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娼婦たちから見た日本

娼婦たちから見た日本 みんなのレビュー

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みんなのレビュー2件

みんなの評価3.5

評価内訳

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2 件中 1 件~ 2 件を表示

2014/12/13 16:33

投稿元:ブクログ

●娼婦たちから見た日本
 かつて、女性というものは「価値ある財産」であった時代があるように思う。

 人という以前に、男性に所有される性。
 からゆきさんとして輸出品目となっていた女性。
 そして、いま、日本で性商品として取り扱われている女性。

 人としての権利があるということを知らなければ、そもそも権利など主張出来ない訳で、この本に出てくるセーフティネットに引っかからずに生 きていく女性を見ていると、今の社会は権利を知らせていない、厳しい社会なのだなぁと感じる。
 ノスタルジックに書いているけれど、作者は男性であり、買う側だという違和感は残る。けれど、同じものを女性では書けないだろうなぁ。男性 だからこそ彼女らは話すし、男性だからこそ、一歩引いて見られるような気もする。

 男性と女性が異なるのは確かなんだけれども、それは、同じ人という立場の上にあるわけで、どちらが優れているという訳でもない。
 さて、過去の経緯を顧みずに生きるということは、過去の思考に引きずられるということでもある。
 この時代に性差を考えないというのは無自覚でありすぎるように思う。

2016/11/18 23:32

投稿元:ブクログ

著者はフリーランスのカメラマンである。15年以上に渡り、各地の紛争地を巡っている。本書のテーマは、紛争地を初めとする、ぎりぎりの生活を送る場所に住む人々の束の間の拠り所、といったらよいのだろうか。世界各地の「色街」である。

イラク。ネパール。タイ。中国。韓国。
あるいは爆撃に見舞われ、あるいは夫と死に別れ、あるいは貧困の中で、あるいは代々それをなりわいとする部族に生まれつき。女たちはさまざまな理由で娼婦となる。
小さい頃に神に捧げられ、初潮の後に娼婦とされるものがいる。家族を養うためとからりと割り切って働くものがいる。エイズに冒されてもなお働き続けるものがいる。

著者は、紛争地で働く娼婦たちの姿に、戦後日本のパンパンを重ねる。
紛争地が基地となり、さらにその跡地が外国人労働者を集める工場になる。相手が代わっても「色街」の需要はあり続ける。
ロマのように、放浪の部族であり、芸能にも長けた人々もいる。彼らの中には、饗宴で歌い、踊り、人々を魅了する延長線上で、春を売るものもいる。

タイトルは、「娼婦たちから”見た”」だが、実のところ、彼女たちが何を見ているのか、判然とはしない。
著者のカメラは彼女たちを写し、彼女たちはカメラのファインダーを見つめる。その視線の先にあるものは、「戦場」であり、その先の「闇」である。

極限状態でなお人が売ることが出来るもの。なお買いたいと思うもの。
人類最古の職業とも言われるものをひさぐ彼女たちの瞳に写るのは、笑い、諍い、泣き、生きる、生身の人間の姿そのものなのかもしれない。その瞳は、時が移り、国が変わっても変わらない、人の「業」を写し込んでいるようでもある。

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