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月と篝火(岩波文庫)

月と篝火 みんなのレビュー

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みんなのレビュー7件

みんなの評価4.2

評価内訳

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7 件中 1 件~ 7 件を表示

紙の本

故郷を持たなければ孤独は癒されないのか

2015/06/05 22:06

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SlowBird - この投稿者のレビュー一覧を見る

イタリア北部の貧しい農村に主人公は育つ。旱魃が起きると農地を手放して村から離れたり、小作の立場となる農家が現れる。孤児を引き取ると補助金がもらえるので、それ目当てで引き取られた主人公の家も、ある年に離散の運命に遭い、主人公の少年は親戚の大農場で雇われ者になる。そこで仕事を覚えて青年となり、町へ出てさまざまな職業を経験し、やがてアメリカにまで行って、いつしかそこそこの財産持ちになって、ふと故郷の村に立ち寄って数日間の滞在をしたのがこの物語になる。
故郷と言っても生まれた場所ではないし、家族がいるわけでもない。それでもいくらかの歓待をもって迎えられ、居心地がいいようで悪いようでいる。古い友人を通して、知人の消息を聞いても、親身に思いを馳せるには感情はほど遠い。そして村の周囲の森には、パルチザンやファシストの死体がまだまだ埋まっていて、住民達の心もささくれたままでいる。
だが彼は、一人の片足が不自由な少年に目が止まる。おそらくは家族からの期待も少ないひ弱げな少年に、かつて孤児だった自分の影を見る。村を出て経験を積むことで、自分と同じように、まったく違う未来を得ることができるのではないかという期待だ。そこには、自分と同じ境遇の者の存在に、係累の者のいる故郷というものを求める心の動きに見える。しかし前近代的とはいえ先の見える生活を捨てて、誰も成功するとは限らないせちがない都市の競争社会を選ぶのは、とても分がいいとは言えない賭けでもある。
そして彼には、松明をかざして進む祭の賑やかさ、月が昇るのを見てため息をつくのにも共感することはできず、いつまでもここではよそ者のままだ。
町に戻れば成功者としての地位をもって迎え入れられるはずだのに、自分が何者で、いったいどこに行こうとしているのかは、永遠に分からず仕舞いになりそうな予感が、静かに彼を満たしていく。ひと時の感慨、土地のもたらしたメランコリーなのかもしれないが、ここにある孤独は永遠にも感じられる。戦争の傷もファシズムの恐怖も表面的にしか感じられない素朴な人たち、それがこの田舎の村だけの存在でないとしたら。

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2014/06/30 01:40

投稿元:ブクログ

一切が回帰する世界のなかで、物語は象徴に導かれながらすすみ、やがて始まりに到達する。すでに決められた世界から飛躍し、別の物語へと繋がるためには、神話と時代が必要なのだ。
パヴェーゼが目指したのは神々がまだ人間、動物と平等だった時代の共産主義的ユートピアなのだろうか。とすれば、死すべき者は常に不死である神々なのだ。

2014/09/04 11:39

投稿元:ブクログ

「故郷は要るのだ、たとえ立ち去る喜びのためだけにせよ。」
すべてが“私生児だから”というのが理由になるだろうか?
月は憧れ、篝火は最期の象徴。

2014/07/29 06:07

投稿元:ブクログ

先日読んだスーザン・ソンタグが取り上げていた、パヴェーゼの最後の長編小説。
40歳になった主人公が、生まれ育った故郷の村を訪れる。その村でかつて起きたさまざまなこと、現在のさまざまな様子、あるいは別の土地(アメリカ)で体験したさまざまなことが綴られる。
これもまた、「場所」に関する小説である。時系列が少々入れ替わっており、通時的な「歴史」というよりも、すべての事象が共時態的に「止まった時」のなかに漂うような、そんな場所=時間が描出されている。
この場所に登場する人物が多く、どの名前がどんな人物を指しているのか、ちょっと混乱させられた。
背景として、両大戦にまたがって、ファシスト党のムッソリーニが権力をふるい、それに対抗するパルチザンが活躍し、やがてファシストが滅びる、という暗く陰惨な、激動の時代がある。この小さな村も、そうした歴史性に完全に巻き込まれており、決して独立したユートピアを形成しているのではない。
この小説を読みながら、小説的な言語ということを考えていた。イデオロギーの言語は、人びとを絶えず争闘のなかにたたき込むということを、日頃目にしている。イデオロギー的な言語とは、否定し、排斥し、攻撃するパワーそのものであり、人びとはむしろ、そんな争闘のパワーに操られているだけのようにも見える。(ただし哲学の言語はまた別だ。)
小説の言語とは、それとは全く異なるものだ。それは誰をも攻撃しない。否定するよりもひたすらに肯定し続ける。そうして、構築された言語は象徴的なイメージを結実し、そこにポエジーを生成する。このポエジーは「語り得ぬもの」であるがゆえに、小説の言語を別の言語に交換することは出来ない。
かけがえのないポエジーが、確かにこの小説にも宿っている。

2016/06/27 21:52

投稿元:ブクログ

読んでいて、映画「ニュー・シネマ・パラダイス」を思い出した。
イタリア(といっても地方は違う)が舞台であることと、田舎を出て成功した主人公が一時帰郷するということからなのだけど、今作はずっとシビア。
孤児だった主人公の貧しい少年時代、主人公の回想と村に残った親友が語る周囲の人々の末路、過去よりなお悲惨な現状。
重苦しい物語だが、文章が非常に美しいために読み進めたくなる。
主人公は帰郷の間、自らの過去の幻を避けながら探すような複雑な心境でいたが、祭(=非日常)の時にはまた帰郷すると言い残した彼自身が亡霊のようなものだと思った。
ハッピーともアンハッピーとも言えない結末が絶妙。

2014/05/26 20:45

投稿元:ブクログ

パヴェーゼって何故、自ら命を絶ったのだろう、、、

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「イタリアの寒村に生まれ育った私生児の〈ぼく〉は、下男から身を起こし、アメリカを彷徨ったすえ、故郷の丘へ帰ってきた――。戦争の惨禍、ファシズムとレジスタンス、死んでいった人々、生き残った貧しい者たち……そこに繰り広げられる惨劇や痛ましい現実を描きながらも美しい、パヴェーゼ(1908-50)最後の長篇小説にして最高傑作。 」
パヴェーゼ文学集成
第3巻  長篇集  月と篝り火
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/6/0282330.html

2014/07/20 20:26

投稿元:ブクログ

パヴェーゼ最後の長篇小説。
本作の他にも岩波文庫から出ているものは読んだが、自然描写、特に田舎の村の景色を描いたところがとても美しい。その中で生きる登場人物は決して善人ばかりだとは言えないが、そこもまた魅力と言える。
しかし『月と篝火』という邦題は何とも言えず美しいね。

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