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新編特攻体験と戦後(中公文庫)

新編特攻体験と戦後 みんなのレビュー

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紙の本

昔の同窓生との回顧話というような趣

2016/03/07 00:04

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る

島尾敏雄氏の小説はいくつか読んでいたが、吉田満氏は一度も読んだことはなかった。この対談は、戦時に同じような経験をした二人の作家の対談である。
戦争を体験していない人間にとって、聞くに値する貴重な内容もあったが、概ね同じ経験をした昔の同窓生との回顧話というような趣である。島尾敏雄氏の戦争小説を読んでいる者にとっては、非常に物足りなかった。
巻末に吉本隆明氏と鶴見俊輔氏の文章が載っているのは貴重である。

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2014/09/23 18:54

投稿元:ブクログ

特攻という極限の状況がどういうものであったのか? 共に特攻隊員でありながら異なった経験を経たお二人の話が興味深い。

2016/09/18 23:14

投稿元:ブクログ

 同じく海軍予備学生として訓練をうけ、戦時末期の「特攻」に参加した経験を持つ二人による濃密な対話の記録。1981年に中公文庫から刊行された原著に、吉田・島尾両名によるふり返り、橋川文三・吉本隆明がこの対談に言及したエッセイ、2014年時点での現状をふまえた加藤典洋による解説を付す。

 この対談の一番の読みどころは、自己の経験を決してロマン主義的な物語には解消せず誠実に向き合い続けようとした二人が、互いの体験の質的な差異に言及するところである。『出発は遂に訪れず』の島尾は「特攻隊」の体験者で、『戦艦大和の最期』の吉田は特攻攻撃の生存者である。また、島尾は豪傑ぞろいの予備学生3期で、吉田はどちらかといえば大量生産組の4期である、等々。同じく「特攻」にかかわったとはいえ、立場と環境が違えば、見えていたものも、「死」への覚悟も、生きのびたあとの感覚も同じではない。戦争から復員するという体験の個別性と多様性について、いろいろなことを考えさせられる。
 
 いつの時代にも、よい人間とわるい人間があいる。それは、戦時下であろうが現代であろうが不変である。そして、戦時下だからこそ、よい人間の美しさがより際立つ瞬間もあるのだろう。だが、そのことをもって、〈戦争が人間を美しくした〉などと言うべきではない――。島尾は、そんな自己の思いを「水中花」という言葉であらわした。「一見美しく見えるものをつくるために、やはり歪みをくぐりぬけるようなことが必要というふうなことになると、ぼくはやはりどこか間違っているんじゃないか、という気がしますね。ほんとうはその中にいやなものが出てくるんだけれども、ああいう極限にはときには実にきれいなものも出てくるんですね。そこがちょっと怖いような気がしますね」(112ページ)。


 

2015/07/29 16:54

投稿元:ブクログ

特攻体験者の二人が、戦後30年を経て、その従軍経験を語り合う対談を、さらに30年を経ていま手にして読む。
島尾敏雄が吉田満の『戦艦大和の最期』を評して、「陶酔」、「極限にはときには実にきれいなものも出てくるんですね。そこがちょっと怖いような気がしますね」と言及する。非常に興味深いくだりがある。
この文庫版新編は加藤典洋の解説が加わっており、近年のベストセラー「永遠の0」と、本対談集との決定的な違いを分析している。非常に腑に落ちる内容だった。

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