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2017/05/03 09:06

投稿元:ブクログ

物理学や宇宙論のすごく分かりやすい解説本を書いてくれるポール・デイヴィスの「生命の起源」を探る本。原書は1999年なので、もしかすると、内容的には少し古くなっていることもあるのかもしれないけど、十分、新鮮で、エキサイティングです。

デイヴィスは、物理学の人なので、生命を物理学の法則から生命の起源、というか生命それ自体が説明できるか、ということを考えている。

物理学的には、熱力学の第2法則つまり、エントロピーは増大し、秩序はだんだん無秩序になっていく、ということと、生命という高度な秩序は両立しないのではないかというのが基本的ななぞで、そこが議論の起点かな?

もちろん、生命は、外部からエネルギーをうけとりながら、エントロピーを外に排出しているので、第2法則とは矛盾しないのだけど、それでも、混沌のなかから、どうして生命という高度に秩序だった複雑なシステムが生じ得たのか、そしてそれが人間という意識をもった存在まで進化したのか、という疑問はのこる。

一応、進化のほうは、ダーウィン的な環境により適応したものが生存していくというプロセスで説明するとしても、もっとも単純な生物でも、相当に複雑で、どうしてそれが生じ得たかについては、第2法則的には、不可能に近い。

ということで、物理学者は、生命の誕生はものすごくレアなことで、奇跡的なできごと。よって、宇宙のなかで、生命があるのは、地球くらいのものだろう、と考える傾向がある。

一方、普通には(物理学以外の科学者もしばしば)、地球みたいな環境が整えば(そういう星はレアでも、宇宙全体のなかではほぼ無数にある)、生命はあるだろう、と考える。

ここの考えのせめぎ合いが面白いよね。

もちろん、この本で、答えはでないのだけど、著者はやや後者の立場に近いかな?

地球での生命の誕生した場所は、海や水たまりみたいな、生命の原始プールではなくて、地下のマグマ近くかもしれない、とか、火星の生命が隕石で地球にやってきたのかもしれない、みたいな話しは、へ〜という感じですね。

生命って、結構、タフで、隕石などを通じて、惑星間、銀河内なのでの生命の交流が可能であるというのは、壮大です。

最後のほうで、いよいよ面白くなってきたぞ、というところで、話しが宙づりになってしまうところがあって、やや残念だけど、全体としては、あらためて科学って、いいな〜と思うのでした。

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