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馬の自然誌

馬の自然誌 みんなのレビュー

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みんなのレビュー3件

みんなの評価3.7

評価内訳

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3 件中 1 件~ 3 件を表示

2014/12/28 23:55

投稿元:ブクログ

<ヒトはなぜ、馬を求めたか。狩猟・農耕のため。輸送のため。競走馬として。そして何よりもその美しさのゆえ。 >

原題は"Horse - - - How the horse has shaped civilizations"(「馬-馬はどのように文明を形作ってきたか」)。
有史以来のヒトと馬との関わり、そして馬が人類の発展にどのように関わってきたかを多層的な視点で描く1冊である。
著者のバックグラウンドは英文学・比較文学だが、世界各地の先住民とも関わりが深く、また祖父が牧場主であることから馬に関しての造詣も深い。そんな著者の語りは、生物学、や人類学から文学、美術に渡り、俯瞰する鳥の目、ズームインする虫の目と縦横無尽である。
章は6つに分けられ、アメリカ原住民と馬、狩猟や農耕に用いられた馬、乗馬法の発展、歴史上の名馬、世界各地の馬文化、馬の美しさについて、それぞれ語られている。
語り方は独特で、視点は多岐に渡り、馬に関する伝説や考古学的資料、歴史的文献を客観的に論じるかと思えば、あるいは馬自身、あるいは当時の人々に乗り移ったかのような臨場感あふれる記載もある。
太古の人々が馬に出会い、どのようにして飼い慣らしていったか、またどのように愛でてきたかが、理屈というより感覚的に味わえる作りである。

特に興味深かったのは第3章で触れられていた騎乗法や馬による輸送法。ハミやらくつわやら鞍やら鐙やらは、もちろん、元からあったわけでなく、長い歴史の中で工夫され改良されてきたわけである。一方で、裸馬を乗りこなす人々もあり、それはそれで1つの騎乗技術ということになる。考えてみると、野生の馬を手懐け、乗りこなし、荷物を運ばせるのは、そう簡単なことではなかったはずだ。長い年月をかけ、今のような形が完成してきたわけである。

時に詩的でもある叙情が本書の美点であり、太古の時代のヒトの目で、馬との黎明期を「体感」できる、なかなか不思議な読書体験を味わえる本である。
馬がヒトにとって魅力的だったのは、「役に立つ」からだけではない。何よりも美しかったからだ。そんな思いとともに、悠久の昔の遙かな大地を疾走する馬の幻が脳裏を駆けめぐる。


*個人的かつ間の抜けた話ですが、今年、どこかの時点で何だかもう未年であるかのような勘違いをしておりまして(^^;)。まだ午年だったのですねぇ・・・。12月に入り、年賀状の話題なども聞かれるようになって、はたと気がつきました。そんな罪滅ぼしというわけでもないですが、午年の終わりに馬の1冊でございます。

*ヒトと馬の関わりに注目している本なので、「自然誌」というタイトルは少々ずれているようにも思います。むしろ、「人類史の中の馬」とか「文明を支えた馬」とか、そんな感じ・・・?

*自分の興味としては、『チェーザレ1』に出てきたような、各品種の特徴やら発展やらも含めて、もう少し、体系的にかっちりと馬の遺伝学や育種を追ってみたいような気もします。これはまたいずれ、機会があれば別の本で。

2014/11/08 09:49

投稿元:ブクログ

馬を通した、人類の文化史・歴史。途中、あまりにマニアック過ぎて飛ばし読みした部分もあるが、始まりと終わりのビッグバードの物語は、なかなか格好良い。

********************
ドニエプル川とドン川が黒海に注ぐ中央ロシアの草原で、現在はウクライナ国内になるデレイフカと呼ばれる場所で発掘された6000年前の牝馬が、考古学者たちに熱烈な視線を浴びている。・・・ここが、ウマが初めて家畜化された場所かもしれないからだ。この「偶像牝馬カルト・スタリオン」の歯の摩耗具合から、このウマがハミを口に噛ませられていたことがうかがわれるためだ。

さらに私達は、この地域が、英語やロシア語、ペルシャ語やヒンドゥー語といった、今ではまったくばらばらに思われるいくつもの言語の母たるインド・ヨーロッパ語が、単一の言葉として使われていた最後の土地であり、ウマの埋められた頃が、その最後の時代である可能性も検討してみなければならない。

2015/09/22 11:05

投稿元:ブクログ

馬の自然史は馬と人間の関わりを歴史の様々なエピソードで綴った本。馬術をしていた知人は馬のことを大きな犬といっていたが、人と共に生きてきた馬は野生にもすぐに帰ることができる動物でもある。インディアンと馬とのかかわりは大昔からあったように思っていたが、アメリカ大陸へ馬を持ち込んだのは大航海時代のコンキスタドールたちというのも知らなかった。本の終わりに著者が参考にした本が書かれているので、さらに馬のことを知るにも最適。

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