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hontoレビュー

源実朝 「東国の王権」を夢見た将軍(講談社選書メチエ)

源実朝 「東国の王権」を夢見た将軍 みんなのレビュー

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みんなのレビュー2件

みんなの評価3.7

評価内訳

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2 件中 1 件~ 2 件を表示

2014/08/15 18:30

投稿元:ブクログ

800年来の誤解をいま解く!というキャッチコピー。正岡子規、小林秀雄、斎藤茂吉といった錚々たる面々による、天才詩人であるが文弱な悲劇の将軍という評価に対し、歴史学と文学の両面より実朝の真実に迫る。
ということなのだが、本書の論旨は実は自分にはあまり意外性は感じられなかった。もとより右大臣正二位にまで達する職位は幕府内そして朝廷での安定した地位確立のためのはずだし、そもそも後鳥羽への接近は雅な世界の憧れはあるにせよ、むしろ幕府の相対化をもたらし、従属的であるにせよ東西2極化をさらに推進するものと考えるからだ。(後鳥羽にしてみれば権門体制への一層の取り込みかもしれないが・・・。)将軍親裁指向と執権北条義時ら北条勢力とのせめぎ合いもこの文脈の背景として首肯できるものだろう。将軍としては孤独だったかもしれないが、実際、幕府内での主導権・権威確立を考えた場合、実朝のとるべき道であったといえる。
一方、父・頼朝の構想を引き継ぎ、実朝や政子、そして義時、大江広元らをはじめとした幕府首脳が一丸となって、鎌倉に後鳥羽の皇子を迎え入れようとしていた事実は、ことここに至っては「幕府」にとって「源氏」の「血」もそれほど重要なものでなかったともいえる。官位の急激な上昇は、親王補佐の役割を目指した後鳥羽側からの家格上昇策と著者は考えるが、何よりも著者も触れるように幕府に対しての何の実績もない実朝にしてみても、「源氏」の貴種性を上げるための家格上昇は当然の選択であったことだろう。
そのような中で『金塊和歌集』に向けて没頭していく姿は、ある意味、趣味と実益を両立するものだったのではないだろうか。(笑)著者は特に『金塊和歌集』での様々な和歌を通じて実朝の心情を読み解いていくのだが、歴史的背景に対してパラレルに跡付ける新味があってなかなか興味深かった。
次にお約束の実朝暗殺についてだが、自分も従来の有力説通り三浦義村黒幕説を単純に思っていたが、確かに経緯を考えると直接的には公暁の妄念のみが生んだ犯行であったかもしれない。実際はどうであるにせよ現時点でそこに黒幕を考えるには、少々ミステリーチックに過ぎるのかもしれない。また、事件後に阿野全成の息子どもや頼家の息子が次々と殺されている事実は、「源氏」の「血」は「御輿」にはなり得る存在だが、今となっては幕府首脳にはその「血」自体、邪魔なものでしかなく、「幕府」存在としても必須のものでもなかったということなのだろう。何よりその後の摂家将軍・親王将軍がそれを証明しており、対朝廷対策という意味において頼朝時代から断続的に要請されてきたという親王下向の願いは、後世の「幕府」条件を考えると歴史の皮肉ともいえる。
さて、実朝の死で後鳥羽の構想も頓挫したわけだが、幕府首脳の「源氏」断絶策はむしろチャンスでもあったはずなのだが、その後の流れはパワーバランスを見誤ったというほかはない。実朝喪失は後鳥羽の王権をも大きく覆すこととなりこれも歴史の皮肉であったともいえる。
かように存在自体が微妙なバランスを取り持っていた実朝であるが、今回著者は「たくましい」政治家としての側面をも併せ持つ新実朝像を���示したのだと思うが、ひたむきな将軍親裁といい、後鳥羽、そして和歌への傾倒といい、かなり純真で孤独な人物だったのだろうという基本イメージそのものは未だ変わらないといっても良いのではないか。
文学の素材を何とか使えないものかと自分ももったいなく感じていたので(笑)、今後も著者には、文学面などのアプローチから人物の心情面にまで踏み込んだ歴史論述を行い、歴史学に新風を吹かし続けてもらいたい。

2014/08/20 11:27

投稿元:ブクログ

実朝の夢見た東国王権。それは父頼朝が晩年に皇家との婚姻によって出来た子を将軍に迎える構想を引き継いだものだった。このできなかった実朝は後鳥羽院を主と仰ぎ、その血筋の皇子を自身の次の将軍にしようとした。後鳥羽院もそれを支持して頼朝を越える異例の官位上昇で実朝を支える。母政子や北条義時達もその意向に沿って動き、実現するかに思われたが、公暁によってころされる。歴史のもう一つの大きな可能性があった。また繊細な万葉調の天才歌人という実朝像を、和歌を読んだ背景や政治状況などを照らし合わせることで否定。遊び心あるそしてどちらかといえば古今や新古今和歌集に学んだ歌が多い。

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