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西行 改版(新潮文庫)

西行 改版 みんなのレビュー

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みんなのレビュー24件

みんなの評価4.3

評価内訳

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24 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

風の男西行の追っかけ

2005/08/27 00:03

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:s@ひつじ - この投稿者のレビュー一覧を見る

彼女は古今の資料を縦横にひもとき、彼の足跡を自分の足で辿って見るが、最後の最後まで西行の実像は雲をつかむようにとりとめがない。それでよしとしているところが正直で潔い。西行は実際、風のような人だったのだろう。最後まで何かを求めていたような気がする。叶わぬ恋いに苦しみ、定まらない自分の弱い心を嘆き、自由を愛し、美しいものを愛し、桜を愛し、「願わくば花の下にて春死なむ そのきさらぎの望月の頃」と詠んだとおり、釈迦の入滅の日の翌2月16日に亡くなったそうだ。たぶん今頃の季節なのだろう。最後まで風雅な人だったんだね。今風に言うとダンディでロマンチストでボヘミアンでフェミニストで女性にモテモテだったらしい。彼女の好きになりそうなタイプである。
そういえば、彼女の夫の白洲次郎は「風の男」という言葉が表題になっていたような気がする。

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2006/02/11 19:51

投稿元:ブクログ

平将門と同い年の同僚だったのに家族も捨てて出家した西行。その生き方と死にざま。桜といえば西行を思い出す。

2012/11/07 17:51

投稿元:ブクログ

(2012.11.01読了)(2006.07.02購入)
【平清盛関連】
「西行」に関する、「伝記とも紀行文ともつかぬもの」(304頁)です。
西行が行ったと思われる場所、住んだと思われる場所には、できるだけ足を運んだようです。その際には、郷土史家などに案内を頼み、同行してもらったようですし、なかなか場所がわからない時には、その辺に住んでいる方々に聞いてみると、結構わかることが多いようです。寂れて、忘れられているのもさみしいけれど、よく整備されて、昔の面影をしのぶことのできない、と言うのも困りものという、ジレンマもあるようです。
類書の「白道」瀬戸内寂聴著、を先に読んだのですが、「白道」は、西行と待賢門院璋子に重点があったので、内容的に重複している感じはありませんでした。
写真や地図なども割と掲載されているので、この本を頼りに、西行の足跡をたどる時にも、役立ちそうです。198頁には、西行と平清盛との交流を裏付ける書状も掲載されています。

【目次】
空になる心
重代の勇士
あこぎの浦
法金剛院にて
嵯峨のあたり
花の寺
吉野山へ
大峯修行
熊野詣
鴫立沢
みちのくの旅
江口の里
町石道を往く
高野往来
讃岐の院
讃岐の旅
讃岐の庵室
二見の浦にて
富士の煙
虚空の如くなる心
後記
西行関係略年表
数奇、煩悩、即菩提  福田和也

●西行が殴られた時に作った歌(21頁)
 うつ人もうたるる我ももろともに
 ただひとときの夢のたはぶれ
●西行の出家の理由(38頁)
彼は世をはかなんだのでも、世間から逃れようとしたのでもない。ひたすら荒い魂を鎮めるために出家したのであって、西行に一途な信仰心が認められないのはそのためである。荒馬を御すことはお手の物だったが、相手が自分自身では、そう簡単に操れる筈もない。それに比べると、天性の歌人の資質は、彼の心を和らげるとともに、大和言葉の美しさによって、「たてだてし」い野生は矯正され、次第に飼いならされてて行ったであろう。
●吉野の桜(99頁)
西行以前に(吉野の)桜を詠んだ歌が少ないのは、平安時代までの吉野山は、山岳信仰の霊地として、めったに人を近づけなかったためで、行者道や杣道が細々と通っているだけの険阻な秘境であった。稀に桜を詠んだ歌はあっても、いずれ遠望するか、話に聞くだけの名所であって、西行のように花の懐深く推参し、花に埋もれて陶酔した人間はいないのである。
 なにとなく春になりぬと聞く日より
 こころにかかるみ吉野の山

 吉野山梢の花を見し日より
 心は身にもそはずなりにき
●奥州藤原氏(154頁)
奥州の藤原氏と西行は同族で、秀衡とはほぼ同年輩であったから、平泉ではいろいろ便宜を計ってくれたに相違ない。
●高野聖(186頁)
高野聖というのは、早く言えば伊勢の御師や熊野比丘尼と同じように、津々浦々を遍歴して、高野山の宣伝につとめる半俗半僧の下級僧侶である。彼らは民衆のなかに入って、寺の縁起や物語を説くことにより、勧進を行った特殊なグループで、芸能に優れていたので後世の日本の文化に大��な影響を与えた。
●保元の乱(202頁)
忠通は、忠実の長男で、実直な父親とは違って、奸智にたけた政治家であった。一方、次男の頼長は、愚管抄に、「日本第一の大学生」と称賛されたほどの大学者であったから、父親に愛され、兄の忠通とはことごとに反目し合っていた。どちらかと言えば、一本木で、融通のきかない忠実・頼長父子と、天才的な策士である忠通との二派にわかれた摂関家の内紛が、皇室の内部にまで影響を及ぼし、保元の乱の要因となったことは疑えない。
●讃岐に流された崇徳院(214頁)
保元物語その他が伝えるところによれば、最初の三カ年がほどは、後生菩提のために、(崇徳)院は自筆で五部の大乗経を書写し、安楽寿院の鳥羽陵へおさめることを希望されていた。「浜千鳥」の御製は、都へお経を送ったときのものだといわれている。が、その望みは、断固退けられた。後白河天皇、と言うよりその側近の信西入道によって、突っ返されて来たのである。讃岐の院は、烈火の如く憤り、この上は三悪道に堕ちて、大魔王となり、子々孫々まで皇室に祟りをなさんと、それより後は爪も切らず、髪も剃らず、悪鬼のような形相となって指を喰いちぎり、その血で経巻の奥に誓詞を書かれた。

☆関連図書(既読)
「平家物語(上)」吉村昭著、講談社、1992.06.15
「平家物語(下)」吉村昭著、講談社、1992.07.13
「清盛」三田誠広著、集英社、2000.12.20
「平清盛福原の夢」高橋昌明著、講談社選書メチエ、2007.11.10
「海国記(上)」服部真澄著、新潮文庫、2008.01.01
「海国記(下)」服部真澄著、新潮文庫、2008.01.01
「平清盛-「武家の世」を切り開いた政治家-」上杉和彦著、山川出版社、2011.05.20
「平清盛 1」藤本有紀原作・青木邦子著、NHK出版、2011.11.25
「平清盛 2」藤本有紀原作・青木邦子著、NHK出版、2012.03.30
「平清盛 3」藤本有紀原作・青木邦子著、NHK出版、2012.07.30
「西行」高橋英夫著、岩波新書、1993.04.20
「白道」瀬戸内寂聴著、講談社文庫、1998.09.15
☆白洲正子さんの本(既読)
「巡礼の旅-西国三十三ヵ所-」白洲正子著、淡交新社、1965.03.30
「能の物語」白洲正子著、講談社文芸文庫、1995.07.10
「遊鬼 わが師わが友」白洲正子著、新潮文庫、1998.07.01
「いまなぜ青山二郎なのか」白洲正子著、新潮文庫、1999.03.01
「白洲正子自伝」白洲正子著、新潮文庫、1999.10.01
「十一面観音巡礼」白洲正子著、新潮社、2002.10.25
(2012年11月7日・記)

2015/03/11 21:27

投稿元:ブクログ

さらさらとした文章。「私はこう思う」と言い切るところが小気味よい。
西行をもっと知りたい、そしてまた白洲正子という人も。

2014/04/05 23:44

投稿元:ブクログ

桜が散る前に読みたくて。〈桜狂い〉であった西行は〈空気のように自由で、無色透明な人物〉で〈とらえどころがないばかりか、多くの謎に満ちている〉西行の足跡を辿って全国を取材した伝記のような紀行文のようで著者と共に旅した気分になれる。奥州への旅路は芭蕉の「奥の細道」の幻想空間と重なる。芭蕉は西行に憧れて旅をし、西行は能因法師、在原業平の跡を辿る。詞書付きで引用された和歌の数々は花鳥風月を愛でながらもそこに込められた激しい想いが伝わってくる。73歳で没しているのでかなり長生きだ。激動の時代を生き抜いた人生。


待賢門院璋子への激しい恋情をさくらの歌に歌った。身分違いの許されざる恋なれど片思いでなく契りを交わしただけにより忘れ難かったのかもしれない。激動の時代で親しくしていた人々の死もまたいかばかりの哀しみだったことか。保元の乱による同じ数寄の道の崇徳院の配流ときょうし狂死、悪左府頼長の死、源平の争乱と義経の死。
〈桜への讃歌は、ついに散る花に最高の美を見出し、死ぬことに生の極限を見ようとする。〉女院の死を散る花にたとえて心中したいとまで歌う。ひとりの女をここまで愛せるとは。

「春風の花を散らすと見る夢は
さめても胸の騒ぐなりけり」
「青葉さへ見れば心のとまるかな
散りにし花の名残と思へば」
「たぐひなき思ひいではの桜かな
薄紅の花のにほひは」

大河ドラマ「平清盛」を思い出す。あれは面白くていいドラマだった。

2010/08/25 22:41

投稿元:ブクログ

高校のときに同級生に
<如月くん>
ていう名前の男子がいたので、古文の先生がしきりと感心して
「願わくば 花の下にて 春死なん その如月の望月の頃」
の有名な句を引用して、講釈していたのが西行との出会いでした。

15歳ごろの私にとって、西行=世捨て人、坊主、出家=おじいさん
なイメージだったのですが、
30歳過ぎてこの本を読むと、
同年代で、自分の中の衝動に正直で出家せずにはいられなかった若々しい自由人の姿が浮かび上がります。
(はー自分も歳をとったものだ)

専門家ではないながらも、西行の歌や伝承を追いながら、西行の真の姿に迫ろうとする白洲正子の筆が非常に好感を持て、また古文や歴史に強くなくてもまあまあ読みやすい一冊です。(すごく読みやすいわけではない)

2009/10/16 15:09

投稿元:ブクログ

そらになる心は春の霞にて

 世にあらじともおもひ立つかな」



『西行』(白洲正子著 新潮文庫)



いきなりの歌から始まり戸惑いを隠せない。

歌の素養もなければ、西行の知識もない。


私の頭こそ「空」なのだ。

その歌に続く解説を読んで初めて分かる。


「出家のための強い決心を表している」歌で

「春霞のような心」がそのまま

「強固な(出家)の覚悟」に移っていくところが西行の特徴と

解説されている。


23歳で出家した西行は50歳の秋

讃岐(香川)白峰の崇徳院の御陵を詣でるために

修行にでる。


その西行の旅のあとを、白洲正子が讃岐を訪れ

歌とともにその時のことを

『西行』の中の「讃岐の旅」として書き綴っている。

2009/10/29 19:27

投稿元:ブクログ

先日放送された白洲次郎のドラマで、中谷美紀演じる白洲正子が、『西行』を執筆するシーンがあった。今まで、白洲正子の作品は読んだことがなかったので、これを機会にと思って手に取った。いわゆる人物評伝だが、文献におさまらず、実際に筆者が旅しているのでリアルな感動がある。紀行文としても楽しめる。
内容的に、西行の歌の解釈が中心になっているので、歌の部分をじっくり自分でも考えてみないと、おもしろくない。時間があるときに、高い酒を味わうように、じっくり楽しみたい。

どこかに旅に出たくなる、魅力的な一冊だ。

2015/05/23 18:32

投稿元:ブクログ

何年か前の大河ドラマ「平清盛」で、私に一番の印象を残した登場人物が、藤木直人演ずる西行でした。
ドラマで描かれた以上に、自由でふわふわ生きる西行の足跡は非常にきれいだと思いました。

2009/06/24 23:30

投稿元:ブクログ

白洲正子という広く深い教養を備えた人が観た西行の姿を描いている。歴史の考証を踏まえているけれど、描かれた西行の姿は論文の対象ではなく、乱世を生きた人である。そのスタンスは小林秀雄に近い。西行に興味を持って読んだのだけれど、私にとっては、白洲正子という文才を見いだしたという意味も大きかった。

2012/09/09 18:40

投稿元:ブクログ

西行といえば桜。それくらいしか知識のない私でも楽しめた一冊。それはひとえに、白洲正子氏の筆の力だと思う。

この本は西行が数々の歌を詠んだ、その時の時代背景と西行の気持ちを著者なりの読み解き方で綴っていく、「白洲正子の西行」。

歌の意味がすべてわからなくても、彼女の文章とともに、歌を唇に乗せてみればなんとなく伝わるような気がするのは、彼女の文章の力のおかげだと思う。

西行初心者にも楽しめる、情緒豊かな一冊。

2015/11/08 22:15

投稿元:ブクログ

「現代人は、とかく目的がないと生きて行けないといい、目的を持つことが美徳のように思われているが、目的を持たぬことこそ隠者の精神というものだ。視点が定まらないから、いつもふらふらしてとりとめがない。ふらふらしながら、柳の枝が風になびくように、心は少しも動じてはいない。業平も、西行も、そういう孤独な道を歩んだ」(p.107)

2011/12/26 11:09

投稿元:ブクログ

お金持ちのお嬢様が自分の知識と価値観で書くとこういう本になるのかな。ノンフィクションが高度に発展した現代社会では取材・検証不足は否めないが、これで良かった昭和はある意味豊かな時代だったのかも。ただ、オレにはこの人の文体に馴染めない。

2014/02/07 19:09

投稿元:ブクログ

「光の王国」(梓澤要)で西行と秀衡の関わりが描かれていたので、果たして実録だろうかと本書を読んだ。

年たけて又こゆべしと思いきや命なりけりさやの中山

風になびく富士のけむりの空にきえて行方も知らぬ我が思ひかな

をぐら山ふもとの里に木の葉散れば梢に晴るる月を見るかな

都にて月をあはれと思ひしは数にもあらぬすさびなりけり

ねがはくば花のもとにて春死なむその如月の望月のころ

ねがひおきし花の下にて終わりけり蓮の上もたがはざるらん  俊成

2011/03/07 21:10

投稿元:ブクログ

中々難しく、読むのに時間が掛かった。でもやっぱり西行好きだ。そして、白洲正子さんの文章がかっこいい。
西行に益々興味が沸いた。

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