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hontoレビュー

阿蘭陀西鶴

阿蘭陀西鶴 みんなのレビュー

第31回織田作之助賞 受賞作品

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みんなのレビュー50件

みんなの評価4.4

評価内訳

50 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

おあいとさいかく、父娘のつつがないお話

2016/02/12 01:31

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る

自分勝手で奔放で天才でそして何より娘を愛してやまない父親の話再び。昨日は音楽家で今日は戯作者。時代もそれぞれ。自分の思うことに一直線で、それが娘に疎まれているとわかっていても辞めらない上、なんとか愛を伝えようと必死。父親ってかわいいんだな。物語は中盤、おあいと淡路へ旅するあたりからぐっと濃くなってきた。おあいも大人になっていき父親へのわだかりも少しずつ溶けて行く。忙しい合間をぬって西鶴が盲いのおあいに文字を教える場面がいっち好き。そして弟へ認めた最初で最後の文。おらんださいかく、つつがなし。おあいも、ね。

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電子書籍

浅井まかての西鶴

2015/09/30 09:32

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:こっこあこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

西鶴がこんな感じの人だったとは
知らなかった。
見栄っ張りで世話好きで。

好色物を書いたことを教科書で勉強した時は
「好色物なんて下品な小説家だ」
と思っていたけれど
本当に多彩な人で
俳諧師としても活躍するし、
『日本永代蔵』『世間胸算用』のような
経済の小説も書ける。

気前がいいからお金をどんどん使って
ツケが払えないこともあったようだ。

目の見えないおあいが
子供の時に養子に出されて別れた弟と
再会したときに弟から聞いた話を
読んだときは涙が出た。
ますます西鶴が好きになった。

それで『日本永代蔵』と『好色五代女』
を買ってみた。
私がきちんと読めるか心配だけれども。

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2015/10/22 23:07

投稿元:ブクログ

井原西鶴のことを、盲目の娘、あいの立場から描いた話。

父親に対する感情の揺れ動き、変化、兄弟に対する思い。
自分がどのようにして今の自分になり得たのか、と言うこと

いろんな思いが描かれている。

井原西鶴とは、こういう人だったのか、と思えてなかなかおもしろかった。

2015/07/06 13:51

投稿元:ブクログ

井原西鶴の盲目の娘・おあいの視点で描かれた親子の物語。

馴染みのない大阪弁、それから初めの頃おあいに可愛げがなくて、読み終わるまでにかなり時間がかかってしまった。挫折しかけたけど、最後まで読めてよかった。
西鶴が『好色一代男』を書き始めたあたりから、ぐんと面白くなったような気がします。名前と代表作しか知らなかったのに、現代語訳を読んでみたくなりました。
実在した人物の名前がちょこちょこ出てくるのも、この人たちは同時代に生きた人たちだったのかと再認識できて面白い。
少し悲しい、でも温かい、良い小説でした。

2015/04/23 20:59

投稿元:ブクログ

おとっつぁんのことをここまでボロクソに思ってる娘と、何も気づかないバカな父親。
西鶴ってそんな人だったの?と思いつつ読み進むうち親子愛にじぃ~ん…。なかなかおもしろい一冊。

2016/12/24 08:30

投稿元:ブクログ

井原西鶴に盲目の娘がいたというのは資料の断片からしか読み取れない事実のようだから、その娘が盲目ながら料理も裁縫もこなし、音や匂いや気配で敏感に父の周りの出来事を感じ取った、というのはおそらく筆者の創作であろう。大衆小説の創始者として文学史に足跡を残す井原西鶴の内面に思いを馳せ、自ら創作したに等しい「盲目の娘」にそれを語らせたのが本書である。

人は想像力を働かせることで、自分が住む場所よりも広い世界を感じることができる。井原西鶴は大阪の町人たちが共感できるキャラクターを設定し、その想像の枠を広げたが、本来暗闇の狭い世界に棲むはずのおあいも、浮世草子を推敲する父の声に導かれて外の世界を知り、やがて家族の本当の想いにも触れていく。おあいはが亡くなったのは26歳の時、父が「世間胸算用」を出した頃と想定され、10代半ばから10年間の心の葛藤に自由に想像力を働かせることで、朝井まかては前作「恋歌」を超える円熟味を示したのではないか。

2014/10/13 19:14

投稿元:ブクログ

西鶴の俗なところが娘の視点からよく書けている。父親への気持ちが少しずつ変わっていくところなどが印象深かった。

2015/03/31 11:24

投稿元:ブクログ

日本初のベストセラー作家井原西鶴のひととなりを盲目の娘おあいの視点からあぶりだしていく物語。自らを阿蘭陀=異端と名乗る西鶴、それを最初白々と見、自分勝手にふるまい家のことを放っておく西鶴に反発を覚えるおあい。しかし西鶴にお供して行く先々で出会う人々やおあいを育て上げるまでは断酒をすると宣言し、その後一滴も酒を飲まなくなったということを知るのをきっかけとし、親子の(というかおあい側)の確執は徐々にとけてゆく。
俳人としての西鶴がどのような評価を後世得ているのかは残念ながら私は知らないけれど『好色一代男』の世の介は知っている。市井の人と交わるうちにすかした俳諧よりも親しみを持てる草紙ものをと転換した西鶴。そのカンは大当たりし、年に何冊も好色ものが刊行されるようになる。一見単調な職業作家へのサクセスストーリーもまかてさんの素晴らしい描写による江戸の雰囲気とおあいの存在とが華を添えて絵巻物のような小説になっている。

2014/10/16 18:31

投稿元:ブクログ

賞を獲った「恋歌」から、著者の作品の方向性がちがってきたと思う。
それ以前の、軽妙でいてひとをそらさない、時代物の描き方が好きだったなぁ。
今が悪いわけじゃないけど、こういう作品ならほかの人にも書けるでしょうという感じがする。
名前が売れないと仕事にならないだろうけど、以前に戻らないかな。。。と一読者としては思ってしまう。

2014/12/06 17:43

投稿元:ブクログ

井原西鶴の生き様が、その娘あおいの視点で描かれる。盲目のあおいに、音や匂い、手触り肌触りを使うことを教えた母親のセリフが良かった。「自分で掴まなあかんのや。己が生きてるこの世界がどんなとこかを」初めはいなくなってほしいと思っていた父西鶴のことをしだいに好ましく思うようになるあおい。それにつられて私も西鶴のことが好きになっていった。あおいの作る料理がとても美味しそう。天地明察の主人公算哲さんが少し話題に上がって嬉しかった。

2015/04/26 14:31

投稿元:ブクログ

朝井まかてさん、江戸の時代文化に載せてひとのくらしや風俗を女性目線で描くのがうまい方だとおもうんだけど、実在の人物をとりあげてるのは恋歌とこれと、ほかにもあるのかな。井原西鶴の盲目の娘おあいの話。だよね。こっちが主人公。井原西鶴の筆の才を描いてるのとはちがうからな。障害をもったこどもを育てるときの親心として、鑑ともいうべき才能を描いてるような、そんな印象が残った。おあいは、幸せだったよね。いいお父さんじゃないの西鶴。
タイトルから、井原西鶴の文化人としての半生ドラマを期待すると物足りないだろうけど、ちょっとみんなが知ってるこの人物を通して、親子とは、縁とは、生まれつき与えられてしまったものを抱えて生きるということは(辰彌もそうだし)どういうことか、いろいろ考える種を拾える。またこの方の描く食の描写があざやかでいいんだよねえ。おあいの料理たべてみたいよ。
弟と出会うところとかもいいシーンだった。こういう家族もあるんだね。読み応え十分な1冊でした。

2014/12/05 00:15

投稿元:ブクログ

井原西鶴と盲目の娘おあいの間に通う情の時の流れによる変遷。淡々とした表現ながら、松尾芭蕉への敵愾心、あるいは嫉妬、近松門左衛門への複雑な思いなど面白く読んだ。

2014/10/06 11:45

投稿元:ブクログ

井原西鶴の盲人の娘 おあい目線で
父親を見つめた
西鶴の人物像はもちろん あの時代の人情物語やつながりが
おもしろい
なにより 親子の最初はかたくなな気持ちがだんだん
ほどけて、
 「おとうはんのおかげで、私はほんまおもしろかった}
は、気持ちがほっこりあったまった
最後、こういって幕を閉じたいもんだわ

2015/09/06 16:18

投稿元:ブクログ

井原西鶴 →『好色一代男』みたいなテスト問題の暗記ものとしてしか接することがなかった西鶴。そんな西鶴のひととなりが父娘関係のなかで描かれているので、楽しみながらも興味深く読めた。

2016/10/06 15:00

投稿元:ブクログ

井原西鶴の娘、盲目のおあいを通して見える父の姿。

大坂の人らしく、口から生まれたような、楽しくておもろいことが大好きな西鶴を嫌っていた思春期のおあい。やさしかった母を亡くし、二人の弟を養子に出したことも納得行っていなかったようだ。
今よりもっと、障害者の生きにくかった時代だったんだな。
家から一歩も出させてもらえないのが常識で、おあいのように外へ連れ出してもらえたり客人に会わせてもらえたりするなんて稀だった。そのことや、おあいのために大好きだった酒を飲まず少しでも長生きしようと決めた父親の気持ちを知り、徐々に心がほぐれていきます。

この父娘を中心として、通り過ぎていく人たちの甘いだけじゃない人生も描かれており、リアリティがありました。
朝井まかてさんの作品は、登場人物が皆生き生きと暮らしている息遣いと熱気が感じられます。

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