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2014/11/09 23:57

投稿元:ブクログ

ジャン・ボベロ『世界のなかのライシテ 宗教と政治の関係史』白水社文庫クセジュ、読了。「国家が特定の宗教を保護せず、複数の宗教が政治から自立しながら平等な地位を保障され、また個人および集団も宗教の選択と信仰の自由が保障されている原理」=ライシテ。本書はその歩みと現在を総括する入門書

著者はライシテ研究の世界的権威。ライシテとは宗教と政治(国家)が互いに自律している関係(=永続的な緊張関係)と言ってよいが、本書は歴史的経緯にとどまらず、「アラブの春」以降のイスラーム諸国の政教関係の変化をも視野に含みいれている(第四版増補

共和主義も多文化主義も多種の挑戦に応えられないのが現在。両者の緊張はライシテの中に永続的緊張が存在していることを証明している。だとすれば「西欧のみがその担い手とはみなされない新しい普遍主義の建設」という文脈で新たに具現化すべきと展望する。

「ライシテの汎用化を試みた本書は、一般にイスラームの特殊性を強調されるアラブ世界において、ライシテをどのように議論の俎上にのせられるのか、という問題を考える足がかりになる」(訳者)。経緯をふまえライシテの未来展望する最良の水先案内。

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