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紙の本

世界中で起きている全て犯罪の根源になっている『いじめ』について考える絵本。

2015/07/21 20:05

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:青空 - この投稿者のレビュー一覧を見る

『いじめ』は、卑劣で、残虐で、最後は死に至らしめる力を持っている。セクハラ・パワハラ・マタハラ・言葉や実際の暴力・メールでの攻撃・虐待、脅迫等、多くの人々が死ぬほど辛い目に遭っている。そして、日本だけでも死を選ぶ人が何万といる現実に心を痛める。今の日本は病んでいる。この絵本は、病んだ人々に一服の良薬として心を癒す力があると信じたい。

 この絵本を読んだからといって、いじめをした人が、すぐにいじめをしなくなるのではない。また、いじめられている人がいじめられなくなるのでもない。この絵本を通して、いじめについて、家族、学校、地域、友達等と読み合い、共に考え、共に『いじめ』という『あな』を塞ぐきっかけになればいいと願う。

 絵本の内容は、短いページの中に、いじめる者、いじめられる者、陥れられる者、傷つく者、勇気を持つ者、加害者の親の辛い想い、いじめを受けている者を助けようとする者、いじめを無くそうと努力する者が簡潔に表現されている。こんなに都合良く『いじめ』がなくなり、現実がクリアー出来るはずがないと思う読者がほとんどだと思う。この絵本は、一面から見ると少年達が『いじめ』られ、ライオンが『いじめ』を行っていると感じる。しかし、他の角度から見ると違った答えが見えてくる。

 絵本の中で『いじめ』をしている主犯者はライオンだととらえがちだが、そうだとは思わない。母親を大切にし、いじめた友達から助けの手を差し伸べられたことを考えれば、彼らは元々は友達で、別に主犯者がいたと考えられる。

 『いじめ』は残酷かつ卑劣。『いじめ』を行う主犯者は、友達同士を平気でケンカさせる。さらに、自分では何もせずに、おもしろがって、セクハラ・パワハラ・暴力・メールでの攻撃・脅迫等をさせるのだ。

 させられた彼らを『いじめっ子』と呼んでいいのだろうか。もちろん加害者が100%悪い。主犯者に脅迫され、『やらなければ殺す』と言われれば、恐怖からやらざるおえないだろう。それほど社会は病んでいると思う。

 絵本の中の少年やライオンたちは、ある意味は被害者であり、加害者でもある。

 では、『いじめ』られることだけに徹してやられた人の想いはどうだろうか。憎しみであふれ、殺してやりたいと思う人もいるだろう。さらに、追い詰められ、引きこもりになり、自殺をするものもいるに違いない。家庭によっては、親との会話がうまくいかず虐待を受けている人もいる人もいるかもしれない。また、親も精神的に追い込まれ病床に伏しているのかもしれない。

 これは一部で、多種多様な『いじめ』の仕方が行われていると思う。この絵本からいじめについての構図を描いていければと考える。

 人の目ばかり気にして、人の言葉に傷つかないように、自分が傷つく前に相手を攻撃してくる人のなんと多いことか。やる側は守られ、やられる側は地獄。『いじめ』を行う主犯者は本当に強いのか?弱いからこそ相手を攻撃して、自分の弱さを隠しているのではないかと私は思う。恐ろしいのは、誰もが『いじめ』の主犯者になれる素質をもっていることだ。主犯者にならないようにするための環境を共に考えていく社会体制が必要だろう。

 『いじめはなくならない』と多くの人が考える。なぜなら、毎日、目の前で起きているからだ。子どもから大人の世界まで『いじめ』は続く。見て見ぬふりをすれば、永遠と『いじめ』は続くだろう。本当に『いじめ』を無くしたいと願い、行動に移す人が増えてこそ、社会は変革する。このいじめを考える絵本『おおきなあな』がそのきっかけになることを信じたい。

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2016/10/22 08:38

投稿元:ブクログ

図書館で借りた本。
地面に穴がたくさん開いている。自分は落ちないように気を付ける。落ちている子たちがみな苦しそうだから。それでもある日落ちてしまう。誰も助けてくれない、暗くていつ出られるかもわからない穴の恐怖。実際のいじめは、穴のようにわかりやすくぽっかりと開いているものじゃなく、気が付いたら出られなくなっていて、掘る方も最初は砂遊びのつもりで、気が付いたら大きな穴になってしまった場合もあるだろう。どこかで止めなきゃ。お互いに止めるタイミングが分からなくなってしまうことも怖いと思った。

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