉強をしている)と母とともに父の帰りを待ちながら、ベトナムの戦況を見守ってきた。母は海軍の事務所で働きながら、洋裁の内職もして家計を守っている。

母親は子どもたちにしっかりとして職業につくように、教育をつけようと考えるしっかりもの。

前半はベトナムの日常生活を、テト(正月?)のような行事やものの値段を記しことで克明に表している。

一転、ベトナム戦争の終結で、ベトナムを離れる決断をする母。子ども四人を説得し、行き先を決め、船を選ぶ。自ら運命を切り開き、子どもの将来を守る決意が感じられる。

そしてどうにか渡ったアメリカのアラバマ州、保証人はカウボーイ。(でも馬は持っていないらしい)

親切なカウボーイだが、その妻は難民受け入れについては賛成してないらしい。
学校でのからかい。
ベトナムでは決して落ちこぼれではなかったのに、英語がわからないことでまるで自分が幼い子供のように扱われていることに腹を立て、イラだつハ。

それでもふんばって生きていかなければならない。

文化の違いを受け入れられないでいる幼いハ。
妹を守ろうとする兄たち。
ひとりで子どもたちを見守る母。
どのような状況でも生きていこうとする家族の力が感じられる。

テトにはすべてを新してむかえる。

P34母さんは
心をしずめなさいってしからないでほしい。
よけいにかっかしてくるから。

P79わたしたちは
司令官のキャビンに入ることをゆるされた。
そこのお手洗いは、
真っ白で清潔で
なだか恥ずかしくなった。

P92船のうしろにまわってふたりっきりになると、
あたしは母さんの白いハンカチをひらいた。
包んであったのは、ネズミにかじられた人形。
人形は腕に、兄さんのヒヨコの
ぐったりしたからだを抱いている。
ヒヨコごと人形をハンカチでしっかり包む。
ホイ兄さんはうなずき、
あたしはにっこりした。
だけど、その白い堤が
海の中に沈んでいくのを見たとたん
人形をとりかえしたくなった。

P125おまえたちみんな
英語を習得するまで
英語以外のことは
考えても願ってもいけません
お父さんのことも、
前の家のことも、
昔のともだちのことも
将来のことも、ぜんぶ忘れなさい。

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