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2014/10/12 00:26

投稿元:ブクログ

一代で2000億円の企業まで育てた父親の後を継いだ2代目。様々なプレッシャーを撥ね退け、10年強で売上3倍の6000億円規模の企業まで成長させた。その飛躍的な成長をもたらした考え方とは?を、実践してきた本人だからこそ語れるリアルな体験も踏まえながら、端的にわかりやすくまとめた一冊。この飛躍的な成長のポイントは2点。ワンマン社長が牽引する組織に染まってしまっていた受動社員を能動社員にどう変えて行くか。成長機会に溢れる海外市場にどう根を張るか。
これからの自社の成長を考えるヒントがいっぱい詰まってました!

以下、参考になった点、引用、自己解釈含む。

・変化こそが新しい価値を生む。自ら変化することで自分自身が成長し、その結果、業績があがる。

・IT社会の中で、情報格差が無くなったように思われがちだが、現場に根差した泥臭い情報が取れるかどうかは、現場力によって大きな差がある。この現場情報を取るための粘り強い行動力があるか、そしてその情報を経営に生かすスピードがあるか、ここが差別化のポイント。現場、現実、現時点の3現主義を貫く。

・1/3ルール。国内現場、海外現場、本社での執務、そぞれが1/3になるように時間を配分するルールを自分自身に課している。

・現場主義とは、現場の意見を尊重することではない。現場の情報を正しく把握し、経営判断に活かすことを現場主義とする。現場に単に表敬訪問しているだけで、現場主義だと主張するのはナンセンス。現場に赴くことで、経営に生かせるネタをどれだけ収集できたかという視点を持たねばならない。

・バリューフォーマネー。価格に見合う価値を常に考える。

・海外参入の時には、3×2の視点を持つ。①人口の多寡。②流通チャネル構造③メーカー競合状況。A成熟市場、B成長市場。この6パターン毎に見合う、4Pの構築が必用。

・壁を超える5つのポイント。①形や型のあるものは理解されやすい。②不を解消する付加価値は受け入れられやすい。③ホームでの成功パターンを持ち込む方が成功率は高い。④社歴20年超のエース級の人材を10年スパンで送り込む。⑤閾値を超えるまでやり続ける。

・二兎を追わぬものは一兎も得ず。両方を追うからこそ、イノベーションが起きる。

・物づくりの3つの信念。①常に新しいことを提案する。②カテゴリー全体のパイを広げる③相手に先に成長してもらう

・Marketingとは、Market+ing。市場を作り続けて行くことが、マーケティング。

・計画者=実行者。計画を立てたものが逃げない。実行まで責任を担う。

・コミットメントとは、命がけの約束。コミットメントを宣言したからには、0.1%の未達も許されない。達成されないときは、ビジネスパーソンとして命を落とす時だ。

・目標を達成する上で、最も重要なことは、各人が「我が事」として受け止め、主体的に考え、行動する執念を持つこと。このことが会社の文化になった会社は強い。多くの会社、この文化が無いから、なし崩し的に目標未達を連���する。そのためには、上からの一方的な押しつけの目標ではなく、ストレッチすれば届くであろう目標を自分自身でコミットメントさせないといけない。

・人は育てられない、勝手に育つ。

・為さざる失敗よりも、挑戦による向う傷を称賛する。

2015/02/28 18:44

投稿元:ブクログ

海外売上比率が57.7%(14年3月期)にもなったユニ・チャーム高原社長の著書。
日本から海外ビジネスを展開する企業、ビジネスパーソンは必読ではないかと言える経営論の書。
個人的には海外拠点の立ち上げをしており、読みながら一々うなずける内容だった点、また、わが身を振り返り、奮い立たせてくれた貴重な一冊となったために★5つ。
以下は個人的なまとめであり、引用を大量にしているためご注意ください。


◆ユニ・チャームの「3現主義」
(1)現場 (2)現物 (3)現時点
この3つで改善を進めよう。これを無視した改善はあり得ない。

◆意外だった!直感力!
「私が経営するうえで最も頼りにしているのは、現場のリアルな事実ーー現場に直接赴いて己の耳目で集めた「一次情報」と、現場で培った「直感力」です。

◆そして情報に関しての考え方
二次情報は「誰もが入手可能」」という利便性があるが故に、その情報から優位性を生み出すことは非常に難しいと思うのです。つまり、IT(情報技術)の進歩とグローバル化の進展によって情報格差はほとんどなくなり、それによって戦略の類似性が増し、模倣が容易になってしまいます。結果として、戦略自体よりも、実行面での出来栄えや実行スピードで成果に格差が生じる、という状況になっています。

◆吉田松陰の言葉
「志定まれば、気盛んなり」とあります。「やるべきことが明確になりさえすれば、あとはとにかく馬車馬のようになって実行する」という意味ですが、これはまさに我々を表しているような言葉だと思いました。戦略課題の解決で最も重要なことは、多くの課題解決策のなかから「これぞ進むべき道」という策を選択し、なんとしてもそれを遂行する「経営の意思」を示すことだと思っています。

◆進出国検討の3つの軸
(1)対象人口
(2)流通チャネルの状態
(3)メーカー間の競争状態

◆壁を越える5つのポイント
(1)形や型のあるものは理解されやすい
(2)「不」を解消する付加価値は受け入れられやすい
(3)ホーム(日本)での勝ちパターンを移植するほうが成功確率は高い
(4)社歴20年超のエース人材を10年スパンで派遣する
(5)閾値を越える(=成功する)まで諦めない

◆日本での勝ちパターンの移植
むしろ、日本で簡単にできることを異国の地で再現することは容易ではありません。したがって、まずは冷静に自社が日本で今日の地位を築いた「勝ちパターン」を分析し、いつでも、どこでも、同じように再現できるレベルにまで消化しきる必要があると思います。

◆戦略論
<戦略とは>
「誰に対してどんな会社になりたいか」を決めるだけではなく、その顧客に対して「価値を継続的に感じて貰える仕組み」をつくり、それを実際に「実行できる能力を組織全体で身に付ける」ための方法を示すことだと考えています。

<戦略の本質は>
何をして何をしないかの「選択」です。競争したい土俵(ポジショニング)を選び、その差別化した価値を提供できるように、仕事のプロセスや実行に必要な組織や個々の能力(ケイパビリティ)を備える仕組みを構築することです。

<誤った戦略>
「戦略の重点を差別化ではなく成長や規模に置く」ことは間違っていると私も思います。
なぜならば、差別化か成長かの二者択一ではなく、差別化できなければ結果的に成長できないからです。
安易な二者択一やトレードオフ発想による課題解決策では、以前にもどこかで聞いたことのあるような常識的名答えに落ち着いてしまい、一気呵成で根源治療につながるような画期的名戦略開発に至りません。
二者択一的な選択は、確かに合理的で現実的かもしれませんが、その選択によって、もっと大切なものを失ってしまっているのではないかと不安に思います。

◆企業努力観
すべての仕事は「顧客の要望にどれだけ応えられたか」と「企業としていくら収益が出せたか」の2つのせめぎ合いによって決まります。どうすれば、この2つの目的を相反せずに同時に満たすことができるかを徹底的に考え抜くことが重要です。つまり、「私のベストがあなたのベストに直結しているか」を常に確認し、そうであるように努力し続けること。それがベストを尽くすという本来の意味です。

◆モノ創りの3つの信念
(1)常に新しいことを提案する
(2)カテゴリー全体を伸ばす
(3)お得意先には必ず先に伸びていただく

◆3つのコアコンピタンス
戦略実行の段階で成否を分けるのが、企業力の卓越性をかなえる根幹技術であるコア・コンピタンスの有無です。コア・コンピタンスは未来に向けての競争力の根源であり、個々の商品やサービスはその成果物です。
(1)顧客価値と直結している
(2)競合との明らかな差異性がある
(3)多角化・グローバル化の基盤となる

◆人事論 -成長を促す行動習慣、思考習慣
「人は育てられない、勝手に育つもの」
結局のところ人の成長は、その人の意欲や努力によって促されるものであって、他人が関与えきる余地は小さく、できることといえば「成長を即す良い習慣を会社全体の仕組みにすること」くらいだと思います。
<成長を促す行動習慣>
(1)主体性が強い
(2)人脈づくりがうまい
(3)腰が軽い
<成長を促す思考習慣>
(1)良い取り組み姿勢
(2)真理を探求し、原理原則・定石の習慣を目指す
(3)志を忘れない

◆意思決定が失敗する5つのパターン
リーダーとはこれらのパターンに陥らないように注意することで、意思決定をバランスさせる力を磨くことが出来ます。
(1)決め急ぎ
(2)決められない
(3)決めたはずなのに実行しない
(4)決めたことの評価や修正の欠如
(5)頻繁な決定内容変更による弊害

(1)が起こる理由2点。1.成功体験からくる驕り。2.重要な戦略意思決定に何日も悩む辛さから開放されたいという弱さ。
(2)の2点。1.新しいこと(仕事)が増えるということからの相反。2.選択肢が多すぎてどれを選べばいいかわからなくなっている。
(3)要因3点。1「やる気がない」2「やるための資源がない」3「やるための知恵がない」
(4)実行を担保する仕組みと効果測定の不良。修正には多大な労力がかかる。いずれにしても意思決定を放置しないこと!決めっぱなしにしないことが肝心。
(5)じっくり時間をかけて策定した重要戦略において、短期間で戦略の誤りやそれよりも良い戦略が見つかることはないのでは?むしろ、戦略の実行が困難なためにそれを諦めているケースが多いのではないでしょうか。
本当に戦略を誤ったかどうかを判断するのは大変重要な意思決定です。あまり頻繁に変更すると「どうせまた変わるよ」という空気が現場に蔓延して戦略実行力が弱まってしまいます。そのようなことは絶対に避けなければなりません。

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