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直江兼続と関ケ原

直江兼続と関ケ原 みんなのレビュー

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2014/10/05 22:09

投稿元:ブクログ

会津移封の本質、神指築城の理由、「直江状」の諸問題など、会津移封後の上杉景勝と直江兼続の動向を追いかけ、徳川軍との対峙、最上義光との激戦など、「北の関ヶ原」とも呼ばれる慶長五年の山形合戦・福島合戦の真相をさぐる。(2014年刊、改訂新版)
・口絵
・まえがき
・【特別寄稿】奥羽越の関ヶ原支線(高橋 明)
・直江兼続と関ヶ原ー慶長五年を読み解く(本間 宏)
  第一章 上杉景勝、会津へ
  第二章 神指築城の意味
  第三章 「直江状」の諸問題
  第四章 家康の出陣、景勝の防戦
  第五章 景勝・兼続の戦略
  第六章 山形合戦の意味
  第七章 福島合戦の諸問題

読み易く、まじめな記述で通説を見直している。派手さはないが好印象。ただ物足りなさは感じる。会津移封は豊臣政権と上杉景勝の利害が一致したためという見方は首肯できる。越後から会津への国替えを機に家臣たちを土地から切り離し、景勝を頂点とする絶対的な支配体制に脱皮することが可能となった。
神指城築城は、家康と戦うための城ではなく120万石にふさわしい首都機能の移転が目的であったとする。会津若松城から移転する必要があったのか疑問は感じるが、妥当な見方であろう。
直江状については、判りやすく整理されている。
白河決戦説は誤りとしている。本書の記述によれば、上杉方の防戦準備が整っていたようには思えず、戦略も窺えないが、一体どの様にするつもりだったのだろうか。なんで素直に上洛しなかったのかがわからなかった。
山形合戦の意味は、目からウロコだった。これまで、直江兼続が戦下手のように感じていたが、最上、伊達を屈服させる戦略があり、威圧のための合戦であったという意味合いがわかった。
これまで、伊達がもっと積極的に動かなかった訳がわからなかった(なぜ100万石のお墨付きを実力で既成事実化しなかったのか)が、本書によると各大名による私戦が復活した訳ではなく、政権の枠の中で、自己の権益確保を図った事がわかる。(家康は政宗に、たびたび自重を求めて釘を刺しているが、釘が効いていたといえよう。)

本書は東北の関ヶ原について、通説の見直しを図っている。史料を見直し、虚構を排除している。研究途上の部分もあり、物足りさなを感じる部分もあるが、今後の研究の進展を期待したい。

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