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邪宗門 上(河出文庫)

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みんなのレビュー9件

みんなの評価4.6

評価内訳

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紙の本

人間とは

2016/11/24 12:52

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:東行 - この投稿者のレビュー一覧を見る

大学時代に高橋の小説を好んで読んでいました。 30数年振りの再会です。
外部環境は現在とは違っておりますが、人間の深層心理は変わっていなく改めて
感動しながら大作ではありますが、読みました。

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2014/08/14 09:11

投稿元:ブクログ

半年程前、村上春樹の『アンダーグラウンド』を読んだ辺りに高橋和巳『邪宗門』を知り、読みたかったのだが、在庫のない状況で断念。

つい先日、新刊で置かれていることに驚き、これは読まなくてはなーと購入。河出さん、素晴らしすぎます。

しかし、キツイ!
和製カラマーゾフな場面もあり。濃すぎて、消化できない。

宗教って、救いって、何だ?

「宗教家に指導された百姓一揆は、これが何ほどかの成功をおさめた際にも、遂に社会経済史的な何らの変革をもらたしえないことは、歴史がこれを証明する。」

「天皇制を支える神道理念は、先端まで行った所で、ふわっと、農村の自然崇拝とその日々の感情生活へと解体されるのであります。」

地域的、政治的に力を持ちだしたひのもと救霊会が弾圧され、機能を停止してゆく様子が上巻では描かれる。

小説として面白いのは、阿礼が教主の娘としての立場を見つめ、揺れながらも屈さない強さ。そして、千葉潔が悲惨な幼児期から「生きる」こと、ただそれだけを問い続けて放浪する姿だと感じた。

政治的側面と、精神的側面が交互に展開される中で、阿礼はひのもと救霊会を生かす道を模索し、潔は己を明かすために漱石の『門』で出てきた禅寺を訪れる。

ここの展開が非常に面白い。

組織としての救いのシステムと、個人としての救いの在り方が、一つの国という社会の下でどうなってゆくのか、恐る恐る下巻に手を伸ばす。

2015/06/13 20:10

投稿元:ブクログ

図書館で借りてきて通勤の行き帰り、家に帰って落ち着いた時間にずっと読んでいたが2週間の返却期限までに200ページしか読めなかったのでそこまでのレビュー。
文体は平易で意味はスッと頭に入るのだが、所々最近は使われない言い回しがあり、昭和初期の空気感を出すのに貢献していたと思う。

2015/12/07 09:47

投稿元:ブクログ

本書は1980年くらいまでは名著として知られ、文学に興味を持つ者なら誰でも読んでいたらしい。
恥ずかしながら自分は昨年まで本書の存在すら知らなかった。
そして、この一か月ほどの間に読み切ったわけであるが、この本を今まで読んでいなかった自分に飽きれるほどの圧巻の大作であった。
戦争へと突き進む不条理や、宗教と生活の関連など、多くのテーマが詰め込まれているが、娯楽小説としても十分楽しめる多面的な読み方のできる小説である。
東大教官の進める100冊?か何かにはリストアップされていたらしいが、再度広く知られることを願う。

2014/08/15 02:05

投稿元:ブクログ

大本教をモデルにしたある宗教団体を通し、戦中・戦後史を描いた大作。上巻には第二部の途中まで収録。
端正な文章は好み。読んでいて気持ちがいい。

貧困・病苦・弾圧……等々、作中で発生する出来事は決して明るいものではない、というかめっちゃ暗いw その分、登場人物が見出すちょっとした幸せが輝くのだろう。
『信仰は人を救うのか?』というテーマは確かに重いが、読み応えはある。

高橋和巳のイメージというと、『若くして亡くなった』『全共闘世代の支持を受けたが、その後は忘れられた』というのが一般的なところかな? 名前を知った時には既に入手困難だったので初めて読んだなぁ。

2016/08/26 18:22

投稿元:ブクログ

読み応えのある小説であるが、残念ながら読み通せず。
今度手にすることがあったならば、261頁の第15章(公判その一)から読むとしよう。
まあ、その機会はないと思うが。

2014/08/06 10:41

投稿元:ブクログ

戦時下の弾圧で壊滅し、戦後復活し急進化した“教団”。その興亡を壮大なスケールで描く、39歳で早逝した天才作家による伝説の巨篇。今もあまたの読書人が絶賛する永遠の“必読書”! 解説:佐藤優。

2016/02/27 15:46

投稿元:ブクログ

【こんな本】
どういった本かを説明するなら著者の(あとがき)においてわかりやすく説明してある。以下抜粋「発想の端緒は、日本の現代精神史を踏まえつつ、すべての宗教がその登場のはじめに色濃く持っている〈世なおし〉の思想を、教団の膨張にともなう様々な妥協を排して極限化すればどうなるかを、思考実験してみたいということにあった」。つまり、世直しを何の制約もなくやりたいようにやったらきっと最後はこうなるんじゃないの?という新興宗教の時系列的な仮想シュミレーションなのだと思う。ただし、著者も少し触れているが、まったくの想像だけでは現実味もないので、実在した新興宗教団体である大本教を大方なぞっている。もちろん大本教だとは一言たりとも言及してないが、登場人物名が開祖の行徳マサが大本教においての開祖出口ナオ。教主行徳仁二郎が大本教においての出口王仁三郎というように、当団体を知る読者の想像を、明確に、かつ統一されたイメージへ恣意的に誘導している著者の意図が丸見えであるが故に、読者はそれに大いに飲まれてノンフィクション的に読むことによって、この宗教哲学へのこの著作における結末のみならず、読者各々の宗教上の、とりわけ 新興宗教における世直しの最終シュミレーション結果が得られるものと理解する。

2016/12/03 23:48

投稿元:ブクログ

とんでもない小説に出会ってしまった。
百万人以上の信徒を抱える新興宗教団体・ひのもと救霊界。
国家の弾圧によって教主が投獄され、教団内部でも分裂や対立が起こる。
教団に拾われた少年・千葉潔を軸に教団内の人物の心情が見事に表現されていて、どんどん作品の世界に引き込まれていく。
戦争に向かう不穏な時代、貧困に苦しむ農村部。
救いのない社会情勢が救霊会の特異性をより際立たせている。
崩壊した教団。大学生になった潔。細々と教団を守る教主の長女・阿礼。遍路の旅を続ける次女・阿貴。
下巻ではどう展開させるのか、楽しみで仕方がない。

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