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紙の本

人とは、自分についてまわる民族や国家、出自、習俗と切り離されて生きることがいかに難しい存在か

2014/09/18 15:21

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:abraxas - この投稿者のレビュー一覧を見る

ヨーロッパでナチス政権が台頭し、ユダヤ人に対する迫害を強めていた頃、アメリカはヨーロッパ戦線への参戦を強く求められていた。当時の大統領フランクリン・ローズヴェルトは、参戦に対し前向きであったが、自国の平和を守るという孤立主義を唱える共和党の一派は、三選を狙う民主党の大統領候補ローズヴェルトに対し、対立候補を立て、これを阻止しようとしていた。その対立候補として俄然前評判が高かったのが、大西洋単独無着陸飛行に成功した英雄チャールズ・A・リンドバーグだった。

長男の誘拐殺人事件の後、アメリカを離れた夫妻はドイツのヒトラーと接近し、反ユダヤ主義者としての発言が世評を動かしていた。もし、国民的英雄リンドバーグが大統領選に臨み、アメリカ大統領に選ばれていたとしたら、アメリカに暮らすユダヤ人の運命はどうなっていただろうか、というのがこの小説の主題である。前置きが長くなった。これはいわゆる歴史改変小説なのだ。

舞台はニューアーク。ユダヤ人が多く集まる界隈。保険外交員の父と、母、それに画才に秀でた兄の四人に従兄を加えた家族は、周りの環境にもなじみ、幸せに暮らしていた。ところが、共和党が次期大統領候補にリンドバーグを指名すると、事態は少しずつ動き始める。

ロス家でも、叔母がリンドバーグ派の高名なラビの秘書となり、やがてラビその人と結婚。その影響で兄が「ゲットーのユダヤ人」である両親から距離を置き始める。ついで、従兄がヒトラーと戦うためカナダ軍に入り、脚を負傷。義足となって帰還する。父はユダヤ人街ではない地区への転勤を命じられるなど風向きの変化を受けて家族の崩壊がはじまる。そんなとき、ラジオでリンドバーグ批判を繰り返していた人物が、暗殺される。

表題を訳せば「アメリカに対する陰謀」。たしかに、小説の終りの方には史実として知られていることが真実なのか、陰謀によるものなのか疑わしく思えるような記述が頻出し、何を信じたらいいのわからなくなる気がする。だが、歴史はある意味いつも我々の知らないところで動いている。主人公の父は、必死で情報を集め、対処しようと悪戦苦闘するが、事態は一市民がどうあがいたところでどうにもならないところまで我々をさらってゆくのだ。

毎日のつまらない小さな選択を一つ誤れば、事態は確実に思ってもみなかった方向に進んでゆく。少年の眼に映る父や母の、事態への処し方、隣人や親戚に対する接し方が、事あるたびに激しく揺さぶられる。頼りきっていた親の見せる揺らぎは少年を惑わせる。自分の生活を守ろうと、子どもなりに頭と心を働かせて行動する、わずか七歳の少年に、取り返しのつかない後悔を一生味わわせるほどに。

特殊な題材のように見えて、いつ、どこにでもいる人々の物語である。読んでいて、これはつい最近の出来事に似ている、と何度も思わされた。たとえばヘイトスピーチや反中嫌韓キャンペーン。この小説は、人は、自分についてまわる民族や国家、出自、習俗と切り離されて生きることがいかに難しい存在であるかということをいやでも考えさせてくれる。

少年の目を通して描かれる「二度と戻れない」1940年代初頭のユダヤ系アメリカ人の暮らしぶりがなんとも懐かしい。地下室に住んでいる死んだ家族の幽霊におびえたり、自分を孤児だと偽り、家出をしてみたりする主人公は、いかにも後に作家になりそうな子どもだ。クリスマスツリーを売る十二月の街の賑わいに目を見張るところなど、アメリカに住むユダヤ人の子だけが出会う発見がそこかしこにある。柴田元幸の訳は苦い中にもほのかな郷愁を漂わせた原作をよく日本語にしている。

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